地方公共団体のハラスメント(パワハラ・セクハラ等)研修

ハラスメント規制、実務及び人生経験の3拍子揃ったレクチャー

(1)ハラスメントに関する規制

 ハラスメントは、従来はセクシュアルハラスメント(男女雇用機会均等法)が主で、その他のハラスメントもあるといった社会的認識であったが、今日では優越的言動問題として所謂「パワーハラスメント」が立法化(労働施策総合推進法)され、さらには、育児介護法等で、マタハラ等としてハラスメントが取り上げられるようになり、ひどいいじめ・嫌がらせ・暴力と言った労災認定の用語も個々のハラスメントの集合体としてあげられる。
 このような、倫理規範に著しく反するハラスメント行為が、学校現場でのいじめなども含め、いろいろな組織や職場において広範にみられるように現代社会ではなっている。その原因の最たるものは、過剰な複合的ストレス社会であろう。精神の余裕がどこでもなくなっているのと社会の分断と衝突が頻繁に起こりやすい人間社会になっているのである。日本だけでの現象ではなく、繰り返し申し上げているように、EU諸国では、刑罰も含めた法規制がなされているのである(フランスのいわゆるモラル・ハラスメント規制など)。
 このようなハラスメントに法規制がなされた令和の現在では、もちろん、パワハラ、セクハラやマタハラ等を公務員が行えば、地方公務員法29条第1項第2号違反から同第1号違反、つまり一般的な公務員倫理違反の時代からより明確な法令違反に時代に入ったことが明らかで、各種統計もそれを反映していることは周知のとおりである。
 したがって、コンプライアンスそのものの問題である。公務員倫理そのものの問題である。リスクマネジメントそのものの問題である。内部統制そのものの問題である。リーダーシップそのものの問題である。‥‥
 結局、有効なハラスメント対策は、これらの理論と実務を知らないと無理である。データ分析は参考に過ぎない。

(2)ハラスメント実務

 上述の法規制を知ることがまず最優先である。ところが、ハラスメントの研修をこれまでそれ単独でも何十回とやってきた(コンプライアンス等の研修内ではいつも触れるのでそれを含むと数百回)が、これら法の規制そのものを全く知らないのである。その理由は簡単である。コンプライアンスを知らない理由と同じだ。「目の前の仕事に役立たない」からである。直接役立つことはないであろう。これは、ルールそのものの宿命である。法や規範は、「アカン」ことを定めているから、金儲けや得することを定めているわけではないからである。当職の仕事を先だってあるマーケティング会社が「入札などではあなたの仕事はあまりないですね。ニッチなお仕事をなさっていますから」といって、乱暴に電話を切った。そもそも迷惑電話に腹立たしいが当たっているのであろう、コンプライアンスで直接カネもうけはできないから。
 そこで、ハラスメントの研修や講演をするときは、面白くもない法の話からせざるを得ないのである。末川博母校名誉総長の言葉をつくづく思いだす、「法はイヤなもの」、トホホ。
 中川総合法務オフィスの実施する「ハラスメント」研修では、依頼先の都道府県や市町村で、如何なるハラスメント規制や公務員倫理違反による不祥事が発生しているかを念入りに独自のデータベースで調査して、その自治体などにピッタリとフィットした研修を実施して大好評を得ているのである。その証左に、リピートして依頼が舞い込むようになっているのだ。その研修内容は、企画書を見れば一目瞭然である。ぜひ請求されたい。
 企画書の中には、地方公共団体の3大パワーハラスメント事件、最高裁の重要なセクシュアルハラスメント事件などを十分に取り上げ、かつ「カネカ」事件の真相を紹介している。

(3)人生経験

 組織はいくらAI等のツールが進歩しても人が動かすことには変わりない。人と人との関係は倫理である。如何なる秩序で組織を作っていくかは如何なる人間関係で作っていくかと同義である。ピラミッド式であろうとフラットな組織であろうと関係がない。上に立つ、下で使われる、支配する、支配される、協働する、連携する、対立する等。それらの人生経験がハラスメントのような人間に深くかかわる場面ではとても大切である。それが指導するものにあるかどうかが決定的である。中川総合法務オフィス公式ページ等で当職の経歴を参照されたい。

事例を豊富に取り入れた考える実践的研修

 ハラスメント防止理論と実務を出来るだけわかりやすくしかも短い言葉で伝え、ハラスメントに関する地方公共団体不祥事の事例を研修対象組織にフィットした内容で取り上げて研修する。これまでの、数多くの研修ではこれが最も効果的である。ただ研修を高満足度にするためにゲーム理論や演出に拘ることはない。低俗な満足ではなく、高い実践的に役だった満足をこれまでもこれからも当職は目指している。

 下記は、拙著である『公務員の教科書「道徳編」』(ぎょうせい)は出版戦略から名前はシリーズものになっているが、地方公共団体のハラスメント・公務員倫理・コンプライアンスの基本的著書である。実際に大きな不祥事が発生した団体等でコンプライアンス委員会の指定図書や推薦図書になっているので参照されたい。


中川総合法務オフィスのハラスメント研修内容

 (対象は地方公務員・国家公務員)
 ハラスメント規制を含む「コンプライアンス」が現代社会において、組織体の基本であることはどんなに新しい理論が出てきても変わらないであろう。地方公共団体の運営において、いかなる場合もハラスメント規制等のルールを守る。人間の尊厳を冒すような人格的攻撃をしないでハラスメント的な行動をしない公務員倫理に基づいて行動する。さらに法令遵守、公務員倫理を守るだけではなく、かりにはハラスメントをする職員がいる地方公共団体の活動がいかなる影響を社会に与えるかを考えて行動する。2024年3月に岐阜県岐南町の町長は99項目のセクシュアルハラスメント行為が原因で辞任せざるを得なくなったではないか。今日では、これをコンダクト・リスク管理と言う。公務員は職業倫理の基礎にあるintegrityの涵養に努める。他の地方公共団体不祥事を他山の石として学ぶ事等が最重要である。

 コンプライアンス目標達成のためには、リスク管理と並んで「職業倫理」の何たるかを知って、個々人の職業倫理が地方公務員法やハラスメント規制法や各自治体内規等で定められた公務員倫理と完全に一致していることが不可欠である。

 言っていることとやっていることが違うことは何時か表面化する。

 正しい心がそのままに地方公務員の職務執行に現れる人間作りを地方公共団体はする必要がある。

 自治体組織におけるHR(human resource)形成が求められている。個々の職員が公務員倫理そのものを担当職務において何の躊躇いもなく実行できる人間形成である。

 住民などのステークホルダーに強い信頼を得ることが必要であるコンプライアンス経営のもとでは組織の信頼は勿論、個々の職員が信頼される高い職業倫理は、格段と重要性が高まってきていると言っていいであろう。

 倫理とは何か、道徳とは何かを個々人が日々自分の心に問う事、

 正しい公務員倫理がどうすれば現に担当している「職」の執行場面で徹底されるか、

などを日々考える事が不可欠である。

◆ハラスメント研修の内容項目(講義と最新トピックを取り入れた事例演習) ※国家公務員もアレンジして対象

・研修内容…もっとも重要なことは、ハラスメントは3種あるということである。その3種すべてを理解すべき。
 2019年に改正された労働施策総合推進法におけるパワー・ハラスメント防止対策に関する規定については、基本的に、地方公務員にも適用される(総務省2019年10月10日大村公務員部長)。令和2年6月1日から施行された。この法の定めと厚生労働省の指針は研修実施の前提であり、地方公共団体のハラスメント対策は必ずこれを含めた内容にする必要があろう。
 特に、法的義務のある措置義務等を履行する必要がある。司法の流れもハラスメント防止については加速しており社員や職員等の労災不認定判定の取り消しや損害賠償請求の積極的認定がみられる。殊に熊本市・神戸市・豊川市・川崎市等の過去事例は十分に参考にする必要があろう。
 また、セクシュアル・ハラスメントはその本質は性的嫌がらせ・強要であり、男女雇用機会均等法第11条で配慮から措置へに変わり、明確にセクハラは、個人の尊厳や名誉などの人格を害するものであり、コンプライアンス経営の観点が不可欠、つまり職員も重要なステークホルダーの認識が必要である。さら、男女雇用機会均等法29条、労働省による具体的措置4分類10項目も踏まえ、【対価型セクハラの具体例】 【環境型セクハラの具体例】を取り上げる。
 さらに、育児や介護に関するハラスメントを取り上げる。制度利用型と状態への攻撃型である。
 ハラスメント研修の若干の項目を取り上げると

(1)パワーハラスメントとセクシュアル・ハラスメント最前線情報(国の政策・裁判例・基準等の実務対応)

(2)裁判所はこんな言葉・態度をパワーハラスメント・セクシュアル・ハラスメントと認定している複数事例

(3)パワハラ・セクハラを武器にする部下をどう上司は指導してリーダーシップを発揮していくのか

(4)モラル・ハラスメント(精神的暴力)の視点も家庭ばかりでなく職場においても重要である。 

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