1.地方公営企業の不祥事をいかに防ぐか

大阪市交通局や京都市交通局などの交通局や岡山県や堺市の水道局で実施してきた不祥事防止のコンプライアンス・公務員倫理研修は、実際の事例を素材に用いることによってその発生原因と再発防止策を具体的に考えることによって高い研修の効果を上げてきた。

地方公営企業法の理解が不可欠であるが、それに加えて地方公共団体におけるリスクマネジメント(リスク管理)や公務員倫理のコンプライアンスの両輪から理論を考え、そこで実際の事例を使うことによって、不祥事防止態勢が強くなっていくのである。

※地方公共団体のコンプライアンスについては別稿参照

2.地方公営企業法の理解

(1)基本的視座

地方公務員法における公務員倫理規定の適用はそのままあるのであるが、経営体としての民間企業との共通性から労働組合の結成などの修正がある。

しかし、上述のように、その前に、地方公営企業法の理解が不可欠であろう。

(2)地方公営企業法の基本

 ①公営企業の法的アウトライン

 ②地方公営企業の経営原則と設置および予算について

 ③地方公営企業の組織 ~管理者制度と企業管理規定

 ④地方公営企業の労働に関する法律

 ⑤地方公営企業の現状と問題点について

 ⑥地方公営企業の将来への展望

(3)地方公営企業コンプライアンスにとって、非常に重要な法律

 ①軌道法

 ②鉄道事業法

 ③地方公営企業等の労働関係に関する法律

3.道路交通法違反や金銭に関する不正を防止するコンプライアンスとマニュアル

 (1) 飲酒運転などを防ぐ地方公務員法・公務員倫理と私生活における職員の基本姿勢

 (2) 会計事務担当者の心構えと具体的なコンプライアンスマニュアル

 (3) 検査員の役割と業務の仕方

 (4) 管理監督者の心構えと具体的な監督マニュアル

4.法令違反や不祥事件を発見した場合の内部通報システムの確立について

 (1)ヘルプラインは,内部と外部に匿名通報可能で設置する。

 (2)上司はもみ消ししない。不正はいつか暴露される。

 (3)外部からの通報窓口も設置する。

以下略

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