1.教育現場の不祥事事例があまりに多いこととその防止対策が効果的でない事

(1)文部科学省の公表資料

文部科学省が、わいせつ、体罰、飲酒運転や公金横領等の不祥事に関する懲戒処分の実態を毎年報告するようになっている。

また、必ずしも不祥事と言えない場合も含めていじめに関する実態や施策も公表するようになっている。

例えば、

平成26年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」、http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinji/1365310.htm

いじめ問題を含む子供のSOSに対する文部科学省の取組」 http://www.mext.go.jp/ijime/index.htm

等がこれらの例であろう。

■令和5年公表の資料は次の通りである。

令和3年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」 

公立学校教職員の人事行政状況(教育職員の精神疾患による病気休職者等数、教育職員の懲戒処分等、女性管理職の割合等)について。令和5年1月16日更新 一部引用

懲戒処分等を受けた教育職員は、4,674人(0.50%)で、令和2年度(4,101人(0.44%) )から573人増加。
・「体罰」により懲戒処分等を受けた者は、343人(0.04%)。(令和2年度393人(0.04%) )
・「性犯罪・性暴力等」により懲戒処分等を受けた者は、216人(0.02%) 。(令和2年度201人(0.02%))
・うち、児童生徒等に対する性犯罪・性暴力により懲戒処分を受けた者は94人(令和2年度96人)。

詳しくは、https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinji/1411820_00006.htm

(2)政策の有効性について、検証不可欠

しかし問題はその有効性であろう。

学校現場は様々である。国公立もあれば私立もある。

小学校・中学校・高等教育機関・大学・大学院等でのそれぞれでステークホルダ-も変わる。

リスク管理のみならず職業倫理の点でも多様性があるので、コンプライアンス研修をやるにしても専門性のほかにきめ細かい内容を盛り込んだ指導でないと無理でなかろうか。

2.閉鎖的な研修体制を改めないと改善しない

教育委員会のコンプライアンス要綱を見ても本当に総花的によく書けているが、その浸透力はどうであろうか。

自分たちが知性があるので、外部の専門家でなくて、自分たちで解決できるといった錯覚に基づく閉鎖的な体質に最大の問題があろう。

悩む事例を入れて、過去にあった事例を入れて、これから発生可能性のある事例を入れて、主体的に参加する研修とその態勢作りがまさに喫緊の課題であろう。

COSO内容も含めて態勢作りが最も有効であろう。 弱点はそこでは倫理が弱い。

内部統制が最も成功するのはリスク管理で、倫理は感銘力と教育者への教育といったシャレにならない研修がじわじわと効き目を発するであろう。

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