相続業務での20年の実績一覧と実例

1.相続業務の実績一覧

(1)遺言関係

公正所書遺言書の原案作成、遺言執行人就任、自筆証書遺言原案作成

(2)遺産分割関係

相続人の捜索、海外在住者との領事館での証明取得、実印の保有者でない方の取得、証券会社との交渉、銀行・信金・JAバンク等金融機関との交渉、後見人の家庭裁判所との交渉補助、

遺産分割協議書原案作成、不動産会社との交渉、保険会社との交渉、相続税の特例・遺族年金等の一般的説明、不動産登記の司法書士との連携、不動産明け渡し訴訟の弁護士との連携

(3)任意後見関係

財産管理契約、公正証書による任意後見契約、死後事務処理契約、菩提寺との契約、京都東山での墓じまい等々

2.実際の解決事例

(1)数行しか字を書けなくなった高齢者の自宅で自筆証書遺言作成して亡くなられた事例

真冬の寒い日に事務所に朝早く電話がかかってきて、土日に自宅へきてほしい。遺言書作成をしたい。配偶者からであった。なぜに、土曜か日曜かというと家族全員が集まる日に作成したい。手が震えて字があまり書けなくなっているので、短くまとめてほしい。そこで、土曜は相続相談の予約があるので次の日曜日に行くことにした。

あらかじめ聞いていた遺言内容にあった文案を複数作成して、遺言書にふさわしい便箋を用意して封筒も複数持参して、自宅を探してマイカーで向かうと、高級住宅街に隣接した多き大きな家であった。子供も孫もたくさんの人が集まっていた。

詳細は省くが、何度か書き直しをして半日がかりで作成した。家族全員の記念写真も撮った。帰りに配偶者の方からさっそく謝礼金をもらって帰った。

(2)1次相続の口約束のまま未分割で5年経過後、相続人が相次ぎ亡くなり混乱渦中に受任して合意文書を作成して解決した事例

◆口約束しかないが関係書の納得する遺産分割は可能か?
 1次相続の内容:不動産や金融資産を含め相続税の基礎控除を超える資産状況で揉めて当たり前の状況で、相続人が分割を慌てなかったので口約束のままでいたところ、1次相続人全員が急死した。

◆相談内容
親族で揉めたくないので、円満にしかもみんなが納得する資産分割で進めてほしい。一部に、「キツイ」方もいるがやってもらえるか。

◆受任
成功報酬型で受任して、とりあえず関係者との接触開始した。

◆解決までのポイント
 予想通り、「キツイ」方々は弁護士に依頼して訴訟に入って来たので、当方も弁護士に依頼する方向で話を進めていたところ、関東の弁護士の提案で、私が「合意文書」を作り、それを関係者全員が吟味することになった。その弁護士の信頼に応えるべく鋭意集中して遺産分割協議書のドラフトを作成して、数回関係者とやり取りをした。

◆2次相続者は既に後見人がついていたので、後見人に同伴して家庭裁判所との協議も重ねたところ、遺族では駄目であった資産の一部利用が可能となった。

◆遺産分割協議書に全員が署名と実印の押捺をして解決。
なんと、関係者の合意後翌日に、1次相続の配偶者が永眠した。遺族は「見届けて安心したので黄泉の世界に旅立ったのでしょう」と。