〜他の専門家で受任に至らなかったご相談を、行政書士が提出手続代理で解決〜
はじめに
「住民票が職権で消除されていて、新しい住民票が作れない」 「何人かの専門家に相談したが、引き受けてもらえなかった」
住民票の職権消除からの回復は、定型の手続きがなく、自治体の窓口判断に左右される部分が大きいため、専門家の間でも敬遠されがちな業務です。
当オフィスでは、相続業務で培った戸籍・附票・除票の読み解きと疎明資料の組み立てのノウハウを活かし、このような身分関係の行政手続きにも対応しています。今回は、実際にお受けした事例をご紹介します(ご依頼者が特定されないよう、内容は一部変更・省略しています)。
ご相談の経緯
ご依頼者は、以前の住所地で住民票を職権消除されており、現在お住まいの場所で住民登録ができない状態でした。
住民票がないと、次のような場面で困ることになります。
- 国民健康保険などへの加入
- 運転免許証やマイナンバーカードの住所変更・更新
- 銀行口座の開設や各種契約
- 選挙権の行使
- 相続手続き(相続人としての住所証明)
ご依頼者は、当オフィスにたどり着く前に、弁護士・行政書士の先生お二人にご相談されていましたが、受任には至らなかったとのことです。インターネットで探して、当オフィスにご連絡をいただきました。
職権消除とは
市区町村長は、住民票に記載された住所に住んでいないことが調査で確認された場合、住民票を職権で消除することができます(住民基本台帳法第8条・第34条、同法施行令第12条)。
主なきっかけは、次のようなものです。
- 転出届・転入届を出さないまま引っ越した
- 役所からの郵便物が「宛所不明」で戻ってきた
- 居住実態について調査が行われた
消除されたことは戸籍の附票に記載されるため、まず附票を確認することが出発点になります。
回復手続きが難しい理由
| 難しさ | 内容 |
|---|---|
| 定型の手順がない | 消除の手順は各自治体の要綱で定められていますが、回復側の手順が明文化されていることはほとんどありません。 |
| 経過年数で必要書類が変わる | 消除からの年数によって、旧住所地で取得できる証明書の種類が変わります。除票の保存期間は令和元年6月の改正で150年に延長されましたが、それ以前に保存期間が過ぎたものは発行されません。 |
| 複数の自治体にまたがる | 旧住所地・本籍地・新住所地の3か所と調整が必要になることがあります。 |
| 窓口が慎重になる | 住民記録の正確性に関わるため、担当者は慎重に判断し、上司の決裁を必要とすることが多いです。 |
当オフィスの対応
1. 戸籍・附票・除票による経緯の確認
本籍地で戸籍謄本と戸籍の附票を取得し、住所の異動と消除の経緯を時系列で整理しました。これは相続業務で日常的に行っている「戸籍の読み解き」とまったく同じ作業です。
2. 疎明資料の組み立て
ご依頼者が現在そこに住んでいること、そして本人であることを、窓口の担当者が納得できる形で示すため、疎明資料を揃えて論理的に構成しました。
3. 窓口での提出手続代理
行政書士として、官公署に提出する書類の作成と提出手続の代理を行いました。
窓口の担当者はたいへん慎重で、上司との協議が何度も行われました。最終的には当方の疎明が受け入れられ、お昼前にすべての疎明資料を提出し、同日夕方5時に新しい住民票が作成されました。
なぜ相続業務の知識が役立つのか
住民票の回復と相続手続きは、一見別々の分野に見えますが、使う道具はほとんど同じです。
- 戸籍の附票・除票の取得と読解:相続人の住所をたどる作業と同じです。
- 「所在」を資料で証明する技術:相続人の中に所在不明の方がいる場合、職権消除された住民票が、不在者財産管理人の申立てで「不在の事実を証する資料」として使われることがあります。
- 複数の自治体への請求と調整:相続では、本籍地を転々とした方の戸籍を集めることがよくあります。
当オフィスが今回の業務に最初から見通しを持って臨めたのは、この共通点があったからです。
このようなお悩みはご相談ください
- 住民票が職権消除されていて、新しい住所で登録できない
- 何年も前に住所を離れ、自分の住民票がどうなっているか分からない
- 相続人の中に、住民票が消除されている方・所在不明の方がいる
- 役所の窓口で説明しても、手続きが進まない
- 他の専門家に相談したが、引き受けてもらえなかった
事情は一人ひとり違います。まずは状況を伺い、手続きの見通しをお伝えします。
報酬について
事案の内容(消除からの経過年数、関係する自治体の数、必要な疎明資料の量など)によって異なります。ご相談の際にお見積りをお示しします。
お問い合わせ
中川総合法務オフィス(行政書士 中川恒信)
- 所在地:〒617-0812 京都府長岡京市長法寺川原谷13-6
- 電話:075-955-0307
- 受付時間:9:00〜18:00(日曜・祝日休み)
相続に関するご相談は「相続おもいやり相談室」でもお受けしています。
参考となる法令
- 住民基本台帳法 第8条(住民票の記載等)、第34条(調査)
- 住民基本台帳法施行令 第12条(職権による住民票の記載等)
- 行政書士法(官公署に提出する書類の作成及び提出手続の代理)

