1.熊本地震(2016)とリスク管理
熊本地震の暫定名で表象される地震は、2016年(平成28年)4月14日21時26分以降に熊本県と大分県で相次いで発生している地震である。
最も大きい震度7を観測する地震が4月14日(前震)と4月16日(本震)に発生したほか、平成28年5月19日までに最大震度が6強の地震が2件、6弱の地震が3件、発生している。
震度7は、熊本県益城町と熊本県西原村である。
マグニチュード7.3であり、これはは1995年(平成7年)に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と同規模の大地震である。
長期にわたって、余震も続いていた。
2.地震の原因と被害
14日の地震は日奈久断層帯の北端部の活動、16日未明の地震は布田川断層帯の活動によるもので、隣接する二つの断層帯が連動することで発生した連動型地震とみられている。
死傷者等(2016年5月20日現在)は、死者:50人、負傷者:1733人、避難者9825人で、住宅の全壊が2,487棟、半壊が3,483棟、一部破損が22,855棟のほか、被害分類が未確定の住宅被害が31,275棟ある。
また公共建物の被害が232棟確認されている。
宇土市、八代市、益城町、大津町、人吉市の計5市町の本庁舎が、損壊したり、余震で倒壊する恐れがあるため、使用を中止して役場機能を移動させ、熊本城では、天守閣の屋根瓦が崩れた上に屋上にあったしゃちほこが落下し、石垣が少なくとも6か所で崩れ、重要文化財の東十八間櫓・北十八間櫓が倒壊した。
土砂災害は、九州6県で97か所に達しており、このうち熊本県が69か所で、国道57号と国道325号の交差する付近にある阿蘇大橋が崩落した。
3.地方公共団体の地震リスクへのリスクマネジメント
熊本地震(2016)は熊本県や大分県に甚大な被害をもたらした。
特にこの地震は南海トラフによる周期性のある地震ではなかったので、不意打ちの面が強かった。
これを契機として、リスクマネジメント(危機管理)の地方公共団体への導入は進むであろうか。
リスクマネジメントの観点からは、地方公共団体におけるリスクアセスメント及びリスク対応において問題が多くこの論考は続ける。
※熊本地震ベスト参考資料:wikipedia、首相官邸、気象庁、熊本県、大分県