公務員倫理の理論、実務及び人生経験の3拍子揃ったレクチャー
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(1)公務員倫理の理論
公務員倫理の理論は、今日ではコンプライアンスに含まれ、法令遵守と並んで公務員倫理は住民の信頼を得るために不可欠のものとなっている。その理論は、ステークホルダーの信頼を得るためのコンプライアンスの実践内容となっているのだ。よって、ガバナンスの理論、内部統制の理論、そしてリスクマネジメントの理論等がモデファイすれば、公務員倫理にほぼそのまま生かせるようになっている。「形は古い公務員倫理でも、内容は新しいコンプライアンス」と言っていいだろう。実際にそのような公務員倫理研修を中川総合法務オフィスではすでに北海道から沖縄までそれ単独で数百回は行ってきているのである。追随を許さない。
その新しい内容の中核は、1992年COSOレポートである。不祥事の極めて多い金融機関への行政指導で利用する大蔵省官僚のみではなく、中川総合法務オフィスも公務員の指導に全面的に参考にしている。
この大蔵省などの変化にインスパイアされて焦り始めていた総務省が、何度も会社法等の改正後に地方公共団体に内部統制・コンプライアンス・リスクマネジメントを導入しようとして平成合併後の課題として、地方制度調査会、審議会等で東大のトップ行政法の学者(碓井 光明、小早川光郎等)にリードさせて、地方公共団体内部統制レポートが出た。碓井教授のものがもっとも総合的で優れている。『内部統制による地方公共団体の組織マネジメント改革~信頼される地方公共団体を目指して~平成21 年3月 地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会』である。そこから、一部の先進的地方公共団体(例えば兵庫県播磨地区)の内部統制導入が見よう見まねで始まった。
職業倫理の必要性を組織論に含むCOSO理論を踏まえて、大蔵省の審議会で「日本版COSO」も公表され、そこへCOSOの中核であるリスクマネジメントに関するISO31000理論が加わって、一気に地方公共団体における内部統制、その目的であるコンプライアンス、その実質化であるリスクマネジメント、その根底である公務員倫理と理論が出来上がり、そこへさらに現代コンプライアンス理論が登場して、所謂リスク系理論が深まったのであり、中川総合法務オフィス代表はそれらを母校大学院で深くこもって研究して、かみ砕いて研修や講演で話すようになったのである。最近は、NTTドコモ本社役員研修でも都道府県管理職研修でも、他の地方公共団体等研修でも感想は「新鮮である」が多数である。最前線の理論だから。
(2)公務員倫理を実践する実務運営
なるほど、上場企業では組織のガバナンスについてはコーポレートガバナンス・コード対象企業が3,868社(2023年2月1日現在)で、会社全体のわずか0.1%弱である。金融商品取引法の対象は上場企業であるから、それらはその規定の内部統制の適用がある。しかし、株式会社であれば、会社法の適用があるわけで、会社法にはガバナンスの仕組み、内部統制の仕組み、コンプライアンスの遵守、リスクマネジメント等の規定がある。
そうすると、如何なる会社の規模であっても、上記の理論をどのように組織に当てはめていくかの議論は必要になろう。実際、最近の企業からの依頼は小さくも前向きな企業からコンプライアンス研修の依頼が増えてきている。
これは、上記の地方公共団体の法改正の動きと連動している。ついに、自治体実務でも地方自治法150条で、二段階制内部統制が導入されたのだ。小早川案である。47都道府県と20指定都市は義務的、その他の約1700地方公共団体は努力義務として、内部統制を第9章財務優先でやることになった。
しかし、肝要なのは、名古屋市や静岡市での内部統制導入効果を見ればわかる通り、ミスや不祥事がどれだか減ってきたかの実証的立場であろう。減っているのか。監査委員の指摘はどうなのか。議会の質疑応答ではどうなのかであろう。何よりも、住民が助かっているかである。
そこで、中川総合法務オフィスの実施する「公務員倫理」研修では、依頼先の都道府県や市町村で、如何なる公務員倫理違反による不祥事が発生しているかを念入りに独自のデータベースで調査して、その自治体などにピッタリとフィットした研修を実施して大好評を得ているのである。その証左に、リピートして依頼が舞い込むようになっているのだ。その研修内容は、企画書を見れば一目瞭然である。ぜひ請求されたい。
(3)倫理に関する人生経験を踏まえた研修
組織はいくらAI等のツールが進歩しても人が動かすことには変わりない。人と人との関係は倫理である。如何なる秩序で組織を作っていくかは如何なる人間関係で作っていくかと同義である。ピラミッド式であろうとフラットな組織であろうと関係がない。上に立つ、下で使われる、支配する、支配される、協働する、連携する、対立する等。それらの人生経験がコンプライアンス等のような人間に深くかかわる場面ではとても大切である。それが指導するものにあるかどうかが決定的である。中川総合法務オフィス公式ページ等で当職の経歴を参照されたい。
事例を豊富に取り入れた考える実践的研修
理論を出来るだけわかりやすくしかも短い言葉で伝え地方公共団体不祥事の事例を研修対象組織にフィットした内容で取り上げて研修する。これまでの、数多くの研修ではこれが最も効果的である。ただ研修を高満足度にするためにゲーム理論や演出に拘ることはない。低俗な満足ではなく、高い実践的に役だった満足をこれまでもこれからも当職は目指している。
下記は、拙著である『公務員の教科書「道徳編」』(ぎょうせい)は出版戦略から名前はシリーズものになっているが、地方公共団体の公務員倫理・コンプライアンスの基本的著書である。実際に大きな不祥事が発生した団体等でコンプライアンス委員会の指定図書や推薦図書になっているので参照されたい。
中川総合法務オフィスの公務員倫理研修内容(対象は地方公務員・国家公務員)
公務員倫理を含む「コンプライアンス」が現代社会において、組織体の基本であることはどんなに新しい理論が出てきても変わらないであろう。地方公共団体の運営において、いかなる場合もルールを守る。公務員倫理に基づいて行動する。さらに法令遵守、公務員倫理を守るだけではなく、地方公共団体の活動がいかなる影響を社会に与えるかを考えて行動する。今日では、これをコンダクト・リスク管理と言う。公務員は職業倫理の基礎にあるintegrityの涵養に努める。他の地方公共団体不祥事を他山の石として学ぶ事等が最重要である。
コンプライアンス目標達成のためには、リスク管理と並んで「職業倫理」の何たるかを知って、個々人の職業倫理が地方公務員法や各自治体内規等で定められた公務員倫理と完全に一致していることが不可欠である。
言っていることとやっていることが違うことは何時か表面化する。
正しい心がそのままに地方公務員の職務執行に現れる人間作りを地方公共団体はする必要がある。
自治体組織におけるHR(human resource)形成が求められている。個々の職員が公務員倫理そのものを担当職務において何の躊躇いもなく実行できる人間形成である。
ステークホルダーに強い信頼を得ることが必要であるコンプライアンス経営のもとでは組織の信頼は勿論、個々の職員が信頼される高い職業倫理は、格段と重要性が高まってきていると言っていいであろう。
倫理とは何か、道徳とは何かを個々人が日々自分の心に問う事、
正しい公務員倫理がどうすれば現に担当している「職」の執行場面で徹底されるか、
などを日々考える事が不可欠である。
◆公務員倫理研修の内容項目(講義と最新トピックを取り入れた事例演習) ◆国家公務員もアレンジして対象
・研修内容…公務員倫理の知識と実践方法を身につける。公務員倫理に関連する事例を豊富に取り上げ、地方公務員としての正しい倫理を取得する(モデル規定として実際の公務員倫理に関する条例等も取り上げる)。よって、公務員倫理の基礎知識と重要性を確認し、必要な倫理観の向上と公務員倫理の再認識を図る。
(1)公務員倫理の基本…自治体コンプライアンスの内容としての公務員倫理の徹底浸透
-倫理の基本、職業倫理の基本、地方公務員法の公務員倫理に関する規定、国家公務員倫理法の確認
(2)公務員倫理逸脱による不祥事発生を防ぐ仕組み…内部牽制体制のためのリスク管理・内部通報・倫理規程
(3)地方公共団体の不祥事の事例(官製談合等12類型と個人情報8類型)を参考にしたリスク管理と発生時の対応
(4)特に不祥事を防止するための今日的な事例
①職務専念義務違反、②上司の命令義務違反、③信用失墜行為、④営利行為の制限違反、⑤守秘義務違反、⑥内部通報違反問題、⑦パワハラ、⑧セクハラ、⑨モラハラ、⑩知的財産権(著作権)違反、⑪個人情報保護
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