なぜ今、地方公共団体に個人情報保護法研修が不可欠なのか?
2023年4月1日から、地方公共団体も改正個人情報保護法の規律対象となり、個人情報の取り扱いルールが民間事業者・国の行政機関・地方公共団体で統一されました。この法改正により、地方公共団体は従来の個人情報保護条例中心の制度から、全国的な共通ルールを適用する「オムニバス方式」への大幅な制度変更に直面しています。
改正法で変わった3つの重要ポイント
1. 個人情報保護委員会による統一監督 個人情報保護委員会が地方公共団体の個人情報保護制度も監督する体制となり、民間事業者と同レベルの厳格な管理が求められています。
2. 個人情報ファイル簿の作成義務 1,000人を超える方の個人情報を取り扱う個人情報ファイルについて、その目的や取扱い項目を記した帳票の作成・公表が義務化されました。
3. 医療・学術分野の統一ルール 国公立の病院や大学等には原則として民間の病院、大学等と同等の規律が適用されるようになりました。
中川総合法務オフィスの地方公共団体向け個人情報保護法研修が選ばれる3つの理由
■理由1:法改正の核心を実務レベルで完全理解
地方公共団体の個人情報保護法制の変化を、単なる条文解説ではなく、実際の業務でどう対応すべきかという実務的観点から詳細に解説します。セグメント方式からオムニバス方式への移行によるリスク管理の変化を、具体的事例とともに学べます。
■理由2:全職員が基本から応用まで体系的に習得
個人情報保護とは何かという基本概念から、改正法による変更点、そして日常業務での取り扱い実務まで、段階的に理解できる研修構成です。新人職員からベテラン職員まで、それぞれのレベルに応じた学習効果を実現します。
■理由3:専門講師との双方向演習で実践力向上
研修中に約20問の演習問題(基本問題・応用問題各半数)を通じて、実際の業務で直面する具体的な場面での判断力を養います。講師との質疑応答により、各自治体固有の課題にも個別対応します。
研修内容の詳細プログラム
第1部:地方公共団体における個人情報のリスク管理
近年の自治体個人情報漏えい事例分析
報道された典型的な漏えい事例を複数取り上げ、どこで防げたのか、なぜ発生したのかを詳細に分析します。他自治体の事例から学ぶことで、自組織でのリスク予防策を具体化できます。
類型別個人情報漏洩リスク管理
個人情報漏洩を以下の8類型に分類し、それぞれの予防策を解説:
- 故意による情報持出し
- 誤送信・誤送付
- 紛失・置き忘れ
- 不正アクセス
- 内部システムの脆弱性
- 委託業者経由の漏洩
- 廃棄時の不適切処理
- 災害・事故による流出
個人情報漏えい防止の見直し5項目
実効性のある漏えい防止策を5つの重点項目で整理し、各自治体の規模・体制に応じた実装方法を提示します。
第2部:改正後の地方公共団体の個人情報リスク管理体制
改正個人情報保護法の基礎知識
- 個人情報の定義と判断基準
- 要配慮個人情報の取り扱い
- 匿名加工情報の活用方法
- 個人情報保護委員会のガイドライン活用方法
地方公共団体の個人情報等取扱い実務
地方公共団体の個人情報取扱い実務
(個人情報保護法 第58条・第60条以下)
1.【取得】(法第60条)
- 適法・公正な方法での取得が原則。
- 利用目的をできる限り特定して明示し、必要に応じ本人に通知・公表。
- 要配慮個人情報は、本人同意を得るのが原則(法令根拠や行政事務遂行上の必要があれば例外あり)。
- 戸籍、住民票、福祉関連書類などは、法令に基づき取得。
2.【管理】(法第61条~63条)
- 地方公共団体は、漏えい・滅失・毀損を防ぐため必要かつ適切な安全管理措置を講じる義務。
- 技術的措置(アクセス制御、暗号化等)
- 組織的措置(責任者設置、規程整備、監査)
- 人的措置(職員研修、守秘義務徹底)
- 物理的措置(施錠、書類持出制限)
- 職員は退職後も守秘義務を負う(法84条)。
- 保存期間満了後は完全に廃棄。
3.【利用・提供の制限】(法第64条~69条)
(1) 利用の制限(64条)
- 個人情報は、収集時の利用目的の範囲内で利用。
(2) 提供の制限(65条~67条)
- 原則、第三者提供は禁止。
- 例外:
- 法令に基づく場合
- 本人の同意がある場合
- 生命・身体・財産保護のため緊急に必要な場合
- 公衆衛生・児童健全育成に特に必要な場合
- 国または他の自治体への事務遂行上必要な場合
- 委託時は、委託先への監督義務がある(契約・監査等)。
(3) 第69条:目的外利用・提供の禁止(特殊規定)
- 第69条は、自治体が保有する個人情報の目的外利用や提供を特に厳しく制限する条文。
- キーワードは「相当の理由」と「特別の理由」:
- 「相当の理由」があるとき → 目的外利用が認められる場合がある。
- 例:庁内の他部局で緊急に事務遂行に必要な場合。
- 「特別の理由」があるとき → 第三者提供が認められる場合がある。
- 例:他自治体や国にどうしても情報提供しないと公務が成り立たない場合。
- 「相当の理由」があるとき → 目的外利用が認められる場合がある。
- この条文は、住民の権利利益保護の観点から非常に重要であり、内部不正防止の最後の砦とされる。
4.【58条 公立病院等の規律移行法人】
- 地方独立行政法人化した公立病院・大学は「規律移行法人」とされ、個人情報保護法の直接適用対象。
- 特徴は二重構造:
- 管理面:民間病院と同様に、個人情報取扱事業者としての安全管理義務・漏えい報告・委託監督を負う。
- 開示・訂正・利用停止請求等:地方公共団体と同様に、住民等からの開示請求を受け付けなければならない。
→ したがって、規律移行法人は 「管理は民間病院と同じ」「開示等は自治体と同じ」 という特異な立場にある。
個人情報保護委員会による監督体制
漏えい等事案発生時の報告義務や立入検査への対応方法、勧告・命令制度について詳解し、適切な対応体制の構築方法を指導します。
個人情報ファイル簿の作成・公表実務
法令で義務付けられた個人情報ファイル簿の具体的な作成方法と公表手続きについて、実際のフォーマット例を示しながら解説します。
第3部:個人情報を扱う際の心構えと実践的対応
必須10項目チェックリスト
日常業務で個人情報を取り扱う際に必ず確認すべき重要ポイントを10項目に整理し、各職場での実践的活用方法を指導します。
実例演習による定着化
約20問の演習問題を通じて、実際に発生しうる様々な場面での適切な判断力を養成します。基本問題と応用問題を半々の構成とし、即座に業務で役立つ実践的な内容としています。
最新の法改正動向と将来展望
個人情報保護委員会では、令和5年11月から「いわゆる3年ごと見直し」の検討を進めており、今後さらなる法改正が予想されます。2024年4月には個人情報保護法施行規則が改正され、漏えい等発生時の報告義務や安全管理措置の対象が拡大されるなど、継続的な制度変更への対応が必要です。
本研修では、こうした最新動向も踏まえ、将来の制度変更にも柔軟に対応できる基礎的な理解と実践的な対応力の両方を身につけることができます。
研修企画書を無料でお送りします
より詳細な研修内容をご確認いただけるよう、具体的なカリキュラムと時間配分を記載した研修企画書を無料でお送りいたします。各自治体の規模・体制・既存の取り組み状況に応じたカスタマイズも可能です。
なぜ中川総合法務オフィスなのか?圧倒的な実績と専門性
850回超のコンプライアンス研修実績
代表の中川恒信は、これまで850回を超えるコンプライアンス等の研修講師を担当し、地方公共団体から民間企業まで幅広い組織でのコンプライアンス体制構築を支援してきました。この豊富な経験から、各組織の実情に応じた最適な研修プログラムを提供します。
不祥事組織の再生支援実績
不祥事を起こした組織のコンプライアンス態勢再構築を数多く手がけ、組織文化の変革から具体的な制度設計まで、包括的な支援を提供してきました。予防の観点だけでなく、万が一の事態が発生した場合の対応ノウハウも豊富です。
現役の内部通報外部窓口担当者
現在も複数の組織で内部通報の外部窓口を担当しており、実際の通報事案の処理経験を通じて、コンプライアンス上の問題がどのような形で表面化するかを熟知しています。この実務経験が、より実践的で効果的な研修内容の提供を可能にしています。
マスコミから信頼される専門家
企業の不祥事発生時には、マスコミから再発防止策についての専門的意見を求められることが多く、社会的にも高い信頼を得ています。この客観的な評価が、研修内容の質の高さを証明しています。
適正価格でのプロフェッショナルサービス
これだけの実績と専門性を持ちながら、研修費用は1回30万円(税別)と適正価格を維持し、多くの組織がアクセスしやすい料金設定としています。費用対効果の高い研修サービスを提供いたします。
ご相談・お申し込み方法
個人情報保護法研修や、その他のコンプライアンス研修・コンサルティングについてのご相談は、以下の方法でお気軽にお問い合わせください。
電話でのお問い合わせ 📞 075-955-0307 (平日9:00-18:00対応)
ウェブサイトからのお問い合わせ 🌐 専用相談フォーム:https://compliance21.com/contact/
研修内容のカスタマイズ、日程調整、費用の詳細など、どのようなことでもお気軽にご相談ください。あなたの組織の個人情報保護体制強化を、豊富な実績と専門知識でサポートいたします。
◆この研修企画のコピーは出来ません。(All rights reserved Nakagawa Office(C)2025 著作権法により無断複製を一切禁ずる)
◆既に改正個人情報保護法の研修を自治体でいくつも実施済です。電話又はメールでのお問い合わせをお待ちします。