1.NOSAI不祥事防止のキメテ
(1)NOSAIでのコンプライアンス研修について
農業共済団体の方々、農林水産省或いは都道府県の方々には普段からご依頼などをどうもありがとうございます。
つい最近、東日本のある農業共済団体でコンプライアンスの研修の依頼を受けまして、最近は農業保険法の改正がありましたのでその新しい農業保険法の下での、農業共済の推進と新しくできた収入保険の推進に関するマネジメントの特に営業力の強化とか農家への営業訪問の持参品やそれを利用した仕方とか、商品紹介のポイントとかの話をすることがこの2年ほどは多かったです。
しかし、やはり本来の組織マネジメントとしての基本である内部統制の目的であるコンプライアンス、コンプライアンスというのは組織の目的にしてるところが多いはずですから、令和5年に改訂された農林水産省の監督指針もそういう風になっています。
コンプライアンスの研修については基礎的なことを繰り返しやるということ、農林水産省の OB とか、NOSAI全国に入って、コンプライアンス指導に全国回っておられ、中村さんは一緒に話したこともあるしちょうど退職されるときにNOSAI全国で親しくお話したこともあります。
でも私みたいなその第三者的な立場の者が、そのコンプライアンスの専門家として、内部統制の専門家或いはリスク管理の専門家ってあまりないわけですからそういうものの話を聞かれるのも悪いことではないという風に思います。
前置きが長くなりましたが、今回はそういう風にしてご依頼を受けてやらせていただきました。令和に時代になってから収入保険の営業力強化とコンプライアンスについては引き続いて農業共済団体での研修をやらせていただいています。
■コンプライアンス研修講師の紹介
(2)農業共済組合・農業共済組合連合会等の不祥事再発防止対策は、内部統制の統制環境の問題が一番大きい。
今回のコンプライアンス研修で、やはり話題になったのは不祥事対策ということですね。
NOSAI不祥事というものは、新しい平成30年の農林水産省の団体版の作った監督指針の中でも、定義の内容はもちろん農業災害補償法が農業保険法とかに変わったりしても基本的には変わらないわけですね。
この不祥事というのは次の四つあるわけですね。
1)組合の業務を遂行するに際しての詐欺、横領、背任その他の犯罪行為
2)組合の業務を遂行するに際しての農業保険法その他の法令、法令に基づいてする行政庁の処分、定款又は事業規程に違反する行為のうち、当該業務の遂行に重大な影響を与えるもの
3)現金、有価証券その他の有価物の1件当たりの金額が10万円以上の紛失(盗難に遭うこと及び過不足を生じさせることを含む。)
4)その他この組合の業務の健全かつ適切な運営に支障を来す行為又はそのおそれのある行為であって前各号に掲げる行為に準ずるもの
第一の横領など、そういうことはやっぱり相変わらずですけどもあちらこちらであるんです。さすがに昔みたいに私がNOSAIでコンプライアンス研修をやり始めた10年ぐらい前はですね1,000万円を超えるような、困ったものがあって、今はそういうものはないです。
ただ相変わらずですねそういうものが出ております。そういうものはまず絶対にダメですよ。農業共済制度については国の政策として災害に対する補償をですねやって農業も継続は今風に言うとですね持続可能 sustainability なんですね。SDGsの目標に上がったりですねそんなことでやってるわけですけども、農業共済の組織が農家の組合員のお金をポケットに入れる団体になるのは、重大背信行為、違反行為であって許されませんよ。
次の法律や農家の方が、自分たちの作った定款とかその他のルールありますよね。そういうものに違反するのはコンプライアンスの最も悪質な違反行為でしょう。ある団体で大きな問題にあっていますがやがて公表されるでしょう。マスコミ報道も厳しく在るでしょう。
三つ目は現金が10万円もなくなる、盗まれるもの含めてのことですけどもです。 JA:農業協同組合や銀行は100万円とかですが、紛失が繰り返えされてなくなった場合も1回きりでやったんじゃなくても含みます。
四つ目は今言った三つに準ずるようなことである、例えば個人情報の漏えいとかですね。これが一番多いわけですよね。特に収入保険で青色申告のような秘匿性の高い個人情報も扱います。農家や法人の収入関係とかも全部わかるわけですけども漏えいについてもしっかりとやるようなことが今日は必要です。
またこれには、苦情とかに対する対応、クレーム対応と言ってもいいですけどそれも含み、やっぱりハラスメントも組織内でしないと言うこと、この前も西日本のNOSAIでセクシュアルハラスメントありましたね。そういうことはないようにするということですよ。また不当要求に応じないっていうことも農家の方の強い要求に応じて過払いとかしないようにするのも大事です。
(3)コンプライアンス・リスク対応という考え
不祥事リスクについては、最大のリスクが特にマネジメント上のリスクという意味で、組織のリスクではコンプライアンスリスクという風に普通はいうことが多くなってきております。コンプライアンスが法令とか法令に準ずるような内部規則とかもっと広く社会的な倫理に反すること、さらにもっと広くもっと広い視点からその組織に対する社会的な信頼つまりステークホルダーの信頼に応えることであるとしてコンプライアンスの変遷があります。そういうそういう要請に対して応えずにいるのがコンプライアンスリスクというふうに考えてそのコンプライアンスリスクに対して対応を考えるってのは一般的に企業や地方公共団体でも普通の考え方になってきているのです。
品行などにもかかわる場合は、コンダクト・リスクと言います。
そういうコンプライアンスプロセスをやるには、内部統制の構成要素であるリスク管理するプロセスをしっかりやることで、その一番最初のところでアセスメントというものがあります。リスクマネジメントの中心にアセスメントというものがありますね。COSOキューブの要素であるリスク評価って言ったりして、ERM2017でも、5つのリボンの重点がそこにあって考えるこのです。
2.NOSAI不祥事防止の為に(実際の不祥事例参考に)
やはりその過去にどういう不祥事があったかということ、私に対しての団体が顧問契約を結んだときに起こった不祥事再発防止を強く言うと、連合会や県の方でちょっと引いてしまわれる方がいらっしゃいました。そのようなことは大変今でも残念です。
そうではなくて自分の過去に行ったことをしっかりと見つめてくださいね。自分自身も同じことです。人間として個人的にも自分で過去に行った間違えてもあればそれをちゃんと見つめてその後の人生でそれを反省してそれを繰り返さないようにするということが基本でしょ。学校でもそういうことは教えています。社会でも同じことです。
ですから研修の時にテキストの中にNOSAI不祥事の類型とポイント入れてザックリと40件前後は紹介してますからね。特に最近の不祥事も、又は現在いろんな農業共済団体で進行中だけどまだ公表してないような不祥事もあります。もうすぐ研修先とも細かく打合せします。そういうものもあったとしても知ってますか そういうのは本当ですね、真剣に考える必要があります。
それから現在のとこはまだちょっと不祥事ではないがちょっと困ってること、ちょっとヒヤッとしてることがあって、進行中であればその認識もしっかりする必要があります。
さらにエマージングリスクも大切でしょう。一般にリスクマネジメントで基本的に使う言葉なんですけども、リスクを洗い出す時に過去とか現在だけでなくてこれから今起こりつつあることの組織の事業目標に対してリスクは発生してくるわけですからそういうリスクを認識するってのが結構高度なリスクマネジメントで大事なことです。これはなかなかですねいろんな業態のものとかを色々知ってないと出てこないんでここがのコンサルティングで、公共団体とか企業とか地方公共団体関係の団体でも私がですね力を入れているリスクです。ちょっと技術的なところが問題になってくるんで難しいのは分かりますけども、エマージングリスクをほったらかしにしておくと組織はですねそのリスクでやられてしまうので、これは非常に重要であるということですね。
それから後ですねちょっと言いにくいことですが、弁護士の國広さんが本の題名で書いてあるように、「なぜ不祥事を繰り返すのか」ですけども、やはりその組織のですね根本的なところでさっき言ったように、こういう一番から2番3番までもリスクがあったらですね、見つかったらちゃんと認識したらですね、それに対してしっかり反省をしてですね、そして一般に言ってることですけども再発防止というものですね、真剣に考えないと駄目ですね。
不祥事再発防止策とかリスクの対応とかされたしても基本的にはねその対応のところが甘いんですよね。ですから組織とか人でまた繰り返し発生するわけですよね。
それは例えば総務省事務次官が平成10年代とかに入ったからもう自分の名前で地方公共団体に飲酒運転とか公共工事の入札とかで非常に困ったこと発生してるけど、どうなんやって言ってるとこの最後の6番目に、やはりその発生したものに対する真摯な自分たちの問いかけ、自分たちの組織に対してこれでいいのか、それが大事です。残念な例ですか、西日本の農業共済団体のところで指導していた最中に別の方々(まあそのお名前はおいといて)早く再発防止よりも新しく出発しないとのことで横やりを入れられておろそかにしてやるとあのやっぱり再び不祥事が発生してるわけですよね。
ある農業共済ではですね、公になったものもそうでないものも含めて、繰り返し発生するわけです。合併する前のとこのある場所が繰り返し発生する、それやっぱりそういうとこに原因があるんじゃないかっての私の考えです。
そこのところを一緒にですね、コンプライアンス研修とが組織のコンサルティングとかでやらせていただきたいと、今後とも農林水産省等と協力して農業災害に強い国作りをやっていきたいと思っております。
農業共済の収入保険に関する営業研修も、こういうコンプライアンスに関する研修も、いつでもお受けしますのでよろしくお待ち申し上げます。
■コンプライアンス研修講師の紹介