中小企業の内部統制・コンプライアンス義務を宣言した判決(東京地判平21.12.21)と内部統制4類型
大会社と委員会設置会社は内部統制が義務であるが(会社法348条3項等)、そうでない会社も内部統制のレベルまでは法は要求しないが善管注意義務や忠実義務が委任法理等であるので、コンプライアンス態勢を作るべきとの判決である。
取締役や監査役の善管注意義務は内部統制構築義務を含む(大和銀行事件)
「リスク管理や内部統制等明文規定がなくても、取締役や監査役の善管注意義務により、企業は内部統制システムを整備すべき義務がある(大和銀行事件)」
接触なくて言葉でもセクハラはセクハラ(大阪海遊館事件最高裁判決)
職場におけるセクハラの防止を重要課題として位置付け,かねてからセクハラの防止等に関する研修への毎年の参加を全従業員に義務付けるなどし,平成22年11月1日には「セクシュアルハラスメントは許しません!!」と題する文書(以下「セクハラ禁止文書」という。)を作成して従業員に配布し,職場にも掲示するなど,セクハラの防止のための種々の取組を行っていた。
平成末期に続出したベネッセ事件等企業不祥事に対する会社法・金商法・クラスアクション法・景品表示法・不正競争防止法・暴力団対策法等の矢継ぎ早「コンプライアンス」強化
続出する企業不祥事に対する新規制によるコンプライアンス強化政策の導入へ進む。会社法・金商法・クラスアクション法・景品表示法・不正競争防止法・暴力団対策法等。
不当表示防止のための課徴金制度と食のコンプライアンス:2024年改正景表法を踏まえて(食品産業サプライチェーン全体への信頼は戻るのか)
景品表示法の課徴金制度と2024年10月施行の改正景表法を解説。食品偽装問題の背景から、課徴金の仕組み、優良誤認・有利誤認表示、不実証広告規制、確約手続導入、罰則強化まで網羅。企業の「食のコンプライアンス」体制構築の重要性を説きます。
食品業界のコンプライアンス目標達成と成長のための「食のリスクマネジメント」導入戦略本格的リスクマネジメントの導入、FSSC22000導入企業も続出
食品業界におけるコンプライアンスは、消費者の信頼と企業の持続的成長に不可欠です。「食のリスクマネジメント」の核心であるFSSC22000やISO22000等の国際規格への対応、そして頻発する食品偽装や産地偽装などの不祥事を未然に防ぐ体制構築は、グローバル市場で勝ち抜くための鍵となります。
【企業法務最前線】コーポレート・ガバナンス改革の深化と形骸化批判~真の不祥事防止体制構築への道~
オリンパス事件等を契機に議論が本格化した日本のコーポレート・ガバナンス。その後の度重なる制度改革にも関わらず、企業不祥事は後を絶ちません。本記事では、コーポレートガバナンス・コードの制定・改訂、会社法改正の歴史を振り返りつつ、近年の不祥事の傾向と対策、そして真に実効性のある不祥事防止体制構築の要諦を、中川総合法務オフィスが長年培ってきた知見に基づき解説します。コンプライアンス経営の深化を目指す全ての企業必見です。
「焼肉酒家えびす」事件から学ぶ食品産業のコンプライアンス:生食肉による食中毒防止と最新規制への対応
「焼肉酒家えびす」事件を教訓に、生食用食肉の安全確保と食品産業のコンプライアンス遵守は喫緊の課題です。厚生労働省の調査では、生食用牛肉規格基準の9割以上が法令違反という衝撃的な結果が示されました。本記事では、生食用食肉に関する最新の法令規制、特に牛レバーや豚肉の生食提供禁止、新たな届出制度、そして食品衛生法に基づく厳格な罰則について詳述。農林水産省発行の取扱いマニュアルやHACCP導入義務化にも触れ、食の安全を守るための事業者と行政の役割、そして命の尊さを最優先するコンプライアンスの重要性を強調します。
サービス残業の原因と防止対策:電通事件だけでない「残念な企業コンプライアンス」
電通事件を始めとする痛ましい事例が示すように、サービス残業は単なる法律違反にとどまらず、企業の健全な成長を阻害し、従業員の心身の健康を蝕む深刻な問題です。最新の法令情報や官公庁の指針も踏まえ、より洗練されたコンプライアンス体制の構築を目指します。