餘に遅れている市町村0.7%公文書管理条例の重要内容が即解できる研修方法

1.重要なのに遅れている公文書管理に関する条例や規則についての研修方法

(1)公文書管理に関する条例等の制定必要性の高さ

地方公共団体では、平成23年4月に公文書管理法が施行されてから公文書の管理方法の全面的な見直しが進んでいる.

しかしながら、情報3法のうちで個人情報保護法・情報公開法はほとんどすべての自治体で条例化が済んでいるものの公文書管理法についてはかなり遅れているのが実情である。

※平成30年7月に政府は財務省の森友学園への土地売却に関しての決裁文書改ざんや自衛隊の日報隠しなど行政文書で相次いだ不祥事を受けて、再発防止策を決めた。各府省での監視体制を強化し、文書の管理状況を職員の人事評価に反映し、悪質な行為には免職を含む処分を打ち出した。

 地方公共団体も住民への情報公開を進め説明責任を果たすうえで、公文書管理の強化を迫られている。しかしながら、総務省の調査(平 成 3 0 年 3 月総務省自治行政局行政経営支援室)によると、都道府県以外では20ある政令市のうち札幌、相模原、名古屋、大阪の4市が条例を制定済みだが、その他の市区町村で条例があるのは埼玉県久喜市や熊本県宇土市など12自治体。全体の0.7%と1%に満たない。

 大半が内部ルールの規則や規程にとどまっているのが現状である。

 情報公開への努力がみられる地方公共団体もあって、愛媛県では、加計問題の影響もあって、新たに制定した条例は「事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない」と規定し、職員個人のメモも重要な事項が含まれている場合には起案文書に書き込むなどして残し、意思決定の経緯や過程を後から検証できるようにしている。何が公文書に当たるか例示したガイドラインも公表している。高知県では、課長補佐以上の一定権限を持つ職員が組織を代表して国などとやり取りした際の記録は「組織共有がなされていない段階のものであっても、公文書に該当する」としている。

 しかしながら、逆に注意すべきは、京都の鴨川ダム事件で最高裁が指摘するように、「組織的に利用する」限定を開示公文書についても大前提とすべきで、一部の自治体での研修講師がすべてと言っているのはあまりに法を知らず、驚くべきは個人メモも含めよとは暴言であろう。それを鵜呑みしている自治体職員は気の毒としか言いようがない。

 各地方公共団体は、より適性かつ効率的な文書管理体制を早急に確立するために職員の意識改革も含めて文書管理方法を紙と電子ファイルの両面においていわゆる「自治体職員の情報リテラシー」を備える必要がある。

(2)急増する情報公開の前提

情報公開条例の解説で述べた通り、公文書管理条例は急増する情報公開の前提である。詳しくはこのサイトの別稿参照。

2.効果的な公文書管理に関する条例研修のポイント

第1部 公文書管理制度の全体像

1.公文書管理法の概要

(1) 公文書管理法制定までの経過
(2) 公文書管理法のキーワードと重要ポイント

公文書の定義

公文書のライフサイクル管理 (レコードスケジュール)

歴史公文書・特定歴史公文書の移管

(3)電子文書管理のポイント

紙文書の管理方法と電子文書の管理方法のやり方とその違い

電子文書管理の原則とそのライフサイクル管理

(4)公文書館もしくは公文書館機能の構築
(5)公文書管理法施行令の概要

2.行政文書の管理に関するガイドライン(平成 26 年7月1日改正)

3.情報三法の相互関連と国立公文書館法等の関連法

4.記録管理の国際規格ISO15489 (JIS X 0902)

第2部 「当該地方公共団体 公文書管理規則・同条例」「同施行規則」等

-当該自治体の実際の公文書館制度ポイントを理解する-

(情報公開条例や個人情報保護条例参考)

第3部「公文書管理の先行自治体から学ぶ」

大阪市公文書管理条例等(宇土市・ニセコ町・島根県・熊本県等)

(大阪市は第三セクターの破たん等において、公文書の不整備が大きな問題になり公文書管理条例が公文書管理法の施行にあわせて改正されており実務上参考になる。怪我の功名。)

第4部 まとめ

情報三法特に情報公開条例との関連性、

「自治体職員の情報リテラシー」と情報セキュリティ等

Follow me!