公共部門の災害リスクマネジメント研修は、様々な災害への対策を住民の命を守ることを第一の基本において全職員参加型が効果的

1.公共部門の災害リスクマネジメント研修

(1)東日本大震災(2011/3/11)等の甚大な被害

東日本大震災(平成23年3月11日:2011/3/11)が発生し多くの方の命が奪われ、さらにその地震と津波で東京電力の福島第一原発から漏れた放射性物質による広範な住民の被害は公共部門のリスクマネジメントを根本的に問い直している。

それ以前にも阪神・淡路大震災が起きた平成7年(1995年)は、危機管理元年といわれ、自治体や住民の危機管理意識は高まったにもかかわらず地方公共団体で危機管理対策の専門部署や担当者を決めてリスク対策に動き始めた段階で、まったく歩みはのろいと言わざるを得ない。

熊本県や熊本県内地方公共団体やその周辺自治体では、熊本城の悲惨な姿に涙した熊本地震(2016/04)に対して準備をしていたといえるであろうか。

(2)リスクマネジメントの手法を導入すべき時はもう過ぎている?

しかも、今日では住民の危機意識が、自然災害対策のみならず本来、国の責務と思われるテロ、またこれまで家庭内の問題とされてきた児童虐待・ドメスティックバイオレンスなど、あらゆるリスクにまで及んでいる今、抜本的なリスクマネジメントの手法を導入すべき時期は過ぎているのだ。

2.リスクマネジメントの理論と自治体の現状に当て嵌めてすぐ取り掛かるべき

(1)置かれている状況とそのリスクの特定から

そこで、国や地方公共団体は今一度虚心坦懐になって国民本位の政治、住民本位の行政の基本に立ち返っていただきたい。

そのためには、リスクを想定し、限られた予算のなかで優先順位を決めておこなうリスクアセスメントの手法をぜひとも公共部門のマネジメントに取り入れるべきであろう。

(2)優先順位が高いリスク

とりわけ、異常気象が原因と思われる局地的豪雨や、高い確率で発生が予測される大規模地震、また個人情報の漏えいや集団テロの発生へのリスク管理は待ったなしだ。

全国での発生報告が出てくるようになった竜巻や頻発する台風による風水害、落雷などの自然災害から、BSE・鳥インフルエンザなどの感染症、職員の不祥事、人為的なミスによるプール事故等の地方公共団体で発生するリスクは枚挙にいとまがない。

これらのリスクに対する自治体の対応の遅れや不備は、住民の不安や不信感をあおり、さらに風評被害を招き行政不信を加速させる結果になる。

公共部門は自らを取り巻くリスクが変化し拡大続けているなかで、リスクを洗い出し、その対応策を考え、実践することが求められている。

3.リスクマネジメント研修のカリキュラム

(1)災害型

自然災害等を対象にする。

(2)不祥事型

職員の勤務内外の不祥事等を対象にする。

※見積り時に詳しいカリキュラムをお送りしています。

■「平成28年熊本地震」については、詳しくはこのサイトの別稿参照。

4.「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではいけませんよ。

 このような観点から、台風は勿論の事、自然災害の多い福岡市、熊本県や大分県等の九州地方を中心に必死になって「災害リスクマネジメント」の研修講師をやってきた。

 しかしながら、今は「DX」等のデジタル系に押されて、だんだん地元京都も含めて、災害リスクマネジメントの依頼は減ってきている。

 別に私でなくても構わないからやってほしい。

 漱石の弟子の寺田寅彦が言った、

天災は忘れた頃にやってくる」、

 この警句は今も生きている。

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