5. コンプライアンスの事例(不祥事)
2020年の企業不祥事やコロナ関連等の官民不祥事 その1「NSSOL架空取引」
私見によれば、このような網羅的な対策ではなくて、NSSOLの架空取引がNSSOL組織が被害者ではなく、最大のステークホルダーである株主を裏切る不祥事として、主体的で体系的な焦点を絞った最新のリスクマネジメントによる防止策が必要である。また、営業社員への研修はどのように何をするのか明確化すべきである。最も不思議なのは、コンプライアンスを指摘する見直しなどの言葉は出てこないが、本件不祥事は組織のコンプライアンスに問題はなかったのか不可解である。本当に本件は最新のコンプライアンスの観点、コンプライアンス・リスク管理の観点にも問題はなかったのであろうか。蛇足ながら、本サイトの企業不祥事分類を参考にしてほしい。今日では、ステークホルダーの観点から企業不祥事を分析しないと、原因と再発防止策を網羅的に、もっと言うと思いつくままに、非専門家があげても、不祥事はまた別の形で起こるであろう。片付いたように見えて、実は漱石が言っているように、単に形を変えて別の形でまた出てくるだけにならないようにすることが大切であろう。
(株)ディー・エヌ・エー(DeNA)のキュレーション事業での著作権法・薬機法等違反
本件のDeNAのキュレーション問題は、インターネットのプラットホームの問題、記事の委託先の管理の問題、マスメディアの創業者賛美による売り上げ第一主義、視聴率第一経営姿勢の問題(ワタミの過重労働自殺問題なども同じ)、企業買収(M&A)事業拡大におけるPMI (Post Merger Integration)問題、取引先決定の公正さの問題、不祥事における責任の取り方の問題、社会的損害に対する無責任、著作権法の理解不足、軽視と法規範としての2次的扱い、コンプライアンス違反があったのであれば、本サイトの私の論考にあるように、正面からコンプライアンスの適正復活に心血を注ぐべきで、そこでは職業倫理が中心になるとの問題などがあろう。もちろん、リスクマネジメントの問題として、3つのデフェンスライン、ERM2017の企業への取り込みなどはこの会社などの最大の喫緊問題だ。