はじめに
建設業法第23条から第24条は、建設工事の適正な施工を確保するための重要な規定である。第23条は注文者の下請負人変更請求権、第23条の2は工事監理に関する請負人の報告義務、第24条は請負契約のみなし規定を定めている。これらの条文は、建設工事の品質確保と契約関係の明確化という観点から、実務上極めて重要な意味を持つ。
本稿では、これら3つの条文について、その趣旨、要件、効果、実務上の留意点を詳細に解説する。
第23条(下請負人の変更請求)の概要
条文の趣旨
第23条は、注文者が請負人に対して不適当な下請負人の変更を請求できる権利を定めている。建設工事においては、元請負人が下請負人を使用することが一般的であるが、下請負人の技術力や施工能力が不十分な場合、工事全体の品質や工期に重大な影響を及ぼす可能性がある。
本条は、注文者の利益を保護し、建設工事の適正な施工を確保するため、注文者に下請負人の変更請求権を認めたものである。ただし、注文者が事前に書面で承諾した下請負人については、この変更請求権は行使できない。これは、注文者自身が選定に関与した下請負人について、後から変更を求めることは信義則上問題があるためである。
第1項の要件と効果
「著しく不適当と認められる下請負人」の意味
第1項の変更請求権を行使できるのは、下請負人が「著しく不適当と認められる」場合である。この判断基準については、国土交通省の運用指針や判例の蓄積により、以下のような場合が該当すると解されている。
技術力の欠如、施工能力の不足、工期の遅延を繰り返す、安全管理が不十分、暴力団関係者が関与している、過去に重大な施工不良を起こした実績がある、などの事情が総合的に考慮される。「著しく不適当」という文言は、単なる不適当ではなく、客観的に見て工事の適正な施工に支障を来す程度に達していることが必要である。
変更請求権の行使方法
変更請求権の行使方法については、法律上特段の規定はないが、実務上は書面により行うことが望ましい。変更請求の理由を具体的に記載し、どの下請負人についてどのような不適当な事実があるのかを明示する必要がある。
請負人は、注文者から変更請求を受けた場合、これに応じる義務を負う。ただし、請負人としては、変更請求が「著しく不適当」という要件を満たしているか否かを検討し、要件を満たしていないと判断する場合には、その旨を注文者に説明することができる。
ただし書の意味と実務的影響
第1項ただし書は、「あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人」については、変更請求権の対象外とする旨を定めている。この規定により、注文者が事前に関与して選定した下請負人については、後から変更を求めることはできない。
実務上、公共工事においては、主要な下請負人について注文者の事前承諾を求めることが一般的である。この場合、当該下請負人が実際に著しく不適当であることが判明しても、注文者は変更請求権を行使できないことになる。したがって、注文者としては、事前承諾を与える際に、下請負人の技術力や施工実績を十分に審査することが重要である。
第2項の電子化対応
第2項は、第1項ただし書の書面による承諾に代えて、電子的方法による承諾を認める規定である。建設業法の各所で進められている電子化対応の一環として、平成26年の法改正により追加された。
電子化の要件
第2項により、注文者は政令で定めるところにより、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定めるものにより、承諾をする旨の通知をすることができる。この場合、書面による承諾をしたものとみなされる。
具体的な電子的方法については、建設業法施行令および建設業法施行規則において詳細が定められている。電子メール、電子契約システム、建設業許可・経営事項審査電子申請システムなどが利用可能である。
実務上の留意点
電子的方法による承諾を行う場合、下請負人を選定する者(通常は請負人)の承諾を得る必要がある。これは、電子的方法による通知を受け取る側の意向を尊重する趣旨である。
また、電子的方法による承諾の記録を適切に保存しておくことが重要である。後日、承諾の有無や内容について争いが生じた場合に、証拠として提示できるようにしておく必要がある。
第23条の2(工事監理に関する報告)の概要
条文の趣旨と背景
第23条の2は、建築士法第18条第3項の工事監理制度と連動する規定である。建築士法において、工事監理者である建築士は、工事が設計図書のとおりに実施されていない場合、請負人に対して是正を求めることができるとされている。
本条は、この建築士からの是正要求に対して請負人が従わない場合、その理由を注文者に報告する義務を請負人に課すものである。これにより、注文者は工事の施工状況を適切に把握し、必要な措置を講じることができる。
報告義務の要件
建築士法第18条第3項の規定による要求
報告義務が発生するのは、建築士法第18条第3項の規定により建築士から「工事を設計図書のとおりに実施するよう求められた場合」である。この要求は、工事監理者である建築士が、工事が設計図書と異なって実施されていることを発見し、請負人に対して是正を求める場合に行われる。
建築士法第18条第3項は、工事監理者の重要な権限であり、建築物の安全性や品質を確保するための制度である。請負人としては、建築士からの是正要求を真摯に受け止め、原則として設計図書どおりに施工する必要がある。
「これに従わない理由がある」場合
請負人が建築士の是正要求に従わない理由がある場合とは、例えば以下のような場合が考えられる。
設計図書に誤りがあり、そのとおりに施工すると建築基準法等に違反する場合、現場の状況により設計図書どおりの施工が物理的に不可能な場合、設計図書どおりに施工するよりも合理的な代替方法がある場合、注文者から設計変更の指示を受けている場合などである。
これらの場合、請負人としては単に建築士の要求を無視するのではなく、その理由を注文者に報告する義務を負う。
報告の方法と時期
「直ちに」報告する義務
本条は、請負人に対して「直ちに」報告することを求めている。この「直ちに」とは、社会通念上可能な限り速やかにという意味であり、建築士から是正要求を受けた後、合理的な期間内に報告する必要がある。
実務上は、建築士からの是正要求を受けた日から数日以内、遅くとも1週間以内には報告することが望ましい。報告が遅れることにより、工事の進行に支障を来したり、注文者の判断が遅れたりする可能性があるためである。
第19条の2第2項の通知方法による報告
報告は、「第19条の二第二項の規定により通知された方法により」行う必要がある。第19条の2第2項は、建設工事の見積期間等に関する通知方法を定めた規定であり、通常は書面または電子的方法による。
したがって、工事監理に関する報告も、書面または注文者が指定した電子的方法により行うことになる。報告の内容としては、建築士からどのような是正要求を受けたのか、それに従わない理由は何か、代替的な施工方法はあるか、などを具体的に記載する必要がある。
実務上の留意点
注文者・請負人・工事監理者の関係
本条の報告義務は、注文者、請負人、工事監理者の三者関係において重要な意味を持つ。工事監理者である建築士は、建築士法に基づき独立した立場で工事を監理する責務を負っているが、契約関係は注文者と建築士の間に存在する。
一方、請負人は注文者との請負契約に基づき工事を施工する立場にある。建築士の是正要求と請負人の施工方針が対立した場合、最終的な判断権者は注文者である。本条の報告義務は、この判断のために注文者に必要な情報を提供する機能を果たす。
報告を怠った場合の効果
本条に違反して報告を怠った場合、建設業法上の監督処分の対象となり得る。国土交通大臣または都道府県知事は、第28条に基づき、指示処分、営業停止処分、許可取消処分などの監督処分を行うことができる。
また、報告を怠ったことにより注文者に損害が発生した場合、請負人は債務不履行責任または不法行為責任を負う可能性がある。さらに、工事が設計図書どおりに実施されず、建築基準法等に違反した建築物が完成した場合、請負人は刑事責任を問われる可能性もある。
第24条(請負契約とみなす場合)の概要
条文の趣旨
第24条は、建設工事に関する契約について、その名義や形式にかかわらず、実質的に請負契約に該当する場合には建設業法の規定を適用する旨を定めている。これは、建設業法の規制を潜脱することを防止し、建設工事の適正な施工を確保するための規定である。
実務上、「委託契約」「業務委託契約」「請負契約」など様々な名称の契約が締結されるが、その実質が報酬を得て建設工事の完成を目的とするものであれば、建設業法上の請負契約として扱われる。
「請負契約とみなす」要件
報酬を得ること
第24条が適用されるためには、まず「報酬を得て」契約が締結されることが必要である。この報酬は、金銭に限らず、経済的価値のある対価であれば含まれる。
無償で建設工事を行う場合や、純粋なボランティアとして工事を行う場合は、本条の適用対象外である。ただし、実務上、建設工事が完全に無償で行われることは稀であり、何らかの対価が存在することが通常である。
建設工事の完成を目的とすること
次に、契約の目的が「建設工事の完成」でなければならない。建設工事とは、建設業法第2条第1項に定義される工事を指す。土木一式工事、建築一式工事から、大工工事、左官工事、とび・土工工事など29種類の専門工事が含まれる。
「完成を目的とする」とは、単に労務を提供するだけでなく、一定の仕事を完成させることに契約の重点がある場合を意味する。したがって、単なる労働者派遣や職業紹介とは区別される。
契約の名義を問わない
本条の最も重要な点は、「委託その他いかなる名義をもつてするかを問わず」という部分である。これにより、契約書のタイトルが「委託契約」「業務委託契約」「工事委託契約」などとなっていても、実質的に建設工事の請負に該当すれば、建設業法の規定が適用される。
この規定は、建設業法の適用を免れるために、形式的に異なる名称の契約を締結する脱法行為を防止する機能を果たしている。
実務上の適用場面
委託契約との区別
実務上最も問題となるのは、「委託契約」と称される契約が請負契約に該当するか否かである。特に、公共工事においては「工事委託」という名称が用いられることがあるが、これも実質的には請負契約であり、建設業法の適用を受ける。
委託契約と請負契約の区別は、必ずしも明確ではないが、一般的には以下の基準により判断される。仕事の完成に対して報酬が支払われるか(請負)、それとも労務の提供に対して報酬が支払われるか(委託・雇用)、完成した仕事についてリスクを負担するのは誰か、作業の指揮命令権は誰が有するか、などの要素を総合的に考慮する。
建設工事と他の業務の区別
また、建設工事に該当するか否かの判断も重要である。建設業法第2条第1項は建設工事を定義しているが、その範囲は必ずしも明確ではない。
例えば、機械設備の設置工事、電気工事、管工事などは建設工事に該当するが、単なる機械の搬入・据付けは建設工事に該当しない場合がある。また、測量、設計、工事監理などの業務は建設工事ではなく、建設業法の適用対象外である。
外国企業との契約
外国企業が日本国内で建設工事を行う場合も、本条の適用対象となる。したがって、外国企業であっても、日本国内で建設工事を請け負う場合には、建設業許可を取得する必要がある。
契約書が英語で作成され、「Construction Agreement」「Work Order」などの名称が用いられていても、実質的に建設工事の請負に該当すれば、建設業法の規定が適用される。
みなし規定の効果
建設業法の全規定が適用される
第24条により請負契約とみなされた場合、建設業法の全ての規定が適用される。具体的には、建設業許可(第3条)、請負契約の原則(第18条)、書面による契約(第19条)、不当に低い請負代金の禁止(第19条の3)、不当な使用資材等の購入強制の禁止(第19条の4)、見積条件の提示(第20条)などの規定が適用される。
また、監督処分(第28条)や罰則(第45条以下)の対象ともなる。したがって、無許可で建設工事を請け負った場合、第47条により3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられる可能性がある。
私法上の効果
第24条は、建設業法という行政法規の適用範囲を定めた規定であるが、私法上の契約の性質決定にも影響を及ぼす。すなわち、民法上の請負契約として扱われることにより、民法第632条以下の請負に関する規定が適用される。
これにより、請負人は仕事を完成させる義務を負い(第632条)、注文者は仕事の目的物に瑕疵があるときは担保責任を追及できる(第634条以下)などの効果が生じる。
関連法令との関係
建築士法との関係
第23条の2は、建築士法第18条と密接に関連する。建築士法は、建築物の設計・工事監理について建築士の独占業務を定めており、工事監理者は工事が設計図書のとおりに実施されているかを確認する責務を負う。
建設業法第23条の2は、この建築士法の工事監理制度を実効性あるものとするため、請負人に報告義務を課している。両法は、建築物の品質確保という共通の目的のために連携して機能している。
建築基準法との関係
建築基準法は、建築物の安全性、防火性、衛生性等を確保するための最低基準を定めている。建設業法第23条の2の報告義務は、建築基準法に適合した建築物が施工されることを間接的に担保する機能を果たす。
工事監理者である建築士が建築基準法違反を発見した場合、請負人に是正を求めることになるが、請負人がこれに従わない場合、注文者に報告されることにより、建築基準法違反の建築物の完成を防ぐことができる。
民法の請負契約規定との関係
第24条により建設業法の適用対象とされた契約は、同時に民法上の請負契約としても扱われる。建設業法は、民法の請負契約に関する規定に対して、特別法として機能する。
したがって、建設業法に特別の定めがある事項については建設業法が優先的に適用され、建設業法に定めのない事項については民法の規定が適用される。例えば、請負契約の書面化については建設業法第19条が優先的に適用されるが、請負人の担保責任については民法第634条以下が適用される。
実務上の重要ポイント
第23条に関する実務対応
下請負人選定時の注意点
元請負人としては、下請負人の選定に際して、その技術力、施工実績、財務状況、安全管理体制などを十分に審査する必要がある。注文者から変更請求を受けた場合、工程の遅延や追加費用の発生など、元請負人にとって大きな負担となるためである。
特に、公共工事においては、注文者の事前承諾を得て下請負人を選定する場合があるが、この場合でも元請負人としての責任は免れない。下請負人の選定について注文者に十分な情報を提供し、適切な判断を促すことが重要である。
変更請求を受けた場合の対応
注文者から下請負人の変更請求を受けた場合、元請負人としては、まず変更請求の理由が正当か否かを検討する必要がある。「著しく不適当」という要件を満たしているか、客観的な事実に基づいているかを確認する。
要件を満たしていると判断される場合は、速やかに下請負人の変更を行う必要がある。ただし、下請負人との契約関係や下請負人に生じる損害についても配慮し、可能な限り円満に処理することが望ましい。
第23条の2に関する実務対応
建築士との連携体制の構築
請負人としては、工事監理者である建築士との良好なコミュニケーション体制を構築することが重要である。定期的な打合せを実施し、施工状況を報告し、疑問点や問題点について早期に協議する姿勢が求められる。
建築士からの是正要求を受けた場合は、まずその内容を十分に理解し、可能な限り設計図書どおりに施工するよう努める。やむを得ず是正要求に従えない場合でも、建築士との十分な協議を経て、合理的な代替案を検討することが重要である。
報告書の作成と保管
第23条の2に基づく報告を行う場合は、報告書を作成し、その写しを保管しておくことが望ましい。報告書には、建築士からの是正要求の内容、それに従わない理由、代替的な施工方法、今後の対応方針などを具体的に記載する。
この報告書は、後日紛争が生じた場合の証拠となるだけでなく、注文者が適切な判断を行うための重要な情報源となる。
第24条に関する実務対応
契約書の名称と実質の確認
建設工事に関する契約を締結する際は、契約書の名称にかかわらず、その実質が建設業法の適用対象となるか否かを慎重に検討する必要がある。特に、「委託契約」「業務委託契約」などの名称を用いる場合でも、実質的に建設工事の請負に該当する場合は、建設業法の全規定が適用されることを認識しておく必要がある。
契約書の作成に際しては、契約の目的、作業内容、報酬の支払条件、リスク分担などを明確に規定し、建設業法上の請負契約に該当することを前提とした条項を盛り込むことが望ましい。
建設業許可の確認
第24条により請負契約とみなされる契約については、建設業許可を有する者でなければ請け負うことができない。したがって、発注者としては、契約相手方が適切な建設業許可を有していることを確認する必要がある。
また、請負人としては、自らが請け負おうとする工事が建設業許可の業種に該当するか否かを慎重に判断し、必要に応じて追加の許可を取得することが必要である。
判例・行政解釈の動向
第23条に関する解釈
国土交通省の運用指針によれば、「著しく不適当」の判断に際しては、下請負人の技術力、施工実績、財務状況、安全管理体制などを総合的に考慮するとされている。単に元請負人と下請負人の間で意見の相違があるというだけでは、変更請求の理由とはならない。
また、下請負人が暴力団関係者である場合や、過去に重大な施工不良を起こした実績がある場合などは、「著しく不適当」に該当すると解されている。これらの場合、公共工事の適正な施工を確保する観点から、注文者の変更請求権が認められるべきである。
第23条の2に関する解釈
第23条の2の報告義務については、まだ十分な判例の蓄積がない。しかし、国土交通省の解釈によれば、「直ちに」報告すべき期間としては、建築士からの是正要求を受けてから合理的に必要な期間内、通常は数日から1週間程度と解されている。
また、「これに従わない理由」については、単に請負人の都合や主観的な判断ではなく、客観的・技術的に正当な理由が必要であるとされている。
第24条に関する判例
第24条の適用に関しては、いくつかの裁判例が存在する。これらの裁判例は、契約の名称や形式ではなく、その実質に着目して判断している。
ある裁判例では、「工事委託契約」という名称の契約について、その内容が建設工事の完成を目的とし、報酬が支払われるものであることから、建設業法上の請負契約に該当すると判断された。また、別の裁判例では、「業務委託契約」という名称であっても、実質的に建設工事の請負であれば、無許可営業として建設業法違反が成立すると判示されている。
まとめ
建設業法第23条から第24条は、建設工事の適正な施工を確保するための重要な規定である。第23条は注文者に下請負人の変更請求権を認め、第23条の2は建築士法の工事監理制度と連動して請負人に報告義務を課し、第24条は契約の名義にかかわらず実質的な請負契約に建設業法を適用することを明確にしている。
これらの規定を正しく理解し、適切に運用することは、建設工事の品質確保、契約関係の明確化、そして建設業の健全な発展のために不可欠である。元請負人、下請負人、注文者、工事監理者のそれぞれが、自らの立場における権利と義務を正確に理解し、相互に協力して建設工事を進めることが求められる。
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