大学等でのアカデミック・ハラスメントを防ぐ方法
1.アカデミック・ハラスメントの多さ
アカデミック・ハラスメントについての報道は非常に多い。
例えば、平成30年2月の
「大阪大学、60代男性教授を停職3カ月 学生らへの複数のハラスメント」
「…大阪大は、学生らに複数のハラスメントをしたとして、大学院国際公共政策研究科の60代の男性教授を停職3カ月の懲戒処分とした。
大阪大によると、教授は平成25~26年、研究室に所属する学生や学会の事務局スタッフらに対し、授業後の懇親会への参加を強制するなどのハラスメントを繰り返した。…」
等の報道がとても多い。
教授の密室で、単位認定や卒業を脅しに、堂々とセクシュアル・ハラスメントが行われていた東京の大学の例もある。フォーカスされたがあまりに鮮明な写真であり、記事だけであった。
大学等では、上下関係がはっきりしていて、指導と称してパワーハラスメントが行われてきたのも事実である。
このようなことを防ぐためには、司法のリードもさることながら、意識改革のコンプライアンス研修等が必須である。
※具体的事例についてはこのサイトの「コンプライアンスの事例」参照
2.大学等の教育機関でのコンプライアンス
大学のステークホルダーは、何といっても「学生」である。また学費負担の「保護者」であろう。しかし、大学へのかかわりを持つステークホルダーは非常に多いのだ。補助金を出している国、そして納税者もそうであろう。
これらのステークホルダーの信頼を得るには、やはり不祥事リスクも含めた「リスクマネジメント」とアカデミック・ハラスメントなどの不祥事を発生させない職業倫理が求められる。
■大学でのコンプライアンスは全体的に問題が多々あるが、中でもアカデミック・ハラスメントはこれまで、半ば教授という特権階級の許された権限のように見逃されてきたのであり、その根は深いものがある。
3.アカデミック・ハラスメントを防ぐ「ガラス張りの研究室」
私が非常勤講師で教えていた近畿のある大学では、まだ卒業生の出ていない大学で設立が間もないこともあるが、講演会でしばしば取り上げる様に、教授室は完全に外部から見えるようになっている。
パソコンの画面が見えないだけが多いが、教授室によっては、覗くことはできないので内容は全く分からないが、なんとパソコン画面も斜め方向からはわかるようになっていた。
通路に面してガラス張りであるし、居場所をはっきりとわかるようになっている。
大学でのコンプライアンスの徹底のために工夫はそれぞれしているであろうが、ハラスメントで自殺する学生もいて、企業のみならず、大学におけるコンプライアンスも急務であろう。