美波町(徳島県)建設課職員(「日和佐うみがめ博物館カレッタ」元館長)地方公務員法33条違反の不祥事発生

1.美波町職員の不祥事発生

 美波町町長(影治信良氏)が令和6年1月18日に公表した「美波町職員の不祥事に対するお詫び」によると、「令和6年1月18日、盗撮容疑で職員が逮捕されるという事案が発生いたしました。現在、警察において捜査が行われている…」とのことである。
 地元新聞の徳島新聞デジタルでも同日に「10代女性のスカート内を盗撮未遂疑い 美波町職員逮捕 阿南署」との記事が流れていたようである。
 NHKの報道も大きく、1週間後においても、詳しい内容の報道や職員の実名と年齢、ウミガメの泳いでいる様子とともに美波町役場の建物撮影の報道ビデオが次のリンクのように視聴できる。しかし28日にはNHKの記事リンク先が消えた。
 https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20240118/8020019465.html

2.法的な検討

 このような行為は、見出しのように地方公務員法に違反する事例であり、全国で800回以上のコンプライアンス、公務員倫理、リスクマネジメント等の研修講師やコンサルティングを実施してきたものには、なぜ地方公務員法が禁止しているのか、昭和20年代にさかのぼって検討をすることができる。
 もちろん、刑法学の泰斗佐伯教授、中山研一京大教授の指導を受けた私は、刑法及び特別法などでこの犯罪行為があれば何が成立するかもわかるが、まだ容疑の段階での話である。もっとも、町長が公表していることを事や報道事実をもとに論じていることを断っておく。
 この盗撮未遂行為が行われた時点では、「徳島県迷惑行為防止条例」第4条2項、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿態撮影等処罰法)」第2項・第3項で未遂であっても犯罪行為になる。前者は、既遂であれば六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金であり、後者は三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金で、もう既に2023年7月13日に施行されている。もっとも、刑法第四三条で未遂減免可能ではある。

3.行政処分

地方公務員法29条違反の事なので、4つの法定処分が事実とすればなされよう。もちろん上司も。いわゆる相場もある。

4.美波町のコンプライアンス態勢は基本が出来ていないのか

 もっとも問われるべきは、かって飲酒運転で停職処分がいたこの役場で、その後にどのような、コンプライアンス研修や公務員倫理研修がなされてきたのか、不祥事防止の規範作成はどうなっていたのか等が厳しく問われる。

 もちろん、事実関係の詳細な調査、組織の問題点、第三者委員会の設置、再発防止策、本当に効果のある研修、命を懸けて研修講師をしているか、出入り業者のD、G等に放り投げていないか、お気楽な立場から物見遊山で言いたい放題言って帰る講師ではないか、テキスト印刷を気に入らず延々数十分責める威張りたがり講師ではないか、元公務員と言うだけでやっている講師ではないか、研修テキストを読んで帰るだけ報酬貰っている上場企業の講師ではないか、法的知識もないのに個人情報を知ったかぶりで話す講師でないか、そのほかが厳しく問われる。

5.町長の第一報の問題点

 影治町長の第一報は次のサイトにある。

 https://www.town.minami.lg.jp/docs/3826693.html

 ここにはお分かりのように、重大な何かが抜けている。皆さんはお分かりだろうか。

 そうです、〇〇〇の視点がゼロなのです。

 どうなっているのか。

6.美波町議会の責任

 地方自治法では、

第九八条 【検査、監査の請求】
① 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の検査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)に関する書類及び計算書を検閲し、当該普通地方公共団体の長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会又は監査委員その他法律に基づく委員会又は委員の報告を請求して、当該事務の管理、議決の執行及び出納を検査することができる。
(昭和二五法一四三、昭和二七法三〇六本項改正)

② 議会は、監査委員に対し、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により本項の監査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)に関する監査を求め、監査の結果に関する報告を請求することができる。この場合における監査の実施については、第百九十九条第二項後段〈監査の実施に関する政令への委任〉の規定を準用する。

第一〇〇条 【調査権、出頭証言及び記録の提出請求、協議・調整の場、議員の派遣、政務活動費、刊行物の送付、図書室等】
① 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行うことができる。この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。…

とある。

美波町議会はその責務を果たすべきであろう。

もっともその時に、この執行機関・補助機関の不祥事の本質的な問題がどこにあるか分かっていることが前提である。

7.美波町はどうしたらいいのか

(1) 一番大事なことは「やっつけ仕事にするな」ということ

 今回の不祥事の真の原因がどこにあるのか。COSOレポーティング1992 Internal controlによれば、integrityが最も大切。少なくともそこまでの深堀は不可欠であろう。

(2) 総務省の最新データをもとに「個人」と「組織」の両面から今回の不祥事にアプローチすること

 不祥事のエンティティが何もない原っぱに、突然出現するわけではなかろう。両面アプローチは不可欠である。

(3) 真面目に研修をする

 丸投げでやらない。出入り業者との癒着は止めて下さい。等々

 

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