苦悩する消防職員とそれを解決する「公務員倫理」研修の実施

1.消防職員の現場での悩み

(1)深い苦悩のさなかにいる消防職員

今日の現場の消防職員は、いったいどんな悩みを抱えているのであろうか。

私は、市町村での「公務員倫理」研修や「コンプライアンス」研修を引き受けることが多いが、その時にしばしば消防職員の方から相談を受けることが多い。

これまでも、九州や関東をはじめ地元の近畿でも消防職員が多数参加してきた。

そこで、しばしば思うことであるが、

命を張って仕事をしている人は、やはり真剣に悩んでいるのだな、と。

一般職の公務員が真剣に悩んでいないと言っているわけではないが、フィジカルな面もメンタルな面でもきつい仕事であろう。

彼ら(女性も含む)の苦悩も半端ではない。

(2)職務上の損害賠償請求を受ける悩み

多い悩みに、消防現場でミスをした場合に訴訟になった時はお金を払わなアカンのか。

これなんぞは、訴えられて放っておけば、裁判制度上は支払わなアカンことになりますなんて、建前を言ってしまうと、反応がまことに気の毒である。

2.消防職員の公務員倫理上の悩み

(1)消防職員の立ち位置の問題(消防制度の歴史的経緯)

第2次世界大戦後に、GHQの指令で地方自治が制度として取り入れられ米国の保安官制度のように、地域のなかで警察権力と消防が組織だてられた。

その後に、日本的な風土に合わない隣が隣を逮捕するということが社会的軋轢を生み、消防が残って、都道府県に警察が集約された。

市町村の役目が今日でも消防にはあるのである。

(2)地方公務員法の適用

彼らは、正規の地方公務員である。

そうすると、地方公務員法の適用が消防組織法などで規定してないところは全面的に適用がある。

現場で、消火活動を行ったり、救急で人を運んだりするときには厳しく倫理が問われるのである。

(3)救急や火災現場での法知識の必要性

例えば、「交通事故にあった友人の安否を教えてほしい」との依頼があった時には答えていいのか。

これは、コンプライアンスの問題でもあり、法がはっきりしないので、公務員倫理の問題でもあろう。

かれ(彼女)は、悩むのである。

個人情報保護法、個人情報保護条例等の最新知識が必要である。

3.消防職員と「地元消防団規律維持と不祥事の防止指導の仕方」

(1)同じ制服だが

制服はほぼ同じである。同じような倫理観と規律を持ってほしいがしばしばそうでないことがあるときに、常勤の消防職員はどのように特別職の非常勤である「地元消防」に指導すればいいのであろうか。

これも本当に悩みは深いのである。思わず、ある市役所の不祥事を思い出してしまう。

(2)ある地方公共団体での消防不祥事

その市役所では、不祥事が連発したが、非常勤の方によるものであったので、正職員から名札に外部から見てわかるような識別標を入れろという議論が起こっていたのである、もちろんひそかに。

4.消防職員の不祥事事例が連続していること

マスコミ報道の通りで、わいせつ事例、ハラスメント事例、横領事例等多い。

※このサイトの「コンプライアンスの事例」参照

5.最近の不祥事相談から

ハラスメント相談が多いし、管理職からの責任論の範囲の質問も多いのである。

また、ネット利用に係る地方公務員法38条相談も多いのが古くて新しい問題である。

また、やはり消防職員の現場を離れた「職場での労働上の悩み、人間関係の悩み」もよく相談を受ける。

情報公開の範囲と個人情報保護法(個人情報保護条例)もやはり多い。

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