【裁判要旨】
1 自動車保険契約の人身傷害条項が、保険金請求権者について、同条項の適用対象となる事故によって損害を被った「被保険者。ただし、被保険者が死亡した場合はその法定相続人とする。」と定めている場合において、

この定めによって保険金請求権者が定まる人身傷害保険金のうち、上記「被保険者」が上記事故により死亡したときに生ずる保険金の請求権は、同人の相続財産に属する。

2 自動車保険契約の人身傷害条項が、

⑴保険金請求権者について、同条項の適用対象となる事故によって損害を被った「被保険者」及び「被保険者の父母、配偶者又は子」と定め、

⑵人身傷害保険金を支払うべき損害のうち、上記「被保険者」の死亡により「本人のほか、父母、配偶者、子等の遺族が受けた」精神的損害の額として、上記「被保険者」の属性に応じた区分ごとに単一の金額を定めているが、

⑶上記「被保険者」の保険金の額と上記「被保険者の父母、配偶者又は子」の保険金の額とを調整する旨の定め等を置いていない場合

において、

上記事故により死亡した上記「被保険者」が被った損害を填補するための人身傷害保険金の額は、人身傷害保険金を支払うべき同人の精神的損害の額が上記単一の金額の全額であることを前提として算定されるべきであって、同人の死亡により精神的損害を受けた同人の父母、配偶者又は子が存在することは、上記人身傷害保険金の額に影響を及ぼすものではない。

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