中川総合法務オフィス代表
この度、長崎県佐々町において、町長が官製談合の疑いで逮捕されるという事件が発生しました。全国の地方公共団体で後を絶たない官製談合は、なぜ繰り返されるのでしょうか。その背景にある構造的な問題と、私たち中川総合法務オフィスが提唱するコンプライアンス研修の重要性について、専門家の視点から解説いたします。
1.なぜ官製談合は繰り返されるのか?:コンプライアンス研修の必要性
地方公共団体における官製談合の多発は、憂慮すべき事態です。その根本的な原因の一つとして、コンプライアンス意識の欠如と、それを育成するための研修体制の不備が挙げられます。
中川総合法務オフィスでは、耳の痛い内容も厭わず、組織のコンプライアンス体制を真剣に強化するための研修を提供しています。しかし、なぜ多くの地方公共団体や都道府県の研修所は、このような本質的な研修を積極的に導入しないのでしょうか。
コンプライアンス、内部統制、リスクマネジメント、職業倫理といった分野の研修を軽視する現状こそが、官製談合が繰り返される温床となっていると言わざるを得ません。税金や補助金といった国民の貴重な財源を使った研修依頼も、安易にいつもの出入り業者に丸投げするのではなく、真に実効性のある研修を提供する専門機関を選ぶことが重要です。
中川総合法務オフィスは、コンプライアンス、内部統制、リスクマネジメント、職業倫理等に関する豊富な研修実績を有しており、組織の健全な発展に貢献しています。
2.佐々町官製談合事件の概要:情報漏洩と形骸化した入札
今回の佐々町の事件では、町営団地の給水管工事を巡り、指名競争入札において最低制限価格が事前に特定の業者に漏洩し、その業者がほぼ最低制限価格で落札した疑いが持たれています。わずかな差額での落札は、情報漏洩があった可能性を強く示唆しており、過去にも同様の事案がなかったか、捜査当局による徹底的な解明が期待されます。
形式的には指名競争入札が行われていても、実質的に特定の業者に有利な情報が提供されることは、公正な競争を阻害する重大な問題です。地方自治法に定める入札方法を遵守するコンプライアンス強化が強く求められます。
3.官製談合の背景にある要因:地元経済活性化、慣れ合い、働きかけ
官製談合の背景には、複数の要因が考えられます。最高裁判所の判例にもあるように、地元経済の活性化のために地元の業者を優先するという考え方は、一定の合理性を持ち得ます。地域経済の育成は重要な課題であり、そのための施策は必要です。
また、長年の付き合いによる信用や慣れ合いも、官製談合を生む土壌となり得ます。特に地方においては、顔見知り同士の関係が深く、仕事においてもなあなあになりがちな側面は否定できません。
さらに、業者からの働きかけも、官製談合の一因となることがあります。関連団体の集まりなどで、他の業者がそれとなく接触してくるケースも報告されており、こうした働きかけを完全に排除することは難しいかもしれません。
しかし、これらの要因は、公正な競争という原則を損なうものであってはなりません。
また、繰り返し強調しているように、中元やお歳暮を一般職でありながら管理職が受け取っている事実は中川総合法務オフィスではもう850回もコンプライアンス研修をやっているのでよくわかっています。中元お歳暮以外でも業者からの接待や狡猾な贈与、紙袋、包みを受け取っているでしょう。いけません。
4.地方公務員の倫理観の欠如:研修体制の脆弱性
今回の事件の根底には、地方公務員の倫理観の欠如も指摘できます。国家公務員には倫理法が存在し、国家公務員倫理規程によって、業者からの贈与や接待を禁じていますが、地方公務員には全国一律の倫理法が存在しません。そのため、各地方自治体が独自に倫理条例などを定める必要がありますが、その内容や運用にはばらつきがあります。しかも、いつも言っているように、条例で利害関係者からの中元お歳暮を肯定している者がある始末である。
中川総合法務オフィスが地方公共団体で倫理研修を実施する際、参加者の多くが倫理に関する知識や意識が十分でないことに驚かされます。地方公務員法の明文規定により、懲戒処分の対象となる行為が明確化され、人事院の指針を真似して懲戒処分の指針を定めてきましたが、非常に困ったことに、「形だけコンプライアンス」であって、依然として倫理教育の重要性は十分に認識されているとは言えません。
国家公務員倫理法が、過去の贈収賄事件を契機に制定されたことを踏まえれば、地方公務員においても、より実効性のある倫理研修の実施と、業者との適切な距離感を保つための明確なルール作りが急務であると言えるでしょう。
また、首長などの特別職は、地方議員も含めて、個人の倫理観に頼っていることが少なくありません。条例や内規などで、コンプライアンスルールをしっかりと定める必要があり、地方分権の時代ですから、地方の政治を担うものとして、高い倫理観を持ったルールを自ら定めるべきです。
なお、特別職については、地方自治法施行規程に、限定的ですが、懲戒処分の規定があります。しかし、射程距離が非常に不明確です。
◆参考:●第十二条 都道府県の専門委員は、次に掲げる事由があつた場合には、懲戒の処分を受ける。
一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つたとき。
二 職務の内外を問わず公職上の信用を失うべき行為があつたとき。
●第十五条 第十二条の規定は、市町村又は特別区の職員の懲戒について準用する。この場合において、同条第三項中「都道府県職員委員会」とあるのは、「市町村又は特別区の職員懲戒審査委員会」と読み替えるものとする。
5.結論:組織全体での倫理意識向上と研修の徹底を
官製談合を根絶するためには、首長を含む組織全体が倫理意識を向上させることが不可欠です。そのためには、形骸化した研修ではなく、実効性のあるコンプライアンス研修や倫理研修を継続的に実施する必要があります。
中川総合法務オフィスは、適正な価格で質の高い研修を提供し、多くの組織のコンプライアンス体制強化に貢献してまいりました。官製談合の防止に向けて、ぜひ一度、中川総合法務オフィスにご相談ください。
【執筆者】
中川総合法務オフィス代表
コンプライアンス、内部統制、リスクマネジメント、職業倫理等の研修実績多数。全国各地の企業や地方公共団体に対し、実効性の高い研修を提供し、組織の健全な発展を支援している。