はじめに:建設業法における刑事罰の位置づけ
建設業法は、建設業の健全な発達を促進し、発注者を保護するための重要な法律である。その実効性を担保するため、法律の後半部分では様々な罰則規定が設けられている。今回解説する第45条から第49条は、特に重大な違反行為に対する刑事罰を定めた条文であり、建設業に携わる全ての事業者が正確に理解しておくべき内容である。
第45条は登録経営状況分析機関の職員等による贈収賄罪を、第46条は贈賄罪を、第47条は無許可営業等の重大違反を、第48条と第49条はその他の重要な義務違反に対する罰則をそれぞれ規定している。これらの条文は、建設業の公正性と透明性を維持するための「最後の砦」として機能している。
第45条:登録経営状況分析機関に係る収賄罪
第1項:単純収賄罪と加重収賄罪
建設業法第45条第1項は、登録経営状況分析機関の役職員が、その職務に関して賄賂を収受、要求、約束した場合の刑事責任を定めている。
条文の構造
この条文は二段階の処罰を定めている。前段では、賄賂を収受、要求、約束しただけで「3年以下の拘禁刑」に処せられる。後段では、それによって「不正の行為をし、又は相当の行為をしないとき」には、刑が加重されて「7年以下の拘禁刑」となる。
対象者の範囲
処罰の対象となるのは、登録経営状況分析機関が法人である場合はその役員、そして経営状況分析の業務に従事する職員である。役員には取締役、監査役、執行役などが含まれる。職員については、正社員に限らず、契約社員や派遣社員であっても、実際に経営状況分析の業務に従事していれば対象となり得る。
経営状況分析制度の重要性
経営状況分析は、経営事項審査の一部を構成する重要な制度である。建設業者が公共工事を受注するためには経営事項審査を受ける必要があり、その中で経営状況分析は企業の財務状況を客観的に評価する役割を担っている。この評価が不正に歪められれば、本来受注資格のない業者が公共工事を受注する事態となり、公正な競争が阻害され、最終的には納税者である国民に損害が及ぶ。
賄賂の意義
賄賂とは、職務行為に対する不正な報酬として授受される一切の利益を指す。金銭が典型であるが、物品、サービス、接待、性的利益なども含まれる。重要なのは、社会通念上、職務行為に対する対価としての性質を有するかどうかである。
収受・要求・約束の意味
「収受」とは実際に賄賂を受け取ることである。「要求」とは賄賂の供与を求めることであり、実際に収受していなくても処罰される。「約束」とは将来賄賂を受け取ることについて合意することであり、これも収受前の段階で処罰対象となる。
不正の行為と相当の行為をしないこと
後段の加重類型における「不正の行為」とは、法令や社内規程に違反する行為、あるいは職務上の義務に反する行為を指す。具体的には、経営状況分析において実際よりも高い評価を与える、本来不合格とすべき財務状況を合格とするなどの行為が該当する。
「相当の行為をしない」とは、職務上当然行うべき行為を意図的に行わないことである。例えば、明らかな虚偽記載を発見したにもかかわらず指摘せず、そのまま分析結果を出すような場合がこれに当たる。
第2項:事後収賄罪
第45条第2項は、いわゆる事後収賄罪を規定している。
在職中の不正行為と退職後の賄賂
この条文が処罰するのは、既に登録経営状況分析機関の役職員でなくなった者が、在職中に請託を受けて行った職務上の不正行為等について、退職後に賄賂を収受、要求、約束する行為である。
請託の要件
第2項では「請託を受けて」という要件が加わっている点に注意が必要である。請託とは、特定の職務行為を行うよう依頼を受けることである。単に一般的な好意を期待して賄賂を受け取る場合(第1項前段)とは異なり、第2項では具体的な請託が必要となる。
制度趣旨
この規定は、在職中に不正行為を行い、退職後に「成功報酬」として賄賂を受け取るという脱法行為を防止するためのものである。職務の公正性は、在職中だけでなく、その後の利益享受についても規律される必要がある。
法定刑
事後収賄罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑」であり、第1項前段の単純収賄罪と同じである。ただし、第1項後段のような加重類型は存在しない。
第3項:第三者供賄罪
第45条第3項は、賄賂を自分で受け取るのではなく、第三者に供与させる形態の収賄罪を規定している。
第三者への供賄の意味
この条文が対象とするのは、登録経営状況分析機関の役職員が、その職務に関し請託を受けて、賄賂を第三者(例えば家族、親族、友人、関係会社など)に供与させ、又はその供与を約束させる行為である。
脱法行為の防止
自分で直接賄賂を受け取れば収賄罪として処罰されることを免れるため、形式的に第三者に供与させるという脱法行為を防止するのが、この規定の趣旨である。実質的に利益を享受するのは本人である場合が多いが、必ずしも本人が利益を得ることは要件とされていない。
請託の要件
第3項でも「請託を受けて」という要件が必要である。単に第三者に供与させただけでは不十分で、特定の職務行為についての依頼が存在することが必要である。
法定刑
第三者供賄罪の法定刑も「3年以下の拘禁刑」である。
第4項:賄賂の没収・追徴
第45条第4項は、収賄罪において授受された賄賂そのものの処分について定めている。
必要的没収
「没収する」という表現は、裁判所の裁量を認めない必要的没収を意味する。犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、必ず没収しなければならない。
追徴
賄賂の全部又は一部を没収することができない場合(既に費消してしまった、隠匿された、第三者に譲渡されたなど)には、その価額を追徴する。追徴も必要的であり、裁判所の裁量はない。
情を知った第三者
「情を知った第三者」とは、授受された利益が賄賂であることを知っていた第三者を指す。善意の第三者から没収することは、憲法上の財産権保障の観点からも問題があるため、悪意の第三者に限定されている。
第46条:贈賄罪
建設業法第46条は、第45条で定められた収賄罪に対応する贈賄罪を規定している。贈収賄は双方が処罰される犯罪であり、賄賂を渡す側も刑事責任を負う。
第1項:贈賄罪の成立要件
対象となる行為
処罰されるのは、第45条第1項から第3項までに規定する賄賂を「供与」し、又はその「申込み」若しくは「約束」をした者である。
供与とは、実際に賄賂を交付することである。申込みとは、賄賂を供与する意思を表明することである。約束とは、将来賄賂を供与することについて合意することである。収賄罪と同様、実際の供与がなくても、申込みや約束の段階で処罰される。
法定刑
贈賄罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金」である。収賄罪と異なり、罰金刑の選択肢がある点が特徴である。また、拘禁刑と罰金の併科についての規定はない。
贈賄者処罰の趣旨
贈賄罪を処罰する趣旨は、賄賂の供与という行為自体が職務の公正性を害する危険性を有するためである。また、贈賄者を処罰することにより、収賄の機会を減少させ、間接的に収賄罪の発生を抑止する効果も期待されている。
第2項:自首による刑の減免
第46条第2項は、贈賄罪における自首の特則を定めている。
自首の意義
自首とは、犯罪事実が捜査機関に発覚する前に、犯人が自ら進んで犯罪事実を申告し、処分を求める意思表示をすることである。刑法第42条の一般的な自首規定では「刑を減軽することができる」とされているが、贈賄罪については「減軽し、又は免除することができる」と、より有利な取扱いが認められている。
特則の趣旨
贈賄罪については、収賄罪よりも発覚が困難な場合が多い。贈賄者に自首を促すことにより、収賄事案の解明を容易にし、公務の公正性を確保するという政策的配慮から、この特則が設けられている。
実務上の運用
自首が認められるためには、捜査機関が犯罪事実を認知する前であることが必要である。報道などで事件が公になった後では、原則として自首は成立しない。また、単に犯罪事実を申告するだけでなく、処分を求める意思表示が必要である。
第47条:無許可営業等の罪
建設業法第47条は、建設業法の根幹を揺るがす重大な違反行為に対する刑事罰を定めている。この条文で処罰される行為は、建設業の許可制度や営業停止処分の実効性を直接損なうものであり、厳格な対応が求められる。
第1項:各号の違反行為
第1号:無許可営業
第47条第1項第1号は、第3条第1項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営んだ場合を処罰対象としている。
建設業法第3条第1項は、建設業を営もうとする者は、国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならないと定めている。この許可を受けずに建設業を営む行為は、建設業法の許可制度の根幹を否定するものである。
無許可営業が問題となるのは、以下のような場合である。第一に、許可を全く取得せずに建設業を営む場合である。第二に、許可の有効期間が満了したにもかかわらず更新せずに営業を継続する場合である。第三に、A業種の許可しか持っていないのにB業種の工事を請け負う場合である。第四に、一般建設業の許可しか持っていないのに、下請代金の総額が制限額を超える工事を請け負う場合などが該当する。
第2号:一括下請負の禁止違反
第47条第1項第2号は、第16条の規定に違反して下請契約を締結した場合を処罰対象としている。
建設業法第16条は、いわゆる一括下請負(丸投げ)を原則として禁止している。一括下請負とは、請け負った建設工事の全部を一括して他人に請け負わせることである。
一括下請負が禁止される理由は、以下の通りである。第一に、発注者が信頼して選定した建設業者の技術力が活用されないことになる。第二に、中間搾取が行われ、実際の工事施工業者に適正な対価が支払われない可能性がある。第三に、施工責任の所在が不明確になる。第四に、公共工事の入札制度の趣旨が没却される。
一括下請負に該当するかどうかは、元請業者が実質的な関与をしているかどうかで判断される。形式的に一部の作業を行っただけでは実質的関与とは認められず、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理などに実質的に関与していることが必要である。
第3号:営業停止処分違反
第47条第1項第3号は、第28条第3項又は第5項の規定による営業停止の処分に違反して建設業を営んだ場合を処罰対象としている。
建設業法第28条は、許可行政庁による監督処分について定めており、第3項では営業停止処分を、第5項では緊急停止命令を規定している。これらの処分は、建設業者が法令違反を行った場合や不正行為があった場合に、その営業活動を一時的に停止させることにより、是正を図るものである。
営業停止処分に違反して建設業を営むことは、行政処分の実効性を否定する行為であり、行政の権威を損なうものである。営業停止期間中に新たな契約を締結したり、既存の契約について工事を進めたりすることは、この条文により処罰される。
第4号:営業禁止処分違反
第47条第1項第4号は、第29条の4第1項の規定による営業の禁止の処分に違反して建設業を営んだ場合を処罰対象としている。
建設業法第29条の4は、特に悪質な違反行為があった場合に、許可を取り消すとともに、一定期間、建設業を営むことを禁止する処分について定めている。これは営業停止処分よりもさらに重い処分であり、許可の取消しと将来の営業禁止が組み合わされている。
営業禁止処分に違反して建設業を営む行為は、最も悪質な違反類型の一つといえる。この処分を受けた者が別法人を設立して実質的に同一の営業を継続するような脱法行為も、この条文により処罰される可能性がある。
第5号:虚偽・不正による許可等の取得
第47条第1項第5号は、虚偽又は不正の事実に基づいて許可や認可を受けた場合を処罰対象としている。
具体的には、第3条第1項の許可(同条第3項の許可の更新を含む)、第17条の2第1項から第3項までの認可(特定建設業の許可における専任技術者の要件緩和の認可など)、第17条の3第1項の認可(監理技術者の職務の代行の認可)を、虚偽又は不正の事実に基づいて受けた場合が該当する。
虚偽の事実とは、客観的真実に反する事実を申告することである。例えば、経営業務管理責任者の経験年数を偽る、専任技術者の資格を偽る、財産的基礎の金額を水増しするなどの行為が該当する。
不正の事実とは、形式的には真実であっても、実質的に不正な方法により作出された事実を指す。例えば、見せ金により一時的に資本金額を満たす、他人の技術者資格を不正に借用する、ペーパーカンパニーの実績を利用するなどの行為が該当する。
第2項:拘禁刑と罰金の併科
第47条第2項は、第1項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができると定めている。
法定刑の構造
第1項の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」である。通常、「又は」で結ばれている場合は、どちらか一方のみを科すことになる。しかし、第2項により、違反の態様が悪質である場合など、情状によっては、拘禁刑と罰金の両方を科すことができる。
併科の趣旨
併科が認められる趣旨は、悪質な違反行為に対しては、自由刑による応報と財産刑による経済的制裁の両方を科すことが適切な場合があるためである。特に、無許可営業などにより不正な利益を得ている場合には、罰金刑により経済的利益を剥奪する必要性が高い。
実務上の運用
併科が実際に適用されるのは、違反行為が長期間にわたる場合、不正な利益が多額である場合、反省の態度が見られない場合、前科・前歴がある場合など、情状が特に悪い場合に限られる。
第48条:主任技術者の設置義務違反等の罪
建設業法第48条は、第47条に次ぐ重要な義務違反について刑事罰を定めている。
第27条の7第1項違反
第27条の7第1項は、主任技術者及び監理技術者の設置義務を定めている。建設業者は、請け負った建設工事を施工するときは、当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる主任技術者を置かなければならない。また、発注者から直接請け負った特定建設業者は、下請代金の総額が一定額以上となる場合には、監理技術者を置かなければならない。
この義務に違反することは、工事の品質確保と安全性の観点から重大な問題である。技術者の適正配置は、建設工事の適正な施工を確保するための最も基本的な要件である。
第27条の34違反
第27条の34は、経営事項審査に関する虚偽申請等の禁止を定めている。経営事項審査は公共工事の入札参加資格審査の基礎となる重要な制度であり、ここでの虚偽申請は公正な競争を歪め、公共工事の適正な執行を害する。
法定刑
これらの違反行為に対する法定刑は「1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」である。第47条の違反よりは軽いが、依然として重い刑罰が定められている。
第49条:停止命令違反の罪
建設業法第49条は、行政機関からの停止命令に違反した場合の刑事罰を定めている。
対象となる停止命令
この条文が対象とする停止命令は、以下の通りである。
第一に、第26条の17の規定による登録講習実施機関に対する講習の停止命令である。これは、第27条の32において登録経営状況分析機関にも準用される。
第二に、第27条の14第2項の規定による試験事務、交付等事務又は経営状況分析の停止命令である。これは、第27条の19第5項において準用される場合を含む。
処罰対象者
処罰されるのは、違反行為をした登録講習実施機関の役職員、指定試験機関若しくは指定資格者証交付機関の役職員、又は登録経営状況分析機関の役職員である(第51条において「登録講習実施機関等の役職員」と総称される)。
法人である場合はその役員が対象となる。職員については、実際に違反行為を行った者が対象となる。
法定刑
停止命令違反の法定刑は「1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」であり、第48条と同じである。
規定の趣旨
登録講習実施機関、指定試験機関、指定資格者証交付機関、登録経営状況分析機関は、建設業の資格制度や審査制度において重要な役割を担っている。これらの機関が不適正な業務を行った場合には、行政機関は業務の停止を命じることができる。この停止命令に違反して業務を継続することは、行政処分の実効性を損なうものであり、刑事罰の対象とされている。
コンプライアンス実務上の重要ポイント
刑事責任の重大性の認識
建設業法違反に対する刑事罰は、罰金刑だけでなく拘禁刑(旧称:懲役刑)も定められており、極めて重い責任を伴う。特に第45条の収賄罪については最高で7年の拘禁刑が科される可能性があり、これは一般の業務上横領罪などと比較しても非常に重い刑罰である。
経営者や管理職は、これらの刑事罰の存在を十分に認識し、違反行為の未然防止に努めなければならない。「知らなかった」「うっかりしていた」という弁解は、刑事責任の追及において通用しない。
贈収賄リスクへの対応
登録経営状況分析機関の役職員は、その職務の公正性が強く要求される立場にある。建設業者との接触においては、常に公正性を疑われることのないよう、細心の注意を払う必要がある。
具体的には、建設業者からの接待や贈答品の受領を一切禁止する、業務上の判断プロセスを明確化し記録を残す、複数人によるチェック体制を構築する、内部通報制度を整備するなどの対策が有効である。
また、贈賄側も処罰されることから、建設業者側も、登録経営状況分析機関の役職員に対して不適切な働きかけを行わないよう、社内教育を徹底する必要がある。
許可制度の厳格な遵守
建設業の許可は、有効期間が5年間と定められており、期間満了の日の30日前までに更新申請を行う必要がある。更新を怠ると、許可が失効し、その後の営業は無許可営業として刑事罰の対象となる。
許可の有効期間を管理するシステムを構築し、更新時期が近づいたら確実に更新手続を行う体制を整備することが不可欠である。また、業種追加や般・特新規などの手続についても、適切なタイミングで申請を行う必要がある。
営業停止処分への対応
万一、営業停止処分を受けた場合には、その期間中は一切の営業活動を停止しなければならない。処分の対象となる営業範囲を正確に理解し、処分期間中は完全に業務を停止する必要がある。
処分期間中に既存の契約をどう処理するかは、個別の事情に応じて許可行政庁と協議する必要がある。一般的には、既に締結済みの契約の履行まで禁止されるわけではないが、新規の契約締結は一切できない。
一括下請負の禁止の徹底
一括下請負(丸投げ)は、建設業法で厳格に禁止されており、違反すると刑事罰の対象となる。元請業者は、実質的に工事に関与し、施工管理を行う必要がある。
実質的関与があるといえるためには、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理などに積極的に関与していることを記録に残すことが重要である。下請業者に丸投げしているのではないかという疑念を持たれないよう、適切な施工体制台帳の作成と現場管理の実施が求められる。
虚偽申請の絶対的禁止
許可申請や経営事項審査において虚偽の申請を行うことは、絶対に許されない。一時的に許可を取得できたとしても、後に虚偽が発覚すれば、許可取消しだけでなく刑事罰の対象となる。
特に、経営業務管理責任者や専任技術者の要件、財産的基礎の要件などについて、実態と異なる申請を行わないよう、申請内容を十分に精査する必要がある。疑問がある場合には、許可行政庁に事前に相談し、適法な申請を行うことが重要である。
建設業界における刑事コンプライアンスの確立
建設業は、国民生活と経済活動の基盤を支える重要な産業である。その適正な運営を確保するため、建設業法は様々な規制を設け、重大な違反行為に対しては刑事罰という最も強力な制裁を用意している。
経営者は、これらの刑事罰規定の存在を正確に理解し、組織全体にコンプライアンス意識を浸透させる責任がある。単に法律を守ればよいというだけでなく、社会からの信頼を獲得し、持続可能な経営を実現するためには、高い倫理観に基づく企業文化の構築が不可欠である。
第45条から第49条までの規定は、建設業法における刑事罰の中核をなすものであり、全ての建設業者がその内容を正確に理解し、日々の業務に反映させていくことが求められている。
まとめ:刑事罰規定の実践的理解
建設業法第45条から第49条は、建設業の公正性と透明性を確保するための刑事罰規定である。登録経営状況分析機関の贈収賄、無許可営業、営業停止処分違反、一括下請負、虚偽申請など、建設業の根幹を揺るがす重大な違反行為に対して、厳格な刑事責任が定められている。
これらの規定は、単なる形式的なルールではなく、建設業の健全な発展と国民の利益を守るための実質的な規範である。全ての建設業関係者が、これらの規定の趣旨を理解し、日々の業務において法令遵守を徹底することが、業界全体の信頼性向上につながる。
コンプライアンスは、経営リスクを回避するだけでなく、企業価値を向上させ、持続可能な成長を実現するための基盤である。刑事罰という最も重い制裁を回避するためだけでなく、社会から信頼される企業として発展するために、建設業法の正確な理解と実践が求められている。
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