心理的安全性が職場・チームにもたらす効果

1.チーミングと心理的安全性

 エイミー・C・エドモンドソン Amy C. Edmondson ハーバード・ビジネススクール教授の著書には、非常に有名になった「恐れのない組織」のほかに、「チーミング」の著書があり、邦題は「チームが機能するとはどういうことかー TEAMING」となっている。下記に、一部引用する。

そこにあるように、全部で8章建てになっているうちの一つに「心理的安全性」もある。医療関係のチームについての記述やチリ炭鉱事件の記述など豊富な事例が上がっている。

第1部 チーミング
 第1章 新しい働き方
 第2章 学習とイノベーションと競争のためのチーミング
第2部 学習するための組織づくり
 第3章 フレーミングの力
 第4章 心理的に安全な場をつくる
 第5章 上手に失敗して、早く成功する
 第6章 境界を超えたチーミング
第3部 戦略実行しながら学習する
 第7章 チーミングと学習を仕事に活かす
 第8章 成功をもたらすリーダーシップ

特に、アポロ計画のコロンビア号の大気圏突入爆発事件は、まさに心理的安全性も含めた組織のヒエラルキーやリーダーシップの問題を浮き彫りにしているであろう。

 心理的安全性のキーワードはやはり、「信頼」、「尊重」及び「寛容」であり、この3つをリーダーはチームメンバーに与えなければならない。

2.心理的安全性が職場やチームにもたらす効果(メリット)とされているもの

(1)率直に話していいのだ

 ほかの人から攻撃を受けることもないし「アホかいな」と言われる心配もない。「寛容さ」が職場にはあるから。

(2)明快な話ができるようになる

 不安感が非常に弱まるので、話の筋を間違えることがなくなる

(3)意見の対立があって、よりよい解決策や方向性が出てくる

 自分の意見を言うことにためらいもなくなり、その分他の人の意見を聞くことも寛容になる

(4)失敗の報告に躊躇いがなくなる

 自分の失敗については、学習する組織であるとの認識がたかまれば、失敗したことを隠さなくてもよくなる

(5)イノベーション促進

 思い付きでも発言していいとなれば、アイデアが出やすくなる

(6)目標達成と保身の二者択一に悩まなくなる

 いろいろの意見を言っても、評価が悪くなるのではないか等の心配をする必要がなくなる

(7)対人リスクを取る(責任を取る)人を支援する

 リスクテイクを冒す人を皆が支援する雰囲気になればより率直な意見が出やすくなる

 以上のような、良い結果を心理的安全性が高い職場やチームでは出てくるであろう。

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