不利益処分に関する説明書の交付と審査請求
分限処分と懲戒処分の実体面を定めるのが第27条から第29条の2までであるとすれば、第49条から第51条の2までは、処分を受けた職員の救済手続を定める部分である。本稿では、その入口に当たる3か条を扱う。第49条が処分説明書の交付、第49条の2が審査請求の排他性、第49条の3が審査請求期間を規定する。
1 条文原文
(不利益処分に関する説明書の交付)
第四十九条 任命権者は、職員に対し、懲戒その他その意に反すると認める不利益な処分を行う場合においては、その際、当該職員に対し、処分の事由を記載した説明書を交付しなければならない。ただし、他の職への降任等に該当する降任をする場合又は他の職への降任等に伴い降給をする場合は、この限りでない。
2 職員は、その意に反して不利益な処分を受けたと思うときは、任命権者に対し処分の事由を記載した説明書の交付を請求することができる。
3 前項の規定による請求を受けた任命権者は、その日から十五日以内に、同項の説明書を交付しなければならない。
4 第一項又は第二項の説明書には、当該処分につき、人事委員会又は公平委員会に対して審査請求をすることができる旨及び審査請求をすることができる期間を記載しなければならない。
(審査請求)
第四十九条の二 前条第一項に規定する処分を受けた職員は、人事委員会又は公平委員会に対してのみ審査請求をすることができる。
2 前条第一項に規定する処分を除くほか、職員に対する処分については、審査請求をすることができない。職員がした申請に対する不作為についても、同様とする。
3 第一項に規定する審査請求については、行政不服審査法第二章の規定を適用しない。
(審査請求期間)
第四十九条の三 前条第一項に規定する審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して三月以内にしなければならず、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。
2 趣旨・立法背景
2-1 処分説明書は何のためにあるか
地方公務員は、労働基本権が大きく制約されている。争議行為は禁止され(第37条)、団体協約を締結する権利もない。その代償として、勤務条件に関する措置要求(第46条)と、不利益処分に対する審査請求(第49条の2)という二つの行政上の救済手続が用意されている。第49条は、後者の実効性を確保するための手続規定である。
処分説明書の機能は二つある。第一に、任命権者に対して処分理由を文書で明示させることにより、判断の慎重さと合理性を担保し、恣意的な処分を抑制する。第二に、処分を受けた職員に処分の根拠を知らせ、審査請求という不服申立ての便宜を与える。この二つの趣旨は、富山地判令和2年5月27日(労働判例ジャーナル104号42頁、氷見市・氷見市消防長事件)が正面から述べているとおりである。
2-2 「その際」交付するという時点の指定
第1項は、処分を行う場合においては「その際」交付しなければならないと定める。事後に理由を追加して補うことを予定していない書き方であり、任命権者は処分の決定と同時に処分事由を確定し、文書化しておく必要がある。人事異動通知書と処分説明書を同時に手交する運用が一般的なのは、この文言に対応するものである。
2-3 職員側からの交付請求(第2項・第3項)
第1項は、任命権者が「その意に反すると認める不利益な処分」を行う場合の義務である。任命権者が不利益処分に当たらないと判断した措置については、当然には説明書が交付されない。そこで第2項が、職員の側から交付を請求する道を開き、第3項が15日という期限を設けた。任命権者と職員の認識が食い違う場面で、職員が争うための足場を確保する仕組みである。
もっとも、請求があれば常に交付義務が生ずるわけではない。総務省は、管理監督職勤務上限年齢制による降任について、職員が第2項に基づき交付を請求した場合であっても、当該降任が法令の規定に則って適正に行われていることが明らかな場合には、任命権者に交付義務は生じないとの解釈を示している(「定年引上げの実施に向けた質疑応答」問8-8)。
2-4 教示(第4項)
第4項は、説明書に審査請求ができる旨と審査請求期間を記載することを義務づける。行政不服審査法第82条の教示義務に対応する規定であり、審査請求期間を徒過させないための配慮である。実務では、説明書の末尾に「この処分に不服があるときは、この処分があつたことを知つた日の翌日から起算して3月以内に、○○市公平委員会に対して審査請求をすることができる」といった定型文を置く。
2-5 第49条の2の排他性
第49条の2第1項の「のみ」という文言は、審査機関を人事委員会と公平委員会に限定する趣旨である。任命権者の上級行政庁に対する審査請求も、地方公共団体の長に対する審査請求も認められない。人事行政の専門機関に判断を集中させ、行政内部での統一的な処理を図る設計である。
同条第2項は、第49条第1項に規定する処分以外の処分と、職員がした申請に対する不作為について、審査請求を封じている。勤務条件に関する不満は第46条の措置要求へ、給与その他の給付に関する争いは民事訴訟へと、救済ルートを振り分ける趣旨と解される。
第3項が行政不服審査法第二章(審査請求)の適用を排除しているため、審理員による審理も行政不服審査会への諮問も行われない。代わりに、第50条と第51条を受けた人事委員会規則・公平委員会規則が審理手続を定める。秋田県では人事委員会規則10-1(不利益処分についての審査請求)が、横浜市では「不利益処分についての審査請求に関する規則」がこれに当たる。
2-6 第49条の3の期間
主観的期間3月、客観的期間1年という組み合わせは、行政不服審査法第18条第1項・第2項と同じ構造である。処分の効力を早期に安定させる要請と、職員の救済の必要性とを調整したものである。
3 用語解説
任命権者
第6条第1項により、職員の任命、人事評価、休職、免職、懲戒を行う権限を有する者。地方公共団体の長のほか、議会の議長、選挙管理委員会、教育委員会、代表監査委員、消防長がそれぞれ所管の職員について任命権者となる。処分説明書を交付する主体はこの任命権者であり、地方公共団体そのものではない。
不利益処分
第49条第1項にいう「懲戒その他その意に反すると認める不利益な処分」である。懲戒処分(免職、停職、減給、戒告)と分限処分(免職、休職、降任、降給)が典型である。これに対し、次のものは該当しないとされる。
- 内示のように、決裁の段階にとどまり外部に表示されていないもの
- あっせん、勧告、訓告、厳重注意のように、法律上の権利義務関係に直接の変動をもたらさないもの
- 失職、任期満了による退職、欠勤に対する給与減額のように、要件充足により法律上当然に効果が生ずるにすぎないもの
- 実質的な降任に当たらない水平異動としての配置換、転任
兵庫県人事委員会と人事院がいずれも同旨の整理を公表しており、地方と国とで判断枠組みは共通している。
処分説明書
第49条第1項・第2項の説明書の実務上の呼称である。多くの団体の規則が、審査請求書に処分説明書の写しを添付することを求めている(秋田県人事委員会規則、草津市公平委員会規則など)。
他の職への降任等
第28条の2第1項本文による、管理監督職勤務上限年齢に達した職員を管理監督職以外の職に降任し、または転任させる措置をいう。同条第4項が定義を置き、第49条第1項ただし書で用いる旨を明示している。いわゆる役職定年である。
人事委員会・公平委員会
第7条に基づく人事機関。都道府県と指定都市は人事委員会の設置が義務づけられ、人口15万人以上の市と特別区は人事委員会または公平委員会、それ以外は公平委員会を置く。審査請求の審査機関はこのいずれかである。
審査請求前置主義
第51条の2により、第49条第1項の処分の取消しの訴えは、人事委員会または公平委員会の裁決を経た後でなければ提起できない。行政事件訴訟法第8条第1項ただし書にいう「法律に……定めがあるとき」に当たる。処分の当否を人事行政の専門機関に一度判断させ、自主的な是正の機会を与える趣旨である。
4 第49条第1項ただし書 ― 役職定年による降任の除外
4-1 ただし書が加わった経緯
第49条第1項ただし書は、令和3年法律第63号(地方公務員法の一部を改正する法律、令和5年4月1日施行)により追加された。同法は定年を段階的に65歳へ引き上げるとともに、組織の新陳代謝を確保するため管理監督職勤務上限年齢制を導入した。令和8年度の定年年齢は62歳であり、引上げは令和13年度に完成する。
役職定年による降任は、当該職員の能力や適格性の不足を理由とするものではなく、年齢を要件として一律に行われる。処分の慎重性を担保し不服申立ての便宜を与えるという第49条の趣旨が妥当しないため、交付義務の対象から外された。降給を伴う転任についても同様である。
4-2 審査請求の可否
総務省の質疑応答(問8-8)は、次のように整理している。役職定年による降任は原則として不利益処分審査請求の対象とならない。職員が不利益処分を受けたと考えて審査請求書を提出すること自体は制度上可能であるが、当該降任が法令に則って適正に行われていることが明白な場合など、不利益処分に該当しないことが明らかであるときは受理されず、却下される。
秋田県人事委員会も、第28条の2に基づく降任は原則として不利益処分に該当しない旨を公表している。
4-3 注意すべき境界
ただし書が除外するのは、あくまで「他の職への降任等」に該当する降任と、これに伴う降給である。同じ60歳前後の職員に対する措置であっても、勤務実績不良や適格性の欠如を理由とする分限降任は第28条第1項によるものであり、ただし書の適用はない。処分説明書の交付が必要である。実務では、どちらの根拠によるのかを起案の段階で明確にしておかなければならない。
5 適用が除外される職員
5-1 条件付採用期間中の職員・臨時的任用職員
第29条の2第1項は、条件付採用期間中の職員と臨時的に任用された職員、およびこれらに対する処分について、第27条第2項、第28条第1項から第3項まで、第49条第1項・第2項、ならびに行政不服審査法の規定を適用しないと定める。処分説明書の交付を受けられず、審査請求もできない。争う場合は直ちに裁判所に救済を求めることになる。
会計年度任用職員の条件付採用期間は1月である(第22条の2第7項)。この期間を経過した後は、一般の職員と同様に第49条以下の適用がある。臨時的任用職員と混同しやすい部分であり、担当者は任用根拠を確認しておく必要がある。
5-2 企業職員・単純労務職員
地方公営企業法第39条第1項は、企業職員について地方公務員法第46条から第49条までを適用しないと定める。処分説明書の交付義務は及ばない。同法附則により単純労務職員にも準用される。これらの職員の身分取扱いは労働関係法令によることとされ、救済は労働委員会と裁判所が担う。
6 判例・裁判例
6-1 処分事由の記載はどこまで具体的であるべきか
富山地判令和2年5月27日(労働判例ジャーナル104号42頁、氷見市・氷見市消防長事件)
消防職員に対する停職2か月と停職6か月の懲戒処分が争われた事案である。第1処分の説明書には「部下に対する暴行、暴言」「勤務中の飲酒行為」といった記載があるものの、相手方、日時、場所の特定を欠いていた。第2処分の説明書も、発言とメールの相手方の氏名を記載していなかった。
裁判所は、第49条第1項の趣旨を、処分権者の判断の慎重と合理性を担保して恣意を抑制すること、および処分事由を職員に知らせて不服申立ての便宜を与えることにあるとした上で、記載すべき処分事由は、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して不利益処分がされたかを、被処分者が記載自体から了知し得るものでなければならないと判示した。理由付記に関する最判昭和38年5月31日(民集17巻4号617頁)と最判昭和60年1月22日(民集39巻1号1頁)を参照している。
結論としては、事前の事情聴取で具体的な事実が示されていたこと、第2処分については日時と発言内容が特定されていたことを踏まえ、いずれの説明書も第49条第1項の要求を満たすとして理由不備の違法を否定した。
実務上の含意は明白である。了知可能性を基準とする以上、聴取記録が残っていない事案では説明書の記載不足がそのまま違法評価に直結しかねない。日時、場所、相手方、行為態様、適用条項を記載しておくのが安全である。
6-2 転任処分は不利益処分か
最判昭和61年10月23日(裁判集民事149号59頁)
地方公務員法は転任処分それ自体をもって当然に職員に不利益を課する処分とみていないとした。したがって、転任の取消しを求めるには、当該処分によって具体的な不利益が生じたことを要する。
この判断枠組みを適用した下級審の事案では、技術吏員(管理栄養士)から事務吏員(総務課主査)への異動について、適用される給料表が変わることによる相当額の減収と、従前の職務で支給を期待し得た手当が支給されなくなることを認定し、転任に伴って通常生ずべき不利益を超える不利益が生じたとして訴えの利益を肯定している。
人事担当者が職種を跨ぐ異動を行う際は、給料表の適用替えと手当の消長を事前に確認し、実質的な降任と評価される余地がある場合には処分説明書の交付を検討すべきである。
6-3 審査の対象となる裁量統制の枠組み
審査請求と取消訴訟で実際に争われるのは、処分の選択が裁量権の範囲内かどうかである。
最判昭和52年12月20日(民集31巻7号1101頁、神戸税関事件)は、懲戒処分について、懲戒事由に該当する行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響のほか、当該公務員の行為前後の態度、処分歴を含む諸般の事情を考慮する懲戒権者の裁量に委ねられているとし、裁判所は懲戒権者と同一の立場に立って処分の軽重を論ずるのではなく、社会観念上著しく妥当を欠き裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法と判断すべきであるとした。
最判昭和48年9月14日(民集27巻8号925頁)は、分限処分について任命権者に一定の裁量を認めつつ、免職の場合は公務員としての地位を失う重大な結果を伴うことから、判断は特に厳密かつ慎重であることが要求されるとした。
なお、人事委員会・公平委員会の審査は、処分が違法である場合だけでなく不当である場合にも及ぶ点で、裁判所の審査より範囲が広い。第50条第3項により、処分を承認し、修正し、または取り消すことができる。
6-4 最近の動向
最高裁判所第三小法廷は、令和7年9月2日、地方公共団体の職員に対する懲戒処分に関する2件の判決を言い渡した(令和6年(行ヒ)第214号懲戒処分取消請求事件、令和6年(行ヒ)第241号懲戒免職処分取消等・懲戒処分取消請求事件)。いずれも原審の判断を破棄したものである。前者は、消防隊の分隊長であった職員が部下に対する言動を理由として受けた停職6か月の懲戒処分について、福岡高等裁判所が取り消した判断を覆し、処分を適法とした。
ハラスメントを理由とする懲戒処分をめぐって、裁量権の逸脱濫用の有無が繰り返し争点となっている。処分の実体的な相当性を支える資料と、それを反映した処分説明書の記載は、審査請求と訴訟の双方で第一次の検討対象になる。
7 改正の内容と変化
7-1 平成26年法律第69号による改正(平成28年4月1日施行)
行政不服審査法の全部改正(平成26年法律第68号)に伴う整備法により、不服申立ての手続が審査請求に一元化された。改正前の第49条の2は「審査請求又は異議申立て」を認めていたが、異議申立ては廃止された。第49条の3の期間も、改正前の「60日以内」から「3月以内」に延長され、客観的期間1年が明記された。第49条第4項の教示事項も、この改正を受けた文言になっている。
7-2 令和3年法律第63号による改正(令和5年4月1日施行)
定年引上げに伴い、第49条第1項にただし書が追加され、「他の職への降任等」に該当する降任と、これに伴う降給が交付義務の対象から除かれた。第49条の2と第49条の3は、この改正による変更を受けていない。
7-3 令和8年4月1日現在の状況
第49条から第49条の3までは、令和5年4月1日施行の上記改正以後、直接の改正を受けていない。定年引上げは令和8年度も進行中であり、同年度の定年は62歳、管理監督職勤務上限年齢は原則60歳である。役職定年による降任の対象者が毎年度発生することから、第49条第1項ただし書の適用場面は今後も継続する。
なお、地方公務員法の施行状況は毎年度の総務省通知により補足されるため、条例と人事委員会規則の改正状況は各団体で確認されたい。
8 国家公務員法・国家公務員倫理法との比較
8-1 国家公務員法第89条から第92条の2まで
| 項目 | 地方公務員法 | 国家公務員法 |
|---|---|---|
| 説明書の交付 | 第49条第1項。「懲戒その他その意に反すると認める不利益な処分」 | 第89条第1項。「その意に反して、降給し、降任し、休職し、免職し、その他これに対しいちじるしく不利益な処分」または懲戒処分 |
| 職員からの交付請求 | 第49条第2項 | 第89条第2項 |
| 交付期限 | 第49条第3項。請求の日から15日以内 | 定めなし |
| 教示 | 第49条第4項 | 第89条第3項 |
| 審査機関 | 第49条の2第1項。人事委員会または公平委員会 | 第90条第1項。人事院 |
| 審査請求期間 | 第49条の3。処分があつたことを知つた日の翌日から3月、処分の日の翌日から1年 | 第90条の2。処分説明書を受領した日の翌日から3月、処分の日の翌日から1年 |
| 審査請求前置 | 第51条の2 | 第92条の2 |
条文の文言で目を引くのは二点である。国家公務員法は「いちじるしく」不利益な処分と限定しているのに対し、地方公務員法にはこの限定がない。ただし人事院は運用上、既得の権利または救済に値する利益を直接かつ具体的に侵害することにより著しい不利益をもたらすものという基準を用いており、対象範囲の実質的な差は大きくない。
もう一点は起算点である。国家公務員は処分説明書を受領した日が起算点であり、地方公務員は処分があつたことを知つた日が起算点である。地方では説明書が交付されなくても期間が進行する点に注意を要する。
また、国家公務員法には交付期限の定めがなく、15日以内という第49条第3項は地方公務員法に固有の規律である。
8-2 国家公務員倫理法との関係
国家公務員倫理法は、倫理法または倫理規程に違反する行為を理由として懲戒処分を行おうとするときは、任命権者はあらかじめ国家公務員倫理審査会の承認を得なければならないと定める(第26条)。処分後は、特に必要があると認めるときに処分の概要を公表することができる(第27条第1項)。国家公務員法第84条の2は、倫理保持に関する懲戒手続の権限を人事院から倫理審査会に委任している。
倫理法違反を理由とする懲戒処分であっても、処分説明書の交付と審査請求の手続は国家公務員法第89条以下によることに変わりはない。倫理審査会の承認は処分に至る前段階の統制であり、事後救済とは層が異なる。
地方公務員には倫理法の適用がなく、これに対応する法律上の第三者統制は置かれていない。多くの団体が職員倫理条例と倫理規程を定め、審査会を設けているが、懲戒処分の事前承認まで求める例は限られる。処分の適正を担保する制度的な重みが、処分説明書と人事委員会・公平委員会の審査に集中しているといえる。地方公務員法第29条の懲戒事由に倫理法制の趣旨を明文で取り込むべきかは、なお検討に値する論点である。
9 実務チェックポイント
処分を行う側の担当者が確認すべき事項を挙げる。
- 処分の根拠条項を確定する。懲戒であれば第29条第1項の何号か、分限であれば第28条第1項の何号か、役職定年であれば第28条の2第1項かを起案時に特定する。
- 役職定年による降任と、これに伴う降給であれば、第49条第1項ただし書により説明書の交付は不要である。それ以外は交付する。
- 説明書には、日時、場所、相手方、行為の態様、適用条項を、被処分者が記載自体から了知できる程度に記載する。
- 教示(審査請求先と3月の期間)を必ず記載する。
- 処分の言渡しと同時に手交し、受領を記録する。郵送による場合は配達の記録を残す。
- 職員から第2項の交付請求を受けた場合、15日以内に交付するか、交付義務がないと判断した根拠を文書化する。
- 職種を跨ぐ転任で給料表の適用替えが生ずる場合は、実質的降任と評価される余地を検討する。
- 条件付採用期間中の職員、臨時的任用職員、企業職員については、適用除外の範囲を確認する。
職員の側では、処分説明書を受け取った日と、処分があつたことを知つた日が一致するとは限らない点が要注意である。第49条の3の起算点は後者であり、説明書の交付を待っていると期間を徒過することがある。
10 参考資料・参考サイト
- 総務省「定年引上げの実施に向けた質疑応答(第8版)」問8-8 https://www.soumu.go.jp/main_content/000793888.pdf
- 総務省「地方公務員法の一部を改正する法律について(地方公務員の定年引上げ関係)」 https://www.soumu.go.jp/main_content/000768068.pdf
- 総務省行政管理局「改正行政不服審査法について」 https://www.soumu.go.jp/main_content/000297540.pdf
- 人事院「不利益処分審査請求」 https://www.jinji.go.jp/seisaku/kouheisinsa/furiekisyobun.html
- 人事院「処分説明書の様式および記載事項等について」 https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/13_kouheisinsa/1301000_S35shokushoku354.html
- 裁判所「裁判例検索」 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1
- 兵庫県人事委員会「不利益処分に関する審査請求」 https://web.pref.hyogo.lg.jp/ji01/29furieki.html
- 秋田県人事委員会「不利益処分についての審査請求」 https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/6413
- 和歌山県公平委員会「審査請求に関する関係法律(地方公務員法)」 https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/210100/kouheisinsa/huhukumousitate-houritu.html
- 横浜市「不利益処分についての審査請求に関する規則」 https://cgi.city.yokohama.lg.jp/somu/reiki/reiki_honbun/g202RG00001878.html
- 中川総合法務オフィス「地方公務員法第29条解説:懲戒処分の根拠・事由・裁量統制」 https://compliance21.com/local-public-servant-law-29/
◆自治体研修850回超の行政書士が、係長・課長昇任試験の論文を1本から添削します。 https://compliance21.com/promotion-examination-lg/


