土日勤務の地方公務員の採用(会計年度任用職員・再任用・任期付)、マイナンバーカード発行手続き等はいかが?

■マイナンバーカードについての取得促進等の業務で、土日のみに勤務する職員を採用するときの方法について

マイナンバーカードの普及が、総務省のデータでは、2022年10月1日現在で、大体51.4%となっている。宮崎県がトップで、都城市や宮崎市の県内の大規模自治体が熱心に取り組んでいることもあって、65.4%まで行っている。

このような職員採用の方法については、新しい非常勤の一般職である「会計年度任用職員」がまず挙がるが、昔からある定年退職者の方の「再任用」の短期時間時間採用も可能である。また、間口が広くなっている「任期付職員採用」もある。

 なお、「民間業者への委託や労働者派遣事業」によるものもあるが、私はおすすめできない。

 なぜかというと、マイナンバーを扱うことは個人情報の中でもプライバシー性の非常に高いものであり、私も民事業務で大阪市の区役所の市民課窓口を仕事で行って発行申請すると受託業者の方が戸籍謄本の細かいところを見たら、その気になれば覚えてしまうものもあり、もっと言うと地方公務員法34条守秘義務が刑罰付きで担保されていない方が契約では当然秘密を守ることを約束されていても所詮は刑罰がないととても弱いと思う。

そこで採用は成績主義で少なくとも選考で、また懲戒処分も刑罰もある公務員がやるということがいいと思う。

(1)会計年度任用職員

会計年度任用職員についてはつい最近の法改正で、新しく地方公務員法22条の2が設けられて、私の中川総合法務オフィスのサイトやyoutubeの動画詳しく解説させていただいている通りである。度々、地方公務員の方々に専門性が高くて役に立つと言われ、数千回の再生回数がある動画が多い。

そこにもあるように、まずはこの会計年度任用職員の採用を考えるべきであろう。正規職員の通常の勤務時間よりも短い時間なので、所謂パートタイムである。

 これが一番いい点は柔軟性であろう。1年ごとに採用するから応募者が多ければ、いい方が見つかり易い。都合悪ければ手間がかかるがまた別の方にできる。柔軟性がとても高い。応募者もやってみて性に合うのであれば1年後にまた応募するかもしれない。

 ただそのメリットは同時にデメリットでもあり、人によっては後の三年ほど身分と仕事が保証されるものに比べてちょっと身分的に不安定なので、そこがつなぎ的なところではちょっと弱い。

 また、土日にはマイナンバーカードの発行などの手続き全体に管理者として関わることはできない。なぜかというと、会計年度任用職員は非本格的業務を担当する制度設計になっているからである。正規の方と同じ仕事をするのであれば、同一労働同一賃金の下で同一の待遇が必要だからである。

 正規の方の仕事じゃなくて、あくまで担当業務が補助的になることが多いであろう。例えば、マイナンバーカードの申請一式を持っているかどうかなどのチェックは可能であるが、最終的に取得の要件を全て満たしてるかとか、発行できるかとか等は単独ではできないと思う。 

(2)再任用

地方公務員法28条の5に規定がある。

これは六十歳で定年退職した後の65歳までのつなぎという制度で、前の条文にフルタイムのものもあるが、短時間で一年を超えない範囲を定めて採用する。 

本格的な業務も勿論担当できる。地方公共団体の事務、仕事が分かっている。

ただ通常は六十歳からの採用という事になってくると、住民は若い方等いろいろな構成なので、色んな年代の方が公務員としてマイナンバーの取得で窓口にくるわけだから受付の方もちょっと幅があった方がいいんじゃないかないうところがあろうか。

これは法の規定の通りで、法解釈としては65歳まで1年毎に更新ができ、国の公務員の方と同じでできるので、更新していけば65歳まで、さらには定年の改正でが本格施行すればもっと勤務可能である。だから地方公共団体の状況で採用可能であれば個人的には1番これがいいんじゃないかなと思う。しかし少し長いスパンになると、順次できる方達が確保できるかどうか。

(3)任期付

 特例法にある通りであるが、本来は一定の期間内に終了する場合に採用するのであるが、住民サービスを向上させることができるんであれば任期付きでもいいとなっている。

 専門性がある方が見つかればマイナンバーカードの発行業務等はこれが最適であろう。マイナンバーカードを発行する仕事がよくわかっていればスムーズに流れていくであろう。5年も説得力のある立法事実があれば可能であるが、通常は3年内である。

 新潟市のように指定都市でまだ40%余りしか市民が取得していないのであれば、この方法がいいかもしれない。専門的な方、或いは能力の高い方がどんどん業務専念してマイナンバーカードの発行業務をしていく必要があるから。

 しかし大分県の姫島村のように90%を超えているとなると、前二者がいいという事になろう。

(4)中川総合法務オフィスの結論

以上、私のこの業務を担当する地方公務員の方の採用に私見を述べた。再任用ができるんであれば再任用の形が一番いいんじゃないか。

ただ、総務省のマイナンバーカードの発行状況のデータを見れば、色々だから、その現場に合わせたベストな方法を選択していくべきであろう。

主にマイナンバーカードの発行に絡めて話をしたが、災害発生時やイベント時にはこの議論を参考していただくとよりよい住民サービスが可能となろう。土日勤務等のイレギュラー対応が必要な時にも参考にされたし。

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