「危機管理とは何か」東日本大震災(2011/3/11)後の変化はどこにあるのか(国家試験問題付き)

はじめに:「危機管理とは何か」

危機管理=crisis management…自然災害や事故災害または伝染病の発生やテロ攻撃などの発生した場合にどのように対処すべきか。

今日では内部の不祥事の発生なども含める。

東日本大震災(2011/3/11)の後では、抜本的な国家的なプロジェクトの問題でもあるし、地方公共団体がこの問題にどのように取り組むのかが厳しく問われている。

 なぜなら、コンプライアンスの本質は、いまそこにいるステークホルダーに機動的に対応することをいうのだ。

1.危機管理の特色

(1)情報の制約下における意思決定

(2)経営資源の集約化と集中投入…迅速な意思決定を支援するための計画やシステムの必要性

(3)危機対処におけるリ-ダ-シップの困難性

2.危機管理へのイントロダクション

(1)危機管理の特殊性と多様性

(2)危機管理の特色

3.危機管理に向けた組織と体制のコンストラクト

(1)危機管理組織のベースライン

(2)危機管理本部の設置

(3)危機管理センター

4.危機管理のリアルプラクテス

(1)自然災害(地震・集中豪雨等)

(2)事故災害

(3)不祥事(内部)

5.危機管理のアレンジメント

(1)人材の育成と研修・訓練

(2)業務継続計画

(3)情報通信ネットワークと情報システム

(4)住民・企業との連携

6.危機管理のケーススタディ

(1)大地震が想定される地域に、組織の重要な情報システム・意思決定機構が集中している場合

(2)事故が予想される現場における、安全措置の不徹底

(3)緊急事態において、迅速な情報伝達・意思決定を行なう機構と訓練が不足している場合

(4)職員管理の不徹底で顧客情報の漏洩が危惧される場合

7.実際の事例

民間でのケース

よい例:ジャパネットたかた個人情報漏洩事件  悪い例:雪印乳業食中毒事件。

8.内閣危機管理監と2つのセンター

内閣危機管理監は、1998年から日本の内閣法に規定された内閣官房の官職の一つ。

内閣官房長官及び内閣官房副長官を助け、命を受けて内閣官房の事務のうち危機管理(国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態への対処及び当該事態の発生の防止をいう。) に関するもの(国の防衛に関するものを除く。)を統理することを職務とする。

(1)【内閣情報集約センター】

大規模災害など緊急事態における情報の集約・分析・連絡とその体制整備を行う部門で、5個班が24時間体制で内閣に入る大災害や重大な事故・事件に関する情報を処理している。

防衛省、警察庁、消防庁、海上保安庁、気象庁等と直通のホットライン等で結ばれている。

職員は主に防衛省、警察庁、消防庁、海上保安庁からの出向者で組織されている。

情報集約センターが受け付けた通報は内閣総理大臣に報告され初動対応態勢が整えられる。

(2)【内閣危機管理センター】「官邸危機管理センター」の名称も使用

首相官邸の地下には【内閣危機管理センター】があり、初動対応時における内閣の指揮所になる。

初動体制が整えられると内閣危機管理センターに内閣危機管理監と、これを補佐する内閣官房副長官補以下所要の職員(旧内閣安全保障・危機管理室構成員に相当)が参集する。

※危機管理に関する国家試験問題

■危機管理に関する次のア~エの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア 阪神・淡路大震災を機に国の危機管理体制の整備が急がれ、国の行政システムの再編を課題とした行政改革会議の提言をうけて、危機管理の問題を統理する内閣危機管理監が内閣官房に設置された。

イ 緊急事態に対処するための危機管理と、緊急事態の発生を防止するリスク管理とは明確に区分されており、危機管理のための行政機構が担当するのは、緊急事態が現実に発生したときの例外的な緊急措置に限定される。

ウ 国民の生命・身体・財産に重大な被害が生じるような緊急事態に対処することは国の責務であるが、都道府県や市町村でも危機管理指針、危機管理マニュアル等を策定し、組織体制の整備を行っている。

エ 国民保護法(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)をはじめとする有事法制の整備に伴い、国の危機管理は、内閣官房に置かれた内閣危機管理センターを中核とする組織体制に改められ、関係機関との連絡調整を緊密化することになった。(行政書士H19/52)

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 ア・工
4 イ・ウ
5 イ・工

(正解は2)

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