【条例要配慮個人情報】の新用語:令和3年改正個人情報保護法と地方公共団体(60条)

令和3年改正個人情報保護法第60条第5項の定義規定

「条例要配慮個人情報」とは、地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が保有する個人情報(要配慮個人情報を除く。)のうち、地域の特性その他の事情に応じて、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして地方公共団体が条例で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

この規定は、次のように同法2条の「個人情報」の定義、「要配慮個人情報」の定義が前提になっている。

「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)

二 個人識別符号が含まれるもの

2この法律において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。

一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの

二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの

3この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

地方公共団体におけるsensitive personal information(=センシティブな個人情報)追加可能

要するに、sensitive personal information(=センシティブな個人情報)については、プライバシーの中でも機微な情報であり、重大な人権侵害の可能性があるので、法律のみならず、条例でも地域の特性や事情に応じて、追加的な個人情報とできるとの規定なのである。

元々、分権的な地方自治制度の下で、国が保有していない個人情報を持っているために、このような厳格な規律を持つ条例規定の自治体が少なからず存在したことの無視は他の分野と違ってどうしてもできなかったのであろう。

例えば、「一定の地域の出身である事実」、「生活保護の受給」、「LGBTQ+に関する事項」等があろう。これらを地方公共団体が福祉分野などで特に保有している個人情報である場合があり、地方、特に地縁血縁関係の重層的な田舎に住んでいれば分かるが、本人に対する不当な差別,偏見その他の不利が非常に生じやすいのである。住めばわかるがその取扱いに特に配慮を要する。これらの情報について、個人情報取扱事業者が事業のために利活用することもないので、グローバリゼーションの十分性認定に喧しい方々も格段の要配慮することにしても問題はない。

なお、地方公共団体で個人情報ファイル簿の作成及び公表するときに、条例要配慮個人情報が含まれているときは、その旨も記載する必要がある(75条4項参照)。

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