保育所・幼稚園・こども園のコンプライアンス・リスクマネジメント研修(不適切保育・いかのおすし等)

1.保育所・幼稚園・こども園のコンプライアンス

(1)国立や公立であれば、公務員倫理が国家公務員法や地方公務員法に定めのある内容で求められ、それがそのままコンプライアンスの内容になってくる。

(2)民間の施設であれば、こども園も含めて、職業倫理の問題になってくる。

ここでは、コーポレート・ガバナンスの求めるものを参考に、それぞれの組織でコンプライアンス規程や倫理規定を作成する必要があろう。

(3)いずれにしても「幼稚園教育要領、保育所保育指針及び認定こども園に関する国の指針」が最重要文書である。

2.保育所・幼稚園・こども園のリスクマネジメント

幼稚園・保育園での事故が2012年には年6万件もあった。

死亡事故も20件近く2013年にはあった。

不祥事もかなりある。

そこで、保育所などのリスクマネジメントは待ったなしの状況である。SHELLモデルも参考になる。

しかし、ここはISO31000等のフレームワークも参考にしたうえで、基本的なリスク管理の手法を使ってやるのがベストである。

例えば、

(1)子どもの持つリスク対策は取っているか。

視診や家庭からの報告、危険な行動への注意の喚起、遊具、園庭、プールでの遊び方の指導、等

(2)保育者の持つリスク対策はどうか。

保育者の事故の認識,危険予知能力の向上、0歳から5歳まで段階別の子どもの各人の発達段階や特徴、子どもの行動予測能力等や日案、週案、月案の指導計画に事故防止項目追加、クラス担任だけでなく全職員が子どもの事故防止等

(3)園児への対応は万全か。

睡眠時の職員の付き添いと表情の見える明るさ、手をつなぐペア組み合わせ方法、他児に攻撃的な面のある園児の行動、肘内障など起こしやすい子ども、午睡、園庭、散歩、延長保育などの状況に合った人員の配置等

(4)施設、園庭など対応はどうか。

園舎、園庭の特性の把握、発達に合った遊具の選択と遊び方の指導、園庭、プール、固定遊具などの遊び方についての確認

(5)施設、設備、遊具の持つリスク対策

園舎内外の施設、設備、遊具について常に安全点検、危険な薬品、刃物、千枚通しなどは子どもの手の届かない所に保管・管理、砂場の深さ、遊具の角、室内備品の置き方や角などについて環境整備等

3.幼児施設における不適切保育

保育士の園児暴行事件受け全国の保育現場など実態調査を検討(厚生労働省⇒2023年度からこども家庭庁

2022年12月4日に、静岡県裾野市の保育園の元保育士3人が園児への暴行の疑いで逮捕、釈放された元保育士の女性3人について、地検沼津支部は1人を略式起訴した。

国が民間に委託して作成済の「不適切な保育への対応に関する手引き」があるが、実効性はあるのか。

4.「いかのおすし」

:警視庁少年育成課と東京都教育庁指導企画課が作成した「防犯標語」

いか」=いかない(知らない人について行かない)

の」=のらない(知らない人の車に乗らない)

」=おおごえをあげる(「助けて!」と大声をあげる)

」=すぐに逃げる

」=しらせる(周囲の大人に知らせる)

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