1.総務省の調査結果が出る(令和4年1月31日)
「地方公共団体における各種ハラスメント対策の取組状況について」の総務省自治行政局公務員部公務員課女性活躍・人材活用推進室長から地方公共団体への通知文書が公表されている。
3つのハラスメント、パワーハラスメント 、セクシュアルハラスメント及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントについての取り組みであるが、近時はほとんどパワハラばかりがマスコミでも取り上げられ、中川総合法務オフィスで取り上げてきた働き方改革にも関連し、この国がもうすぐ亡びる前兆でもある少子化問題(Twitterを買収したテスラのマスクさえ言っている)についての重要な3つ目のハラスメントにはあまり関心が挙がってこない。
憂うべき状況である。
そこで、今回はそれを取り上げる。
2.データ(令和3年6月1日基準日、全地方公共団体対象)
1~4までのデータを見る限り、指定都市を除く市町村では、措置義務等がかなり低い状況にあるのが分かる。
1.措置義務の確認
①妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの内容、そうしたハラスメントの発生原因、ハラスメントがあってはならない旨の方針、制度等の
利用ができることを明確化し、管理・監督者を含む職員に周知・啓発している。
②妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに係る言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を規則等の文書に規定し、
管理・監督者を含む職員に周知・啓発している。
③相談窓口をあらかじめ定めている。
さすがに相談窓口は設置している団体が多いが、13%ほどがそれもない。
④相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにし、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが現実に生じている場合だけで
なく、発生のおそれがある場合や、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応している。
⑤事実関係を迅速かつ正確に確認している。
これは調査の点であるが、従来から公益通報者保護法の運用でも消費者庁のガイドラインが地方公共団体の調査が弱い点を指摘してきているのがここでも現れたと言えよう。
⑥事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行っている。
コンプライアンス内部通報において事実がなかった場合の通知についてはこれを某コンプライアンスが売りの弁護士がしなくていいと言っていたのには驚いた。
⑦事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行っている。
⑧再発防止に向けた措置を講じている。
⑨業務体制の整備など、事業主や妊娠等した職員その他の職員の実情に応じ、必要な措置を講じている。
⑩相談者行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知している。
⑪相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、職員に周知・啓発している。
2、3、4は省略する。
3.妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの基本確認
地方公共団体においては、
①男女雇用機会均等法
及び
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)
②事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針
及び
子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置等に関する指針 (妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント対策指針)
以上が基本である。再度熟考されたし。
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