食品産業コンプライアンスとリスクマネジメント導入

1.食品産業コンプライアンスとリスクマネジメント導入:FSSC22000、ISO22000

(1)海外への進出企業のリスクマネジメント

京都の企業の顧問をしている関係でもよく感ずることであるが、海外との取引を小さな企業であっても当然のごとく考える時代なんだなと。

リスクマネジメントに関する31000国際標準規格もEU進出では求められることが多いのである。

(2)FSSC22000、ISO22000等の国際規格の時代

食品産業においても、このことは同じで、もはやISO22000国際標準規格でなくて世界のトレンドはオランダの開発した国際規格のFSSC22000にある。

グローバル展開する外食チェーンや小売りとの取引では、こうした認証取得を求められたり、商談が有利に進んだりするからでろう。

この規格は、例えば敷地内に勝手に部外者が出入りできない仕組みがあるか、原料の搬入口が施錠されているか、意見の異なる従業員を疎外するような雰囲気がないかといった詳細な検査項目がある。

2.日本国内の食に関する不祥事が続く

(1)アクリフーズ農薬混入事件

殊に、内部犯行であることがはっきりしたが、マルハニチロホールディングスのグループ会社製品に農薬混入事件が起きたことがこれに拍車をかける。

●アクリフーズ農薬混入事件は、アクリフーズ群馬工場製造の冷凍食品に農薬のマラチオンが混入された事件。2013年12月の発覚後に自主回収が実施され、2014年1月に同社で勤務していた契約社員の男が偽計業務妨害の容疑で逮捕された。

アクリフーズ群馬工場で製造された冷凍食品を購入した客から「異臭がする」などの苦情が、2013年11月13日から12月29日までに全国各地から20件寄せられた。調査した結果、高濃度の有機リン系の農薬・マラチオン(殺虫剤の一種)が返品された商品から検出された。

12月29日、アクリフーズは群馬工場の生産・出荷を停止し、市場に出回った全ての生産商品計88品目(イオンのトップバリュ、生協ブランドなどのPBも含め)を自主回収すると発表した。アクリフーズは「マラチオンに急性症状は無く体重20キロで一度に60個を食べないと健康には影響ない」と説明。

翌30日、食品衛生法により群馬県館林保健福祉事務所は群馬工場への立ち入り検査を実施。「通常の製造工程上で汚染された可能性は低い」と発表し、群馬県警察は意図的に混入された可能性があるとして捜査を開始した。
一方31日未明には、アクリフーズ親会社のマルハニチロHDは記者会見し「(商品を)8分の1個食べただけで吐き気などの症状がおきる可能性がある」(体重20キロ)と説明、前述した健康影響の説明は前日に厚生労働省から指摘を受け、誤っていたとして撤回した。
2014年1月、アクリフーズは群馬工場に勤務する全従業員への聞き取り調査を実施。

群馬県警察は同月25日、アクリフーズ群馬工場で働いていた契約社員の男が農薬の混入に関わっていたとみて、偽計業務妨害容疑で逮捕した。

また、同日夜にはマルハニチロホールディングス側が記者会見を開き、マルハニチロHD社長及び同社品質保証担当常務とアクリフーズ社長が今般の事件を受け、2014年3月31日付にて引責辞任することを発表した。(wikipedia参照)

⇒なお、このアクリフーズの記者会見は典型的な失敗例であろう。恐らく訓練はしていないと思われる。

その後に、2014年8月14日に元契約社員に前橋地裁は懲役3年6ヶ月の有罪判決を言い渡し、9月25日に東京地裁は、マルハニチロが商品の回収を知らせる社告を出して約5億9700万円かかった一部の1億円の損害賠償を求めた訴訟で元契約社員に全額の支払いを命じる判決を言い渡した。

(2)アクリフーズ農薬混入事件の余波:製造所固有記号

発覚当初は「製造者にアクリフーズと表示のある商品」を食べないよう注意喚起していた。しかし、プライベートブランド製品では企画元の意向で製造者名を記載しない企業があり、これが回収対象にも含まれていた。このため、「アクリフーズ」の記載がないことに安心して食べてしまうことが懸念されたほか、回収にも支障を来した。これを受けて、製造所固有記号を付せば製造者名の記載を省略できるとした現在の規定を見直し、原則として製造者名を表示させる方針に転換することとなった。

※現在の記載基準(札幌市HP参照)

【従来との変更点】
◆原則として、同一製品を2以上の製造所で製造している場合に利用でる。

◆製造所固有記号による表示の場合、次のいずれかの事項を表示

・製造所の所在地又は製造者の氏名若しくは名称の情報の提供を求められたときに回答する者の連絡先
・製造所固有記号が表す製造所の所在地及び製造者の氏名又は名称を表示したウェブサイトのアドレス(二次元コードその他のこれに代わるものを含む。)
・当該製品を製造している全ての製造所の所在地又は製造者の氏名若しくは名称及び製造所固有記号

3.FSSC22000の国内での拡がり

(1)キューピー・サントリー等も導入

日経によれば、キユーピーは2015年をめどに伊丹工場等の約90カ所ある国内外のほぼ全工場で認証を受ける方針。欧米系の大手小売りや外食業が取引先に規格取得を求める例が増えている。

また、明治も14年度中に、チョコレート菓子「きのこの山」などをつくる、グループの全菓子工場10カ所で取得する方針だ。

飲料業界では11年にコカ・コーラグループが国内全工場で取得を済ませたのに続いて動きが広がった。最近は酒類でも取得が進んでいる。

サントリーホールディングス傘下のサントリー酒類は2013年5~11月に山崎蒸留所(大阪府島本町)など4カ所でFSSC22000の認証を取得した。

(2)ISO 22000

『食品安全マネジメントシステム-フードチェーンに関わる組織に対する要求事項(Food safety management systems – Requirements for any organization in the food chain)』の国際標準規格である。

従来のHACCP系の認証に比べて認証の範囲が広く、農業や漁業といった一次産品から小売、製造・加工に利用する機材、途中の運送など、フードチェーンに直接・間接的に関わる全ての組織が認証の対象となっている。

(3)FSSC22000

食品安全認証財団FFSC(Foundation for Food Safety Certification)が開発した食品安全のための認証規格。

この規格は、食品関連企業のためのISO22000:2005(食品安全マネジメントシステム)およびISO22000:2005の前提条件プログラムの部分を詳細化した規格ISO/TS22002-1:2009(食品製造)、PAS223:2011(食品包装材料製造)を包含している。

取得のメリット
・グローバル展開している大手小売チェーンなど、新規市場への参入機会が拡大

・安全で高品質な食品を製造、供給できることを証明し、消費者や取引先に対するブランド力、ブランドイメージなど、アピール効果が高まる

・ハザード分析、トレーサビリティシステム構築によるリスク管理

・製造物責任、リコール(商品回収)などのリスクを最小化

・統一した管理基準の構築による不良品の削減、社内外の監査コストの削減

以上 http://www.jma.or.jp/jより引用

(全体は2014/2/19日経等参照)

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