地方公共団体の内部統制法案が第193回国会でついに成立 施行はH32/4/1 法案内容

1.第193回国会での内部統制等に関する「地方自治法」改正法

(地方自治法の一部改正) 地方自治法等の一部を改正する法律  法律第五十四号(平二九・六・九)より 一部抜粋 整理

(1)第七十五条第四項の次に次の一項を加える。

監査委員は、第三項の規定による監査の結果に関する報告の決定について、各監査委員の意見が一致しないことにより、前項の合議により決定することができない事項がある場合には、その旨及び当該事項についての各監査委員の意見を代表者に送付し、かつ、公表するとともに、これらを当該普通地方公共団体の議会及び長並びに関係のある教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員に提出しなければならない。

(2)内部統制

第百五十条 都道府県知事及び第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市(以下この条において「指定都市」という。)の市長は、その担任する事務のうち次に掲げるものの管理及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを確保するための方針を定め、及びこれに基づき必要な体制を整備しなければならない。

一 財務に関する事務その他総務省令で定める事務

二 前号に掲げるもののほか、その管理及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを特に確保する必要がある事務として当該都道府県知事又は指定都市の市長が認めるもの

2 市町村長(指定都市の市長を除く。第二号及び第四項において同じ。)は、その担任する事務のうち次に掲げるものの管理及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを確保するための方針を定め、及びこれに基づき必要な体制を整備するよう努めなければならない。

一 前項第一号に掲げる事務

二 前号に掲げるもののほか、その管理及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを特に確保する必要がある事務として当該市町村長が認めるもの

3 都道府県知事又は市町村長は、第一項若しくは前項の方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

4 都道府県知事、指定都市の市長及び第二項の方針を定めた市町村長(以下この条において「都道府県知事等」という。)は、毎会計年度少なくとも一回以上、総務省令で定めるところにより、第一項又は第二項の方針及びこれに基づき整備した体制について評価した報告書を作成しなければならない。

5 都道府県知事等は、前項の報告書を監査委員の審査に付さなければならない。

6 都道府県知事等は、前項の規定により監査委員の審査に付した報告書を監査委員の意見を付けて議会に提出しなければならない。

7 前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。

8 都道府県知事等は、第六項の規定により議会に提出した報告書を公表しなければならない。

9 前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項の方針及びこれに基づき整備する体制に関し必要な事項は、総務省令で定める。

(3)監査制度

第百九十六条第一項中「者(」の下に「議員である者を除く。」を加え、同項後段を削り、同項に次のただし書を加える。

ただし、条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができる。

第百九十六条第四項中「これを」を削り、同条に次の一項を加える。

議員のうちから選任される監査委員の数は、都道府県及び前条第二項の政令で定める市にあつては二人又は一人、その他の市及び町村にあつては一人とする。

第百九十八条の三第一項中「当たつては」の下に「、法令に特別の定めがある場合を除くほか、監査基準(法令の規定により監査委員が行うこととされている監査、検査、審査その他の行為(以下この項において「監査等」という。)の適切かつ有効な実施を図るための基準をいう。次条において同じ。)に従い」を加え、「監査を」を「監査等を」に改める。

第百九十八条の三の次に次の一条を加える。

第百九十八条の四 監査基準は、監査委員が定めるものとする。

前項の規定による監査基準の策定は、監査委員の合議によるものとする。

監査委員は、監査基準を定めたときは、直ちに、これを普通地方公共団体の議会、長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会又は公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会及び委員に通知するとともに、これを公表しなければならない。

前二項の規定は、監査基準の変更について準用する。

総務大臣は、普通地方公共団体に対し、監査基準の策定又は変更について、指針を示すとともに、必要な助言を行うものとする。

第百九十九条第三項中「どうかに」の下に「ついて」を加え、同条第四項中「少くとも」を「少なくとも」に改め、同条第七項中「、また」を削り、同条第九項中「監査委員は」の下に「、第九十八条第二項の請求若しくは第六項の要求に係る事項についての監査又は第一項、第二項若しくは第七項の規定による監査について」を加え、「提出し、かつ」を「提出するとともに」に改め、同条第十項中「ため、」の下に「第七十五条第三項又は」を加え、同項に後段として次のように加える。

この場合において、監査委員は、当該意見の内容を公表しなければならない。

第百九十九条第十一項の次に次の一項を加える。

監査委員は、第九項の規定による監査の結果に関する報告の決定について、各監査委員の意見が一致しないことにより、前項の合議により決定することができない事項がある場合には、その旨及び当該事項についての各監査委員の意見を普通地方公共団体の議会及び長並びに関係のある教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員に提出するとともに、これらを公表しなければならない。

第百九十九条第十項の次に次の一項を加える。

監査委員は、第七十五条第三項の規定又は第九項の規定による監査の結果に関する報告のうち、普通地方公共団体の議会、長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員において特に措置を講ずる必要があると認める事項については、その者に対し、理由を付して、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。この場合において、監査委員は、当該勧告の内容を公表しなければならない。

第百九十九条に次の一項を加える。

監査委員から第十一項の規定による勧告を受けた普通地方公共団体の議会、長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員は、当該勧告に基づき必要な措置を講ずるとともに、当該措置の内容を監査委員に通知しなければならない。この場合において、監査委員は、当該措置の内容を公表しなければならない。

第百九十九条の三第一項中「その定数が三人以上の場合にあつては」を削り、「を、二人の場合にあつては識見を有する者のうちから選任される監査委員」を「(監査委員の定数が二人の場合において、そのうち一人が議員のうちから選任される監査委員であるときは、識見を有する者のうちから選任される監査委員)」に改め、同条第四項中「にあつては」を「には」に改める。

第二百条の次に次の一条を加える。

第二百条の二 監査委員に常設又は臨時の監査専門委員を置くことができる。

監査専門委員は、専門の学識経験を有する者の中から、代表監査委員が、代表監査委員以外の監査委員の意見を聴いて、これを選任する。

監査専門委員は、監査委員の委託を受け、その権限に属する事務に関し必要な事項を調査する。

監査専門委員は、非常勤とする。

第二百二条中「この法律及びこれに基く政令に規定するものを除く外」を「法令に特別の定めがあるものを除くほか」に改める。

第二百三条の二第一項中「専門委員」の下に「、監査専門委員」を加える。

(4)決算不認定

第二百三十三条第一項中「政令の」を「政令で」に、「あわせて」を「併せて」に改め、同条に次の一項を加える。

7 普通地方公共団体の長は、第三項の規定による決算の認定に関する議案が否決された場合において、当該議決を踏まえて必要と認める措置を講じたときは、速やかに、当該措置の内容を議会に報告するとともに、これを公表しなければならない。

(5)賠償請求権の放棄

第二百四十二条に次の二項を加える。

10 普通地方公共団体の議会は、第一項の規定による請求があつた後に、当該請求に係る行為又は怠る事実に関する損害賠償又は不当利得返還の請求権その他の権利の放棄に関する議決をしようとするときは、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。

11 第四項の規定による勧告、第五項の規定による監査及び勧告並びに前項の規定による意見についての決定は、監査委員の合議によるものとする。

(普通地方公共団体の長等の損害賠償責任の一部免責)

第二百四十三条の二 普通地方公共団体は、条例で、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会の委員若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員(次条第三項の規定による賠償の命令の対象となる者を除く。以下この項において「普通地方公共団体の長等」という。)の当該普通地方公共団体に対する損害を賠償する責任を、普通地方公共団体の長等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、普通地方公共団体の長等が賠償の責任を負う額から、普通地方公共団体の長等の職責その他の事情を考慮して政令で定める基準を参酌して、政令で定める額以上で当該条例で定める額を控除して得た額について免れさせる旨を定めることができる。

2 普通地方公共団体の議会は、前項の条例の制定又は改廃に関する議決をしようとするときは、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。

3 前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。

第二百五十二条の十三中「政令の」を「政令で」に、「又は専門委員」を「、専門委員又は監査専門委員」に改める。

第二百五十二条の二十七第二項中「普通地方公共団体」の下に「及び同条第二項の条例を定めた同条第一項第二号に掲げる市以外の市又は町村」を加え、「、毎会計年度」を削る。

第二百五十二条の三十三第二項中「の職員」の下に「、監査専門委員」を加える。

附則第九条に次の一項を加える。

この法律に定めるものを除くほか、監査専門委員の分限、給与、服務、懲戒等に関しては、前項の規定を準用する。

2.日経の地方公共団体内部統制スクープが平成28年正月

平成20年頃からの議論が結実した法案である。地方公共団体の内部統制は待ったなしである。

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