パワーハラスメント(パワハラ)「優越的言動問題」を規制する労働施策総合推進法改正法が成立(第198回国会で2019年5月29日成立)

※第一九八回 閣第三八号 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」の第3条

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の一部改正)
第三条 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
目次中「第七章 外国人の雇用管理の改善、再就職の促進等の措置(第二十八条-第三十条)」を「 第七章 外国人の雇用管理の改善、再就職の促進等の措置(第二十八条-第三
十条)第八章 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等(第三十条の二-第三十条の八) 」に、「第八章」を「第九章」に、「第九章」を「第十章」に、「第四十条」を「第四十一条」に改める。
第四条第一項各号列記以外の部分中「必要な施策を」を削り、「講じなければ」を「取り組まなければ」に改め、同項中第十四号を第十五号とし、第十三号の次に次の一号を加える。
十四 職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実すること。
第四条第二項中「前項に規定する」を「前項各号に掲げる」に、「を講ずる」を「の充実に取り組む」に改め、同条第三項中「を講ずる」を「の充実に取り組む」に改める。
第三十三条の見出し中「勧告」の下に「並びに公表」を加え、同条に次の一項を加える。
2 厚生労働大臣は、第三十条の二第一項及び第二項(第三十条の五第二項及び第三十条の六第二項において準用する場合を含む。第三十五条及び第三十六条第一項において同じ。)の規定に違反している事業主に対し、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
第三十五条中「及び第二十八条第一項」を「、第二十八条第一項並びに第三十条の二第一項及び第二項」に改める。
第三十六条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
厚生労働大臣は、事業主から第三十を加え、同条第二項を次のように改める。
2 船員に関しては、…
第三十八条に次の一項を加える。
3 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第二十条から第二十七条まで並びに第三十一条第三項及び第四項の規定は、前項の規定により読み替えて適用する第三十条の六第一項の規定により指名を受けて調停員が行う調停について準用する。…
第三十八条の次に次の一条を加える。
(適用除外)…
第九章を第十章とし、第八章を第九章とし、第七章の次に次の一章を加える。
第八章 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等
(雇用管理上の措置等)
第三十条の二 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2 事業主は、労働者が前項の相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
3 厚生労働大臣は、前二項の規定に基づき事業主が講ずべき措置等に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において「指針」という。)を定めるものとする。
4 厚生労働大臣は、指針を定めるに当たつては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴くものとする。
5 厚生労働大臣は、指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
6 前二項の規定は、指針の変更について準用する。
(国、事業主及び労働者の責務)
第三十条の三 国は、労働者の就業環境を害する前条第一項に規定する言動を行つてはならないことその他当該言動に起因する問題(以下この条において「優越的言動問題」という。)に対する事業主その他国民一般の関心と理解を深めるため、広報活動、啓発活動その他の措置を講ずるように努めなければならない。
2 事業主は、優越的言動問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。
3 事業主(その者が法人である場合にあつては、その役員)は、自らも、優越的言動問題に対する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならない。
4 労働者は、優越的言動問題に対する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる前条第一項の措置に協力するように努めなければならない。
(紛争の解決の促進に関する特例)
第三十条の四 第三十条の二第一項及び第二項に定める事項についての労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成十三年
法律第百十二号)第四条、第五条及び第十二条から第十九条までの規定は適用せず、次条から第三十条の八までに定めるところによる。
(紛争の解決の援助)
第三十条の五 都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対
し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
2 第三十条の二第二項の規定は、労働者が前項の援助を求めた場合について準用する。
(調停の委任)
第三十条の六 都道府県労働局長は、第三十条の四に規定する紛争について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があつた場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第六条第一項の紛争調整委員会に調停を行わせるものとする。
2 第三十条の二第二項の規定は、労働者が前項の申請をした場合について準用する。
(調停)
第三十条の七 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)第十九条から第二十六条までの規定は、前条第一項の調停の手続について準用する。この場合において、同法第十九条第一項中「前条第一項」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)第三十条の六第一項」と、同法第二十条中「事業場」とあるのは「事業所」と、同法第二十五条第一項中「第十八条第一項」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第三十条の四」と読み替えるものとする。
(厚生労働省令への委任)
第三十条の八 前二条に定めるもののほか、調停の手続に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

※マスコミの報道(朝日新聞・日経などから一部引用)

職場でのパワーハラスメント(パワハラ)を防ぐため、企業に防止策を義務づける労働施策総合推進法の改正案が、29日の参院本会議で可決、成立した。義務化の時期は早ければ大企業が2020年4月、中小企業が22年4月の見通しだ。⇒中小企業は、しばらくは努力義務となる。

企業が取り組む防止策の内容は、これからつくる指針にまとめる。加害者の懲戒規定の策定▽相談窓口の設置▽社内調査体制の整備▽当事者のプライバシー保護などが想定され、今夏にも始まる労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で議論して決定する。

※なお、修正案が出たが否決されたので、厚生労働省の法律案通りの内容で可決された。また、パワーハラスメントやパワハラという言葉は当然ながら法律の中では使われていない。国際用語でも、法律用語でもない「はやり言葉」の一種だからである。優越的言動問題として扱い、その定義は「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害される」ものである。つまり、①優越的地位、②業務上の相当な範囲を超える、③就業環境を害する の3つを要件とする。

 

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