第52条は職員団体の定義規定であり、第53条はその登録制度を定める。両条は一体として、地方公務員の団結権をどの範囲でどのように制度化するかを規律しており、切り離して読むと理解を誤りやすい。本稿では二か条をまとめて扱う。以下の記述は令和8年(2026年)4月1日現在の現行法による。


1 条文原文

第52条(職員団体)

(職員団体) 第五十二条 この法律において「職員団体」とは、職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいう。

2 前項の「職員」とは、第五項に規定する職員以外の職員をいう。

3 職員は、職員団体を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。ただし、重要な行政上の決定を行う職員、重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員、職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員、職員の任免、分限、懲戒若しくは服務、職員の給与その他の勤務条件又は職員団体との関係についての当局の計画及び方針に関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが職員団体の構成員としての誠意と責任とに直接に抵触すると認められる監督的地位にある職員その他職員団体との関係において当局の立場に立つて遂行すべき職務を担当する職員(以下「管理職員等」という。)と管理職員等以外の職員とは、同一の職員団体を組織することができず、管理職員等と管理職員等以外の職員とが組織する団体は、この法律にいう「職員団体」ではない。

4 前項ただし書に規定する管理職員等の範囲は、人事委員会規則又は公平委員会規則で定める。

5 警察職員及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない。

第53条(職員団体の登録)

(職員団体の登録) 第五十三条 職員団体は、条例で定めるところにより、理事その他の役員の氏名及び条例で定める事項を記載した申請書に規約を添えて人事委員会又は公平委員会に登録を申請することができる。

2 前項に規定する職員団体の規約には、少くとも左に掲げる事項を記載するものとする。 一 名称 二 目的及び業務 三 主たる事務所の所在地 四 構成員の範囲及びその資格の得喪に関する規定 五 理事その他の役員に関する規定 六 第三項に規定する事項を含む業務執行、会議及び投票に関する規定 七 経費及び会計に関する規定 八 他の職員団体との連合に関する規定 九 規約の変更に関する規定 十 解散に関する規定

3 職員団体が登録される資格を有し、及び引き続き登録されているためには、規約の作成又は変更、役員の選挙その他これらに準ずる重要な行為が、すべての構成員が平等に参加する機会を有する直接且つ秘密の投票による全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によつて決定される旨の手続を定め、且つ、現実に、その手続によりこれらの重要な行為が決定されることを必要とする。但し、連合体である職員団体にあつては、すべての構成員が平等に参加する機会を有する構成団体ごとの直接且つ秘密の投票による投票者の過半数で代議員を選挙し、すべての代議員が平等に参加する機会を有する直接且つ秘密の投票によるその全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によつて決定される旨の手続を定め、且つ、現実に、その手続により決定されることをもつて足りるものとする。

4 前項に定めるもののほか、職員団体が登録される資格を有し、及び引き続き登録されているためには、当該職員団体が同一の地方公共団体に属する前条第五項に規定する職員以外の職員のみをもつて組織されていることを必要とする。ただし、同項に規定する職員以外の職員であつた者でその意に反して免職され、若しくは懲戒処分としての免職の処分を受け、当該処分を受けた日の翌日から起算して一年以内のもの又はその期間内に当該処分について法律の定めるところにより審査請求をし、若しくは訴えを提起し、これに対する裁決若しくは裁判が確定するに至らないものを構成員にとどめていること、及び当該職員団体の役員である者を構成員としていることを妨げない。

5 人事委員会又は公平委員会は、登録を申請した職員団体が前三項の規定に適合するものであるときは、条例で定めるところにより、規約及び第一項に規定する申請書の記載事項を登録し、当該職員団体にその旨を通知しなければならない。この場合において、職員でない者の役員就任を認めている職員団体を、そのゆえをもつて登録の要件に適合しないものと解してはならない。

6 登録を受けた職員団体が職員団体でなくなつたとき、登録を受けた職員団体について第二項から第四項までの規定に適合しない事実があつたとき、又は登録を受けた職員団体が第九項の規定による届出をしなかつたときは、人事委員会又は公平委員会は、条例で定めるところにより、六十日を超えない範囲内で当該職員団体の登録の効力を停止し、又は当該職員団体の登録を取り消すことができる。

7 前項の規定による登録の取消しに係る聴聞の期日における審理は、当該職員団体から請求があつたときは、公開により行わなければならない。

8 第六項の規定による登録の取消しは、当該処分の取消しの訴えを提起することができる期間内及び当該処分の取消しの訴えの提起があつたときは当該訴訟が裁判所に係属する間は、その効力を生じない。

9 登録を受けた職員団体は、その規約又は第一項に規定する申請書の記載事項に変更があつたときは、条例で定めるところにより、人事委員会又は公平委員会にその旨を届け出なければならない。この場合においては、第五項の規定を準用する。

10 登録を受けた職員団体は、解散したときは、条例で定めるところにより、人事委員会又は公平委員会にその旨を届け出なければならない。


2 趣旨・立法背景

2-1 なぜ「労働組合」ではなく「職員団体」なのか

憲法第28条は勤労者に団結権、団体交渉権、団体行動権を保障する。地方公務員も勤労者であるから、この保障は及ぶ。もっとも地方公務員法第58条第1項は、一般職の地方公務員について労働組合法および労働関係調整法の適用を除外している。労働組合法が適用されないため、一般行政職員や教育職員が組織する団体は労働組合法上の「労働組合」たり得ず、地方公務員法が独自に用意した「職員団体」という器に収まることになる。第52条第1項が「この法律において」と限定を付しているのは、この法律独自の概念であることを示すためである。

労働組合法の適用がある団体との違いは、第55条以下の交渉ルールに現れる。職員団体は当局と交渉できるが、団体協約を締結する権利を持たない(第55条第2項)。書面協定を結ぶにとどまる(同条第9項)。

なお、地方公営企業の職員(企業職員)と単純労務職員は地方公営企業等の労働関係に関する法律の適用を受け、労働組合法上の労働組合を組織できる。単純労務職員については、職員団体の構成員となる道も併存する。この二重性が後述する「混合組合」の問題を生む。

2-2 第52条各項の趣旨

第1項は目的要件を定める。「勤務条件の維持改善を図ることを目的として」組織されたことが職員団体の中核であり、親睦のみを目的とする団体や、政治活動のみを目的とする団体はこれに当たらない。「又はその連合体」とあるとおり、単位団体だけでなく連合体も職員団体となる。

第2項は、第1項の「職員」から第5項の警察職員および消防職員を除く旨を定める、定義の絞り込み規定である。

第3項本文は、結成するかしないか、加入するかしないかを職員の自由に委ねる。組織強制を法律上排除する趣旨であり、地方公務員についてユニオン・ショップ協定やクローズド・ショップ協定を有効に締結する余地はない。

第3項ただし書は「管理職員等」と一般職員の混在を禁じる。使用者の利益を代表する立場の者が同一団体に属すると、団体の自主性が損なわれ、当局が団体を支配する契機となる。労働組合法第2条ただし書第1号が同趣旨の規定を置いており、発想は共通する。ただし労働組合法が「自主性を欠く団体は労働組合でない」と定めるのに対し、地方公務員法は「混在する団体はそもそも職員団体ではない」と明言する点で、効果が明確である。

第4項は、その範囲を人事委員会規則または公平委員会規則に委ねる。組織機構は団体ごとに異なるため、法律で一律に列挙することが困難であり、中立機関である人事委員会・公平委員会の判断に委ねるのが適切とされた。

第5項は警察職員と消防職員の団結を禁止する。日本の消防は長く警察の一部門とされてきた沿革があり、昭和21年3月1日施行の旧労働組合法において消防職員は警察職員および監獄職員とともに団結を禁じられた。政府は、結社の自由及び団結権の保護に関する条約(ILO第87号条約)第9条第1項が「軍隊及び警察に適用する範囲は、国内法令で定める」としていることを前提に、消防はここでいう警察に含まれるとの立場を取って昭和40年に同条約を批准した。

2-3 昭和40年のILO第87号条約批准と制度の骨格

現行の第52条・第53条の骨格は、昭和40年のILO第87号条約批准に伴う地方公務員法改正で形づくられた。批准過程では、職員でない者を組合役員に就けないとする従前の扱いが条約に反すると批判され、第53条第5項後段の「職員でない者の役員就任を認めている職員団体を、そのゆえをもつて登録の要件に適合しないものと解してはならない」という規定が置かれた。管理職員等の分離、在籍専従制度の整備も同じ時期の産物である。

消防職員の団結権については、昭和48年にILO条約勧告適用専門家委員会から疑問が提起されて以降、繰り返し是正の勧告が行われている。政府はこれに対し、平成7年6月の自治大臣と自治労委員長との合意に基づき消防組織法を改正し、平成8年10月に消防職員委員会制度を創設した。同委員会は消防組織法第17条を根拠に消防本部に置かれ、給与・勤務時間その他の勤務条件および厚生福利、被服および装備品、消防の用に供する設備や機械器具に関する職員の意見を審議して消防長に意見を述べる。平成17年3月には意見取りまとめ者制度の創設を含む消防庁告示の改正が行われた。平成22年12月には消防職員の団結権のあり方に関する検討会が報告書を公表している。

2-4 第53条の趣旨

登録は、職員団体が自主的かつ民主的に組織され運営されていることを、中立機関である人事委員会または公平委員会が確認して公証する制度である。許可でも認可でもなく、登録を受けなくても団体は適法に存立し、団結権も失われない。第53条第1項が「申請することができる」と定めるのは、登録が任意であることを示す。

登録がもたらす効果は次の三点に集約される。

第一に、当局は登録職員団体からの適法な交渉の申入れに応ずべき地位に立つ(第55条第1項)。当局にとっては、交渉相手を確定できるという利点がある。

第二に、任命権者の許可を受けて、職員を登録職員団体の役員として専ら従事させることができる(第55条の2第1項)。いわゆる在籍専従である。

第三に、職員団体等に対する法人格の付与に関する法律(昭和53年法律第80号)第3条第1項の規定による申出を行うことにより、法人格を取得できる。

第3項が直接かつ秘密の投票による決定手続を要求するのは民主性の担保であり、第4項が構成員を同一の地方公共団体の職員に限るのは自主性と交渉相手方の明確性の担保である。


3 用語解説

「職員団体」とは、職員が勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体またはその連合体をいう(第52条第1項)。目的が勤務条件の維持改善にあることが要件であり、法人格の有無、登録の有無は問わない。

「勤務条件」とは、給与、勤務時間、休暇、勤務環境のように、職員が勤務を提供するについての諸条件をいう。行政の企画・立案・執行、組織、定数、予算の編成といった管理運営事項はこれに含まれず、交渉の対象から外れる。

「連合体」とは、職員団体を構成員とする団体をいう。市町村職員労働組合が加盟する県単位の連合組織がこれに当たる。第53条第3項ただし書は、連合体について代議員制による決定手続を認めている。

「管理職員等」とは、第52条第3項ただし書が列挙する四類型に該当する職員をいう。すなわち、重要な行政上の決定を行う職員、重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員、職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員、任免・分限・懲戒・服務・給与その他の勤務条件または職員団体との関係についての当局の計画および方針に関する機密の事項に接し、職務上の義務と責任が構成員としての誠意と責任に直接抵触すると認められる監督的地位にある職員、その他当局の立場に立って遂行すべき職務を担当する職員である。具体的にどの職がこれに当たるかは、人事委員会規則または公平委員会規則の別表で職名を掲げる方式が一般的である。

「登録」とは、人事委員会または公平委員会が、申請のあった職員団体について第53条第2項から第4項までの要件充足を確認し、規約および申請書記載事項を登録簿に記載する行為をいう。法的性質は公証行為と解される。

「混合組合」とは、地方公務員法の適用を受ける非現業職員と、地方公営企業等の労働関係に関する法律を通じて労働組合法の適用を受ける職員とが、双方構成員となっている労働団体をいう。地方公務員法上は職員団体として、労働組合法上は労働組合として、二面的な性格を併有する。

「聴聞」とは、行政手続法第13条第1項第1号に定める不利益処分の事前手続をいう。登録の取消しは職員団体の地位に重大な影響を及ぼすため、第53条第7項は聴聞の期日における審理を、当該職員団体の請求があれば公開で行うべきものとした。

「在籍専従」とは、職員としての身分を保有したまま、登録職員団体の役員として専ら従事することをいう(第55条の2第1項)。許可を受けた者は休職者とされ、給与は支給されない。


4 判例・裁判例

第52条・第53条の解釈が正面から争われた最高裁判例は多くない。実務に影響が大きいのは、混合組合の法的地位をめぐる労働委員会命令と行政訴訟の一連の展開である。

4-1 混合組合の申立人適格を否定した初期の裁判例

大阪教育合同労働組合が大阪府地方労働委員会の却下・棄却命令を争った事案で、大阪地方裁判所平成13年5月9日判決(平成12年(行ウ)第15号)は組合の請求を棄却し、大阪高等裁判所平成14年1月22日判決(平成13年(行コ)第46号)も控訴を棄却した。当時の労働委員会は、地方公務員法第58条が非現業職員への労働組合法の適用を除外している以上、混合組合は地方公共団体との労使関係において不当労働行為の救済を求める資格を有しないという立場を取っていた。なお、この事案では、同一名称の職員団体が別途結成され、大阪府人事委員会の登録を受けていた。一つの運動体が、職員団体としての登録と労働組合としての活動を並行させていた実例である。

4-2 中央労働委員会による判断の転換

中央労働委員会は、大阪府・大阪府教育委員会(平成17年度団交)不当労働行為再審査事件(平成18年(不再)第51号)について、平成19年12月25日に命令書を交付した。命令は、混合組合であっても、労働組合法の適用を受ける職員に関する事項については、労働組合法第7条各号の別を問わず救済申立人適格を有すると判断した。理由として、これを否定すると労働組合法の適用を受ける構成員が団体交渉について救済を受けられなくなり、労働者の団結権保護および労働組合選択の自由の観点から不当な結果になる点が挙げられている。初審の大阪府労働委員会は、同法第7条第1号および第4号に関する申立人適格は認めつつ、第2号および第3号に関する申立人適格を認めていなかった。

4-3 最高裁決定による確定

大阪府(23年度任用)事件では、大阪教育合同労働組合が、府公立学校の常勤講師、非常勤講師、学力向上支援員である組合員18名の平成22年度の任用の保障、および常勤講師、非常勤講師である組合員15名の平成23年度の任用の保障を議題とする団体交渉の申入れに大阪府が応じなかったとして救済を申し立てた。

経過は次のとおりである。

  • 大阪府労働委員会平成23年7月22日命令(平成22年(不)第29号) 却下・棄却
  • 大阪府労働委員会平成24年1月11日命令(平成23年(不)第18号) 棄却
  • 中央労働委員会平成24年10月17日命令(平成23年(不再)第52号) 一部変更
  • 中央労働委員会平成24年11月28日命令(平成24年(不再)第2号) 一部変更
  • 東京地方裁判所平成25年10月21日判決(平成24年(行ウ)第876号・平成25年(行ウ)第16号) 請求棄却
  • 東京高等裁判所平成26年3月18日判決(平成25年(行コ)第395号) 控訴棄却
  • 最高裁判所平成27年3月31日決定(平成26年(行ツ)第274号・平成26年(行ヒ)第287号) 上告棄却・上告審として受理しない

中央労働委員会は、団体交渉の申入れに応じなかったことに関する文書手交を命じ、大阪府の取消請求は一審・控訴審とも退けられ、最高裁も上告を退けた。混合組合が労働組合法上の救済を受けられることは、これによって実務上決着した。

4-4 実務への含意

第52条は、当該団体が地方公務員法上の職員団体に当たるかを定めるにすぎない。職員団体であることは、同じ団体が労働組合法上の労働組合でもあることを排除しない。当局が「これは職員団体だから労働委員会は関係ない」と整理して団体交渉を拒めば、不当労働行為と評価される余地がある。単純労務職員や会計年度任用職員を含む団体を相手にする場合、この点の確認を怠らないことが求められる。


5 改正の経緯と現行法の状況

第52条・第53条は、昭和25年の制定以来、次の改正を経て現在の姿になっている。

昭和40年 ILO第87号条約の批准に伴う改正により、管理職員等と一般職員の分離(第52条第3項ただし書・第4項)、職員でない者の役員就任を登録拒否理由としない旨の明記(第53条第5項後段)が置かれた。

平成5年 行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律により、登録の取消しの事前手続が従前の「口頭審理」から行政手続法上の「聴聞」に改められた(第53条第7項)。

平成26年 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第69号)により、不服申立ての名称が審査請求に統一され、第53条第4項ただし書の文言が「審査請求をし」に改められた。施行日は平成28年4月1日である。

令和8年4月1日現在、第52条および第53条の本文に改正はない。定年引上げに関する令和3年の改正、および令和8年4月1日から適用される非常勤職員の休暇制度の見直し(令和7年12月8日付け総行公第118号通知)は、いずれも本二か条に変更を加えていない。

もっとも、周辺環境は動いている。会計年度任用職員制度の導入により、一般職の非常勤職員が職員団体の構成員となり得る場面が増えた。定年引上げに伴う役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)により、管理監督職を離れた職員が生じるため、管理職員等の範囲を定める規則との整合を点検すべき場面も生じている。


6 実務上の留意点

6-1 管理職員等の範囲を定める規則の維持管理

第52条第4項に基づく規則は、機関ごとに職名を掲げる別表方式が通例である。課の新設・統合、出先機関の再編があれば別表の改正が必要になる。改正を怠ると、規則上は管理職員等に指定されていない実質的な管理監督職が一般職員と同一の職員団体に所属し続けることになり、当該団体の職員団体該当性そのものが問われかねない。組織改正の起案と規則改正の起案を同一のスケジュールに乗せる運用が有効である。

6-2 昇任と構成員資格

管理職員等に該当する職に昇任した職員は、それまで所属していた職員団体の構成員たり得なくなる。人事異動内示の段階で、当該職員および職員団体の双方に周知しておくことが実務上の摩擦を減らす。逆に、管理職員等が構成員に残ったままの団体は、第52条第3項ただし書により職員団体ではなくなり、登録職員団体であれば第53条第6項の登録取消事由に該当し得る。

6-3 登録の効力停止と取消しの区別

第53条第6項は、効力停止と取消しの二つの手段を用意する。効力停止は60日を超えない範囲内で行う。取消しは、取消訴訟の出訴期間内および訴訟係属中は効力を生じない(同条第8項)。処分後直ちに交渉応諾義務や在籍専従の許可が失効するわけではない点を、当局側も職員団体側も取り違えやすい。

6-4 変更届出と解散届出

規約または申請書記載事項に変更があったときは届出を要し(第53条第9項)、届出がなければ効力停止または登録取消しの事由となる(同条第6項)。役員改選のたびに届出漏れが生じやすいため、職員団体側では年間スケジュールに組み込んでおくのが確実である。解散したときも届出を要する(同条第10項)。

6-5 例規の点検

登録の取消手続について「口頭審理」を前提とした規則を残している団体が見受けられる。平成5年の行政手続法整備により根拠が聴聞へ移行しているため、条例・規則の文言と現行法の整合を確認しておきたい。

6-6 構成員の範囲の確認

第53条第4項により、登録職員団体は同一の地方公共団体に属する警察職員・消防職員以外の職員のみで組織される必要がある。特別職の地方公務員(特別職非常勤職員を含む。)は構成員となれない。企業職員も構成員となれない。単純労務職員は構成員となることができる。他方、構成員となれない者であっても役員に就任することは妨げられない(同条第5項後段)。県費負担教職員が組織する団体については、構成員が市町村立学校に勤務する場合でも都道府県人事委員会の登録を受けられる取扱いとされている。

6-7 職務専念義務の免除

職員団体の活動に係る職務専念義務の免除については、総務省が制度および運用の適正化の状況を調査・公表してきた経緯がある。給与の減額免除の取扱いを含め、条例・規則上の根拠と実際の運用が乖離していないかを定期的に点検しておきたい。


7 参考資料・参考サイト


◆自治体研修850回超の行政書士が、係長・課長昇任試験の論文を1本から添削します。 https://compliance21.com/promotion-examination-lg/

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