1.官製談合が起こっている国や自治体の組織では、公正な業務執行が利害関係者で歪められている
◆地方公務員も国家公務員も利害関係者との接触ではルールを守る必要があるが、その「利害関係者」の定義は?
(1)国家公務員倫理法や国家公務員倫理規程では、利害関係者との接触ルールがあるが、最も問題になるのは、そもそも「利害関係者」とは何か言ったその定義である。
これは、地方公務員も国家公務員倫理法は法の明文規定で同じように倫理規定を定める法的義務があるのでほぼ同様になろう。
(2)利害関係者の定義
「利害関係者」とは、国家公務員が接触する相手方のうち、特に慎重な接触が求められるもの。
ある国家公務員にとって「利害関係者」とは、その国家公務員が現に携わっている1~8の事務の相手方。
ただし、基本的に同一省庁内の国家公務員同士は利害関係者にはならない。
1 許認可等の申請をしようとしている者、許認可等の申請をしている者及び許認可等を受けて事業を行っている者
2 補助金等の交付の申請をしようとしている者、補助金等の交付を申請している者及び補助金等の交付を受けている者
3 立入検査、監査又は監察を受ける者
4 不利益処分の名あて人となるべき者
5 行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている者
6 所管する業界において事業を営む企業
7 契約の申込みをしようとしている者、契約の申込みをしている者及び契約を締結して債権・債務関係にある者
8 予算、級別定数又は定員の査定を受ける国の機関
過去3年間に在職したポストの利害関係者は、異動後3年間は引き続き利害関係者である。
退職規制も国家公務員法・地方公務員法
ともにある。
※ 国家公務員倫理法のサイト https://www.jinji.go.jp/rinri/qa/main.html 参照
2.地方公共団体での官製談合では、接触ルールが定めていないことが多い。
また、接触ルールが定めてあっても、利害関係者が役所内で跋扈している地方公共団体がある。入札契約で特定の業者を事実上優遇するおかしなことがずっと続いている。
公務の適正執行を執行をしている地方公共団体が勿論ほとんどなのであるが、どうしても一部の地方公共団体での業務執行がコンプライアンスやリスクマネジメントの観点から出来ていないことが多い。組織文化の問題もあるので、ERM2017の地方公共団体への応用を研修では強調するように中川総合法務オフィスではしている。