1.会計年度任用職員制度の実施と現場の混乱
最も大きな混乱は、非常勤の一般職である会計年度任用職員は、それぞれの地方公共団体との「契約」でなく「任用」であるから、民間のように実績を積んで正規職員という事はないことが分かっていないから悲劇が起こるのである。
かなりの地方公共団体で、非常勤職員への「任用処分」という事を説明や案内をしていると思うが、滑らかな実施となっているであろうか。
しかしながら、改正地方自治法、改正地方公務員法の基本的な理解がない役所の業務の全体像が見えてこず、いつまでたってもルーティンワークに終始するであろう。まして、総務省の会計年度任用職員マニュアルも第2版が出ているが、役所用語が多く民間人にはよくわからないであろう。
◆解説ビデオをyoutubeに多数アップして、7000回の再生回数ある動画も多いが、ここでは下記の中川総合法務オフィスへのご質問を踏まえてポイントを解説したアップロード動画を置く。
2.特別職でなくなる方々
次の方々は、特別職でなくなる方々で、会計年度任用職員に令和2年度からなっているはずである。
〈特別職から一般職へ移行する〉
・事務補助職員
・保育士
・勤務医
・看護師
・臨床心理士
・清掃作業員
・消費生活相談員
・地域おこし協力隊員
・集落支援員
・国際交流員(CIR)、スポーツ国際交流員(SEA)
(教育委員会関係)
・学校の講師
・給食調理員・外国語指導助手(ALT)
・医療的ケアのために置かれる看護師、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、就労支援コーディネーター及び特別支援教育支援員等の特別支援教育関係の外部人材
・部活動指導員
・図書館職員
・公民館長及び公民館職員
・スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー
(警察本部関係)
・警察安全相談員
・交番相談員
・スクールサポーター
・少年補導職員
・被害回復アドバイザー
・社会復帰アドバイザー
・生活相談員
3.パートタイム会計年度任用職員の位置づけが最も難しい
大多数を占めるパートタイム会計年度任用職員は、給与でなくて報酬、通勤手当でなくて費用弁償、残業手当でなくて報酬、期末手当はもらっても退職手当は出ない、服務規定の適用が副業で外れるなどの特異な身分を持つ「公務員」になる。
よっぽど現場を適正に運営しないと混乱必至であろう。
なお、会計年度任用職員の調査結果が総務省から、令和4年度末に出た。別稿参照。また、勤勉手当も支給予定である。