地方自治法第六章第六節「会議」の末尾にあたる第118条から第120条までは、三つの異なる主題を扱う。議会が行う選挙の手続(第118条)、会期の切れ目で事件がどうなるか(第119条)、そして議会が自ら定める会議規則(第120条)である。

条文の長さは対照的である。第118条は六項にわたって投票から不服申立てまでを規律するのに対し、第119条と第120条はそれぞれ一文で終わる。しかし実務上の比重は逆転する。第119条の一文が年度末ごとに大量の事件の運命を決め、第120条の一文を根拠とする会議規則が、本会議の進行のほぼ全部を支配している。地方自治法の議会の章を読むとき、この二つの短い条文を飛ばしてしまうと、議会運営の実際が見えなくなる。


1 条文原文

条文は令和8年9月3日施行の現行法による。

第118条(議会における選挙)

第百十八条 法律又はこれに基づく政令により普通地方公共団体の議会において行う選挙については、公職選挙法第四十六条第一項及び第四項、第四十七条、第四十八条、第六十八条第一項並びに普通地方公共団体の議会の議員の選挙に関する第九十五条の規定を準用する。その投票の効力に関し異議があるときは、議会がこれを決定する。

② 議会は、議員中に異議がないときは、前項の選挙につき指名推選の方法を用いることができる。

③ 指名推選の方法を用いる場合においては、被指名人を以て当選人と定めるべきかどうかを会議に諮り、議員の全員の同意があつた者を以て当選人とする。

④ 一の選挙を以て二人以上を選挙する場合においては、被指名人を区分して前項の規定を適用してはならない。

⑤ 第一項の規定による決定に不服がある者は、決定があつた日から二十一日以内に、都道府県にあつては総務大臣、市町村にあつては都道府県知事に審査を申し立て、その裁決に不服がある者は、裁決のあつた日から二十一日以内に裁判所に出訴することができる。

⑥ 第一項の規定による決定は、文書を以てし、その理由を附けてこれを本人に交付しなければならない。

第119条(会期不継続の原則)

第百十九条 会期中に議決に至らなかつた事件は、後会に継続しない。

第120条(会議規則)

第百二十条 普通地方公共団体の議会は、会議規則を設けなければならない。

いずれの条文にも法令上の見出しは付されていない。


2 趣旨・立法背景

2-1 第118条:議会が行う「選挙」は議決ではない

議会の意思決定には二種類ある。議案に対して賛否を決する議決と、人を選ぶ選挙である。第116条が議決の方法として出席議員の過半数という原則を定めるのに対し、人を選ぶ場面には第118条が別の手続を用意する。

両者を分ける意味は、可否が同数になったときの処理に現れる。議決であれば議長が裁決する(第116条第1項)。ところが選挙では、得票が同数になっても議長は裁決しない。第118条第1項が準用する公職選挙法第95条第2項により、くじで当選人を定める。令和8年9月の福岡県議会の議長選挙が39票対39票となり、議会運営委員会での協議を経てくじで決着したのは、この帰結である。平成23年の奈良市議会の議長選挙も19票対19票でくじに至っている。

同じ議場で同じ議員が参加しながら、賛否を決めるときは議長が決め、人を選ぶときはくじで決める。この違いは、第116条と第118条のどちらが働く場面かという区別から生じる。

2-2 なぜ公職選挙法を準用するのか

議会内部の選挙も、人を選ぶ手続である点で住民が行う公職の選挙と性質を共有する。投票の方式、無効投票の判定、当選に必要な得票数といった技術的な事項を一から書き起こすのは立法として非効率であり、公職選挙法に蓄積された規律を借用するのが合理的である。第118条第1項は、必要な範囲に限って五つの条文を準用する形をとった。

もっとも準用は限定的である。立候補の届出(公職選挙法第86条の4)、選挙運動、繰上当選(同法第97条)は準用されていない。議会内部の選挙には選挙期日の公示もなく候補者の届出もないため、議員全員が被選挙人となる。この構造が、議長選挙の立候補制をめぐる議論と、同姓の議員がいる議会で名字だけを記載した投票が無効となる問題を生んでいる。

2-3 指名推選を認めた理由(第2項から第4項まで)

議員の顔が互いに見える小規模な合議体では、投票を行わなくても意見が一致していることが明らかな場合がある。投票用紙を配り、点呼して投票させ、立会人を指名して開票するという一連の手続を、結論が分かりきっている場面で踏ませるのは形式的にすぎる。第2項は、議員中に異議がないときに限り、この手続を省く道を開いた。

ただし省略を許す代償として要件は厳しい。第3項は、被指名人を当選人と定めるかどうかを会議に諮り、議員全員の同意があった者を当選人とすると定める。一人でも反対すれば指名推選は成立せず、投票による選挙に戻る。

第4項は、一の選挙で二人以上を選ぶ場合に被指名人を区分して第3項を適用することを禁じる。選挙管理委員4人を選ぶ場面で、4人を一括して諮らず、1人ずつ切り分けて全員同意を取るという扱いを認めると、多数派が意に沿う者だけを通して残りを落とす操作が可能になる。全員同意という要件が持つ少数者保護の機能を、区分によって空洞化させない趣旨である。

2-4 第5項の不服申立て:地方自治法に数少ない審査申立て前置

投票の効力に異議があるときは議会が決定する(第1項後段)。その決定に不服があれば、都道府県では総務大臣、市町村では都道府県知事に審査を申し立て、その裁決に不服があれば裁判所に出訴する(第5項)。

議会の内部手続に行政機関への審査申立てを挟み、しかもそれを経なければ出訴できないという仕組みは、地方自治法の中でも珍しい。議員の資格決定(第127条第3項)、副知事等の解職請求に基づく議決(第87条第2項)がこれを準用し、同じ経路を通る。

21日という期間が条文に明記されたのは昭和25年の改正である。改正前は出訴できることは定められていたが期間が明らかでなかったため、決定の日から21日以内と明示された。

2-5 第119条:会期ごとに意思をリセットする

議会は会期という単位で活動する。会期が終われば議会は閉会し、次の会期は新たな会議として始まる。第119条は、前の会期で結論に至らなかった事件を次の会期に持ち越さないと定める。

この原則には二つの実質的な意味がある。第一に、議会の意思は会期ごとに完結するという前提を置くことで、議決の帰属が明確になる。第二に、審議を会期内に終える圧力を生み、事件が無期限に棚上げされることを防ぐ。

もっとも持ち越しを一切認めないと、慎重な審査を要する事件を扱えなくなる。そこで第109条第8項が、議会の議決により付議された特定の事件について委員会が閉会中も審査を続けられるとし、会期不継続の原則の例外を設けている。国会法第68条が但書で閉会中審査した議案と懲罰事犯の件は後会に継続すると明記しているのに対し、地方自治法第119条には但書がなく、別条の継続審査制度がその機能を担うという条文配置の違いがある。

2-6 第120条:会議規則の制定を義務づけた意味

憲法第58条第2項は、両議院が各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定めることができると規定する。議院規則制定権は憲法上の自律権の内容として保障されている。

地方議会については憲法に規定がない。第120条は法律によって会議規則の制定を義務づける形をとった。「設けることができる」ではなく「設けなければならない」と書かれている点に、この条文の性格が表れている。議会は、自らの会議の手続を自ら定める権限を持つと同時に、定める義務を負う。

義務づけた理由は、議会の運営を長や国の関与から切り離すことにある。会議の手続を条例で定めるとすれば、長の提案権と公布権、再議権が及ぶ余地が生じる。議会の議決のみで制定・改廃できる会議規則という形式を選んだことは、議会の自律を手続面で担保する立法選択である。

2-7 平成14年改正と令和7年・令和8年改正における扱い

第118条第1項の準用条文に公職選挙法第47条(点字投票)が加わったのは平成14年の改正である。議会における選挙についても点字投票を行うことができるものとされた。

令和8年法律第27号(令和8年9月3日施行)および令和8年法律第62号(令和8年7月17日施行)を含め、令和7年から令和8年にかけての改正で第118条から第120条までの条文は変更されていない。両時点の条文を照合しても差異はない。


3 文理解釈

3-1 「法律又はこれに基づく政令により普通地方公共団体の議会において行う選挙」(第118条第1項)

第118条が適用されるのは、法律または法律に基づく政令を根拠とする選挙に限られる。地方自治法上、議会が行う選挙は次のものである。

選挙の対象根拠条文
議長・副議長第103条第1項
仮議長第106条第2項
選挙管理委員及び補充員第182条第1項・第2項
補充員の臨時の補欠選挙施行令第135条第2項
広域連合の議会の議員(構成団体の議会で選挙する場合)第291条の5第1項
一部事務組合の議会の議員(規約で構成団体の議会による選挙を定めた場合)第287条第1項第5号

ここに含まれないものがある。監査委員は議会の同意を得て長が選任するものであり(第196条第1項)、選挙ではない。常任委員会の委員長・副委員長の互選は、委員会条例が定める手続であって法律または政令を根拠とする選挙ではないため、第118条は直接適用されない。実務では会議規則が選挙に関する章の規定を委員長・副委員長の互選に準用する形で手当てしている(船橋市議会会議規則第127条がその例である)。

3-2 準用される公職選挙法の規定

準用条文内容
第46条第1項投票用紙に候補者一人の氏名を自書する(単記自書式)
第46条第4項投票用紙に選挙人の氏名を記載しない(無記名)
第47条点字による投票
第48条代理投票
第68条第1項無効投票の事由
第95条法定得票数と得票同数の場合のくじ

第46条第1項と第4項を併せて準用することにより、議会の選挙は単記無記名投票となる。第68条第1項が列挙する無効投票の事由のうち、議会の選挙で現実に問題となるのは、被選挙権のない者の氏名を記載したもの、氏名のほかに他事を記載したもの、氏名を自書しないもの、そして何人を記載したかを確認し難いものである。同姓の議員が複数いる議会で名字だけを記載した投票が無効となるのは、最後の事由にあたるからである。

3-3 法定得票数の計算

公職選挙法第95条第1項第4号は、地方公共団体の議会の議員の選挙について、議員の定数をもって有効投票の総数を除して得た数の4分の1以上の得票を要すると定める。これを議会の選挙に読み込むと、選挙すべき員数で有効投票の総数を除し、その4分の1が法定得票数となる。

議長選挙は選挙すべき員数が1人であるから、法定得票数は有効投票の総数の4分の1である。選挙管理委員4人を一の選挙で選ぶ場合は、有効投票の総数を4で除した数の4分の1、すなわち有効投票の総数の16分の1となる。法定得票数に達した者がいなければ再選挙を行う。

得票数が同じであるときは、第95条第2項の準用によりくじで当選人を定める。

3-4 「その投票の効力に関し異議があるときは、議会がこれを決定する」(第118条第1項後段)

決定の対象は投票の効力である。個々の投票が有効か無効かをめぐる争いがこれにあたる。

標準的な会議規則は、開票にあたり議長が議員の中から立会人を指名し、投票の効力は立会人の意見を聴いて議長が決定すると定めている。この議長の判断に異議がある場合に、第1項後段の議会の決定へ進む。

選挙手続全体の瑕疵、たとえば定足数を欠く会議で行われた選挙や、臨時議長の選定を誤った選挙を直接争う手続は条文に用意されていない。第118条が規律するのは投票の効力に限られており、それを超える瑕疵の扱いは解釈に委ねられている。

3-5 「議員中に異議がないとき」(第118条第2項)

指名推選を用いる前提は、議員中に異議がないことである。異議の有無は議長が会議に諮って確認する。一人でも異議を述べれば指名推選は使えず、投票による選挙を行う。

誰が被指名人を指名するかは条文に書かれていない。議会の議決により指名を特定の議員(議長や会派代表など)に委ねる運用、あるいは議長が指名する運用が広く行われている。指名の方法を含めて議会の判断に委ねられている。

3-6 「議員の全員の同意があつた者」(第118条第3項)

当選人となるのは、議員全員の同意があった者である。出席議員の全員ではなく議員の全員と読むのが条文の文言に素直であるが、実務上は議場にいる議員全員の同意を確認する形で運用されている。除斥により議場にいない議員がある場合の扱いは、各議会の判断による。

同意が得られなければ当選人は定まらない。改めて別の者を指名するか、投票による選挙に移る。

3-7 「被指名人を区分して前項の規定を適用してはならない」(第118条第4項)

選挙管理委員4人と補充員4人を選ぶ場面を想定すればよい。4人を一括して「この4人を当選人と定めてよいか」と諮らなければならず、1人ずつ順に諮って全員同意を取るという扱いは許されない。

なお、選挙管理委員の選挙と補充員の選挙は第182条第1項と第2項の別個の選挙であるから、委員4人について一括して諮り、補充員4人について一括して諮るという進め方は第4項に反しない。

3-8 第5項の不服申立て

申立ての相手方は、都道府県では総務大臣、市町村では都道府県知事である。期間は決定の日から21日以内であり、裁決に不服があれば裁決の日から21日以内に出訴する。

出訴の前に審査申立てを経ることが要求されており、議会の決定に対して直接訴えを提起することはできない。この21日は不変期間と解されている。

3-9 第6項の決定書

決定は文書によること、理由を付すこと、本人に交付することの三つが要求される。理由付記が求められるのは、不服申立ての機会を実質的に保障するためである。どの投票をどの事由で無効と判断したのかが示されなければ、申立人は争点を特定できない。

全国市議会議長会が令和6年3月にまとめたオンライン化の整理では、この決定書の交付が法第118条第6項と会議規則の規定を対応づけた手続として挙げられている。会議規則の条番号は議会によって異なる。

3-10 「会期中に議決に至らなかつた事件」(第119条)

対象は「事件」である。議案、請願、動議、諮問に対する意見など、議会の議決を求めて付議されたものが含まれる。

議案がいつから事件となるかについて、行政実例は、議案は議会に提出して初めて議案となり、開会前に議長へ送達されたものは開会時に提出されたものとみなすとしている(昭和26年8月20日)。会期前に議長の手元に届いていても、開会するまでは議会に係属していない。

「議決に至らなかつた」とは、可決も否決もされないまま会期が終わった状態をいう。委員会に付託されたまま審査が終わらなかった場合、本会議で上程されなかった場合がこれにあたる。議会運営の用語では審議未了と呼ばれる。否決された事件は議決に至っているから第119条の対象ではない。

3-11 「後会に継続しない」(第119条)

後会とは次の会期をいう。継続しないという帰結は、その事件が廃案になることを意味する。次の会期で同じ内容を扱いたければ、改めて提出し直さなければならない。

ここで区別すべき二つの原則がある。会期不継続の原則は会期をまたぐ継続を否定するものであり、同一会期中に同じ事件を再び提出できないとする一事不再議の原則とは働く場面が異なる。一事不再議には地方自治法上の明文がなく、標準市議会会議規則第15条が「議会で議決された事件については、同一会期中は、再び提出することができない」と定めることで各議会の規則に根拠を置いている。会期が終われば一事不再議の制約は解け、同じ事件を次の会期に提出できる。

通年の会期を採用した議会では、会期が1年単位となるため会期不継続が働く場面が年1回に減る。第102条の2第3項は、会期中に議員の任期が満了したとき、議会が解散されたとき、議員が全てなくなったときは、その日をもって会期が終了すると定めており、この場合も第119条が働く。

継続審査(第109条第8項)との関係では、議会の議決により付議された特定の事件に限って委員会が閉会中も審査を続けられる。全国市議会議長会の法制担当者の見解によれば、継続審査の対象は会期中に委員会へ付託された事件であり、委員会に付託しない運営をとる委員会提出議案は継続審査の要件を満たさないとされる。会期末に流会が生じると、継続審査に付す議決そのものができないまま会期が終わり、審査中の事件がすべて廃案になる。

3-12 「会議規則を設けなければならない」(第120条)

制定の方法は議会の議決である。条例ではないため、長の提案権も公布も再議もない。提案は議員または委員会が行う。

内容は会議の手続と議会内部の規律に関する事項である。標準市議会会議規則を例にとれば、議席、会期、議案及び動議、議事日程、選挙、議事、発言、委員会、請願、辞職及び資格の決定、規律、懲罰、会議録といった章が置かれている。

会議規則が定めうる範囲には限界がある。法律に反する定めはできず、住民の権利義務を直接規律することもできない。会議規則は議会の内部規範であって、外部に対する効力を持たないと説明されるのが通例である。もっとも請願の手続のように住民の行為に関わる規定が置かれており、この性格づけが完全に貫徹しているわけではないという指摘もある。

傍聴に関する規則は会議規則とは別である。第130条第3項が、議長は会議の傍聴に関し必要な規則を設けなければならないと定めており、傍聴規則は議長が定める。議会の議決によって制定される会議規則と、議長が定める傍聴規則は、制定主体が異なる。

会議規則違反には二つの効果が結びつく。第一に、会議規則に違反した議員は懲罰の対象となる(第134条第1項)。第二に、議会の議決が会議規則に違反すると認めるときは、長はこれを再議に付さなければならない(第176条第4項)。会議規則は内部規範でありながら、懲罰と義務的再議という形で法律上の効果を生む。


4 用語解説

指名推選とは、投票によらず、指名された者を当選人と定めてよいかを会議に諮り、議員全員の同意があった者を当選人とする方法をいう(第118条第2項から第4項まで)。

単記無記名投票とは、投票用紙に被選挙人一人の氏名を自書し、投票した者の氏名は記載しない投票方式をいう。公職選挙法第46条第1項と第4項の準用による。

法定得票数とは、当選するために必要な最低限の得票数をいう。議会の選挙では、選挙すべき員数で有効投票の総数を除して得た数の4分の1である。

無効投票とは、公職選挙法第68条第1項が列挙する事由に該当する投票をいう。有効投票の総数から除かれるため、法定得票数の計算に影響する。

会期不継続の原則とは、会期中に議決に至らなかった事件は次の会期に継続しないという原則をいう(第119条)。

審議未了とは、会期中に議決に至らないまま会期が終了し、事件が廃案となることをいう。

一事不再議の原則とは、同一会期中に議決された事件を再び提出できないという原則をいう。地方自治法に明文はなく、会議規則が根拠となる。

継続審査とは、議会の議決により付議された特定の事件について、委員会が閉会中も審査を続けることをいう(第109条第8項)。会期不継続の原則の例外である。

会議規則とは、議会がその会議の手続と内部の規律について議決により定める自主法規をいう(第120条)。

標準市議会会議規則とは、全国市議会議長会が示す会議規則のひな型をいう。多くの市議会がこれに準拠して会議規則を定めており、都道府県議会と町村議会にもそれぞれの議長会が示すひな型がある。


5 判例・裁判例・行政実例

5-1 指名推選による選挙管理委員の選任を適法とした最判昭和35年2月9日

最高裁判所第三小法廷判決昭和35年2月9日(昭和34年(オ)第1064号、選挙管理委員会決定取消等請求事件)は、選挙管理委員および同補充員を指名推選の方法により選任することは違法ではないと判示した。

同判決は、第118条が議会において行う選挙について指名推選の方法を用いることもできると定めていることを前提に、選挙管理委員および補充員の選任であることを理由に指名推選を違法とすべき根拠はないとした。そして、第182条第3項および施行令第134条は投票により選任する場合の規定であって、指名推選による選任を違法とする趣旨を含まないとした。

この判断は、第118条と施行令第134条の関係を整理したものとして実務上の意味を持つ。施行令第134条は、同一の政党その他の政治団体に属する者が二人以上当選した場合に、得票数あるいはくじによって委員または補充員たるべき者を定めると規定している。得票数という概念は投票を前提とするから、指名推選の場合にこの規定をそのまま当てはめることはできない。判決はこれを、指名推選を禁じる根拠ではなく、投票による場合の処理規定にすぎないと位置づけた。

5-2 不服申立適格を限定した最判昭和56年5月14日

最高裁判所第一小法廷判決昭和56年5月14日(昭和55年(行ツ)第119号、民集35巻4号717頁)は、議会が議員について第92条の2の兼業禁止に該当するかを決定した場合、その決定に対して第127条および第118条第5項に基づき不服を申し立てることができるのは、その決定によって議員の職を失うことになる当該議員本人に限られると判示した。

第118条第5項は「決定に不服がある者」と書いており、文言上は申立人の範囲を明示していない。同判決は、この経路による不服申立てを、決定により不利益を受ける本人に限定する解釈を示した。他の議員や住民が第三者として申立てを行うことはできない。

なお同判決が引用する第127条第4項は、現行法では第127条第3項である。判決の引用と現行の項番号が食い違う点は、条文の変遷によるものである。

5-3 会議規則と司法審査に関する最判平成30年4月26日

最高裁判所判決平成30年4月26日は、県議会の議長が議員に発言の取消しを命じた措置の適否は司法審査の対象とならないと判示した。議会の運営は議会の自律的な権能が尊重されるべきものであり、この措置は一般市民法秩序と直接の関係を有するものとはいえないから、議会内部の問題として自主的、自律的な解決に委ねるべきであるとする。

会議規則の性格を考えるうえで示唆的なのは、同判決が当該会議規則の規定をどう位置づけたかである。会議規則には、議長が取消しを命じた発言を配布用会議録に掲載しないとする規定があった。判決はこれを、第104条および第129条第1項による議長の秩序維持権限を前提とした規定と解し、速記録や配布用会議録の調製に関する規定は議長による会議録調製について具体的な規律を定めるにとどまるとして、議員に発言が配布用会議録に記載される権利利益を付与したものとはいえないと判断した。

会議規則の規定が議員に主観的な権利を与えるものなのか、議長の職務の進め方を定めたものなのかという区別が、司法審査の可否を左右した。会議規則を根拠に議員が権利を主張する場面では、この判断枠組みが参照されることになる。

5-4 令和2年大法廷判決との関係

最高裁判所大法廷判決令和2年11月25日(岩沼市議会議員出席停止事件)は、議員に対する出席停止の懲罰の適否は常に司法審査の対象となるとして、昭和35年の大法廷判決を変更した。

平成30年判決と令和2年判決は矛盾しない。令和2年判決が対象としたのは、議員としての中核的な活動を一定期間奪う懲罰である。平成30年判決が対象としたのは、会議録の記載という議会内部の処理であった。議員の権利に対する制約の性質と程度によって司法審査の及ぶ範囲が分かれるという整理になる。会議規則に基づく措置が争われたとき、どちらの側に位置づけられるかが判断の分岐点となる。

5-5 関連する行政実例

議案の提出時期について、議案は議会に提出して初めて議案となり、開会前に議長へ送達されたものは開会時に提出されたものとみなすとされる(昭和26年8月20日)。議案と同一内容の印刷物を事前に配布することは差し支えないとされている。第119条の対象となる事件がいつから係属するかを判断する基準となる。

除斥すべき議員が参与して満場一致で可決された議決について、当然には無効とならないと解されている(昭和25年3月10日)。手続の瑕疵が議決の効力に直結しないという考え方は、第118条の選挙手続に瑕疵があった場合の処理を考えるうえでも参考になる。


6 実務データで見る第119条・第120条

全国市議会議長会「市議会の活動に関する実態調査結果(令和7年中)」(815市)から、本稿の条文に対応する数値を紹介する。

6-1 通年の会期と会期不継続

通年の会期を採用している市は59市(7.2パーセント)である。その内訳は、第102条の2第1項に基づくものが15市、第102条第2項により定例会を年1回とする条例を置くものが44市となっている。

残る756市は複数回の定例会を置いており、年に4回前後の会期の切れ目ごとに第119条が働く。会期不継続の原則が制度上の例外にとどまらず、日常的に作動していることを示す数字である。

人口5万人未満の市が通年の会期の採用で最も多く、307市のうち15市を占める。

6-2 会期末に廃案となる事件

令和7年中の議員提出議案7,324件のうち、継続審査は10件、審議未了は5件であった。委員会提出議案1,959件では継続審査28件で、審議未了はない。

令和7年中に流会した事例は2市2件である。前稿で取り上げた鎌倉市議会のように、会期末に流会が生じると継続審査に付す議決自体ができないまま会期が終わり、審査中の事件が第119条によってすべて廃案となる。市民からの陳情27件が廃案となったのは、この仕組みの帰結である。

6-3 会議規則の整備状況

会議規則は第120条により制定が義務づけられているため、設けていない議会は存在しない。実務上の論点は、何をどこまで規定しているかである。

欠席事由については、令和3年1月に総務大臣から三議長会に対し標準会議規則の改正を求める要請が行われ、同年1月末から2月初めに各議長会が改正を行った。改正後の標準市議会会議規則は、公務、疾病、育児、看護、介護、配偶者の出産補助その他のやむを得ない事由を欠席事由として掲げ、従来の「事故」という文言を「その他のやむを得ない事由」に改めた。出産については、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から出産後8週間を経過する日までの範囲で期間を明らかにして事前に届け出られるものとした。

令和7年12月31日現在の状況は次のとおりである。

会議規則における規定・取組(令和7年12月31日現在・815市)市数割合
議員本人の出産を欠席事由として規定80799.0%
うち欠席期間を明記78797.5%
欠席事由の運用に関する取扱いを定めている11514.1%
旧姓・通称の使用に関する取扱いがある23729.1%
令和7年中に議員向けハラスメント研修を実施22427.5%

出産を欠席事由とする規定はほぼ全市に広がった。他方、欠席事由を実際にどう運用するかの取扱いを定めているのは14.1パーセントにとどまり、そのうち64.3パーセントは申合せによっている。規定は整えたが運用基準は明文化していないという段階にある議会が多い。

6-4 会議規則のオンライン化対応

令和6年4月1日に施行された第138条の2により議会に関連する手続のオンライン化が可能となり、三議長会は標準会議規則の改正を行った。これを受けた各市の対応状況は次のとおりである。

オンライン化への対応状況(令和7年12月31日現在・815市)市数割合
標準の会議規則等に準じて会議規則・委員会条例を改正済み21526.4%
改正していない51663.3%
改正を予定している708.6%
その他141.7%

実際にオンライン化した手続は、改正等を行った143市について、請願の提出が68.5パーセント、一般質問の通告が67.8パーセント、陳情の提出が67.1パーセント、議事日程の作成・配布が60.8パーセント、議案の提出が48.3パーセントとなっている。用いる方法は電子メールが67.1パーセントで最も多く、グループウェアやクラウドサービスが51.0パーセント、執行機関の電子申請システムが32.9パーセント、マイナポータルが6.3パーセントである。

第138条の2が施行されて2年近く経ちながら、会議規則の改正を済ませた市は4分の1強にとどまる。オンライン化を可能にする法律上の枠組みができても、受け皿となる会議規則が整わなければ手続は動かない。第120条の会議規則が議会運営の実際を決めているという関係が、この数字に現れている。


7 施行令・施行規則の関連規定

7-1 第118条の適用を調整する施行令第134条

施行令で第118条に言及する規定が一つある。施行令第134条である。

同条第1項は、第182条第1項または第2項の規定により選挙管理委員または補充員の選挙を行った場合において、当選人で同一の政党その他の政治団体に属するものが二人以上あるときは、その者の中から、得票数により、得票数が同じであるときはくじにより、委員または補充員たるべき者を定めなければならないと規定する。第182条第5項が、委員または補充員はそれぞれその中の二人が同時に同一の政党その他の政治団体に属する者となることとなってはならないと定めていることを受けた調整規定である。

そして同条第2項は、第1項の規定により委員または補充員たるべき者と定められなかった当選人は、第118条の規定の適用については、当初から選挙されなかったものとみなすと定める。

この「当初から選挙されなかつたものとみなす」という処理の意味は、第118条第1項が準用する公職選挙法第95条との関係で理解される。政党所属制限により排除された者を当選人として残したまま第95条を適用すると、当選人の数と選挙すべき員数が合わなくなる。当初から選挙されなかったものとみなすことで、残る当選人について法定得票数の判定と当選人の確定を整合的に行えるようにしている。

前掲最判昭和35年2月9日が、この施行令第134条を投票による選任の場合の規定と位置づけ、指名推選を違法とする趣旨を含まないと判断したことは、本条の射程を確定した判断として押さえておきたい。

7-2 政党所属制限に関する施行令第135条・第136条・第136条の2

施行令第134条に続く三つの条文も、第182条第6項の委任を受けて同じ制限を実現する。

施行令第135条第1項は、第182条第3項により補充員で選挙管理委員の補欠を行えば同一の政党その他の政治団体に属する委員の数が二人以上となるときは、その者を補充員でないものとみなすと定める。同条第2項は、補充員がすべてこれに該当するときは、議会は第182条第2項の規定にかかわらず臨時に補充員の補欠選挙を行わなければならないと定める。この補欠選挙も議会が行う選挙であるから、第118条の手続によることになる。

施行令第136条は、第189条第3項により補充員を臨時に選挙管理委員に充てる場合について同様の処理を定め、同条第2項が施行令第135条第2項を準用する。施行令第136条の2は、これらの場合のほか委員または補充員の中に同一の政党その他の政治団体に属する者がそれぞれ二人以上となった場合について、選挙管理委員会がくじによりそれぞれ職を失うこととなる者を定めなければならないと規定する。

議会が選挙管理委員を選ぶ場面では、第118条の手続に加えて、これらの政令の制限が働く。選挙の結果が政党所属制限に触れる可能性がある議会では、投票の前にこの枠組みを確認しておく必要がある。

7-3 第119条・第120条に対応する政省令はない

施行令と施行規則を全文検索したところ、「会議規則」「後会に継続」「継続審査」「指名推選」「選挙録」の語はいずれも一度も現れない。第119条と第120条を受けて手続を定めた政令・省令の規定は存在しない。

第120条については、これが当然である。会議規則の内容を政令や省令で定めれば、議会の自律に国が介入することになる。第120条が制定を義務づけるにとどめ、内容を議会の判断に委ねているという構造は、政省令の不存在によって裏づけられている。会議規則の標準的な内容を示しているのは、法令ではなく三議長会のひな型である。

第119条についても、会期不継続の帰結は条文自体で完結しており、手続を定める必要がない。会期の決定と延長、閉会中の継続審査の申出といった実務の手順は、第109条第8項と各議会の会議規則が担っている。

7-4 施行規則第12条の2の2・第12条の2の9と会議規則の役割

施行規則には第118条から第120条までに対応する規定はないが、会議規則との役割分担という観点から押さえるべき条文が二つある。

施行規則第12条の2の2は、第123条第3項の総務省令で定める措置を、総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則第2条第2項第1号イに規定する電子署名と定める。会議録を電磁的記録で作成する場合、議長および議会において定めた二人以上の議員がとるべき署名に代わる措置の内容が、ここで確定している。会議録の作成の手順を定めるのは会議規則であるが、電子署名の技術的要件は省令が握っている。

施行規則第12条の2の9は、第12条の2の3から第12条の2の8までに定めるもののほか、第138条の2第1項または第2項の規定により電子情報処理組織を使用する方法により通知を行う場合に必要な事項は、議会等が定めると規定する。省令が定めるのは電子情報処理組織の範囲、入力すべき事項、電子署名と電子証明書、本人確認の方式といった骨格にとどまり、残りは議会が自ら定める。その受け皿となるのが会議規則とデジタル化に関する規程である。

法律が枠を定め、省令が技術的要件を定め、会議規則が運用を定めるという三層の分担になっている。前項で見たとおり会議規則の改正を済ませた市が26.4パーセントにとどまっているのは、この最後の層が未整備であることを意味する。


8 実務上の処理手順

8-1 投票による選挙を行うとき

議長が選挙を行う旨を宣告する。宣告の際に議場にいない議員は選挙に加われない。議場の出入口を閉鎖し、出席議員数を報告する。

職員に投票用紙を配付させ、配付漏れを確かめる。投票箱を点検させる。議員は職員の点呼に応じて順次投票用紙を投票箱に入れる。投票漏れを確かめたうえで議長が投票の終了を宣告する。宣告後の投票は認められない。

開票を宣告し、議長が議員の中から指名した立会人とともに投票を点検する。投票の効力は立会人の意見を聴いて議長が決定する。有効投票の総数を確定し、法定得票数に達した者を当選人とする。得票数が同じであるときはくじによる。

結果を直ちに議場で報告し、当選人に当選を告知する。有効投票と無効投票を区別して、当選人の任期間、関係書類を保存する。条番号は議会によって異なるが、以上の流れは標準的な会議規則が定めるものである。

8-2 指名推選によるとき

議長が、指名推選の方法によることに異議がないかを会議に諮る。異議があれば投票による選挙に移る。

異議がなければ、指名の方法を定める。議会の議決で指名を特定の議員に委ねる場合は、その議決を経る。被指名人が示されたら、その者を当選人と定めてよいかを会議に諮り、議員全員の同意を確認する。二人以上を選ぶ選挙では、被指名人を区分せず一括して諮る。

同意が得られなければ当選人は定まらない。改めて指名するか、投票による選挙に移る。

8-3 投票の効力に異議が出たとき

議長の決定に異議がある議員から異議の申出があった場合、議会が投票の効力を決定する(第118条第1項後段)。決定は文書によること、理由を付すこと、本人に交付することの三つを満たさなければならない(同条第6項)。

どの投票をどの無効事由に当たると判断したかを理由に記載する。交付の日を記録しておく。決定の日から21日以内に総務大臣または都道府県知事への審査申立てが可能であり、起算日の立証を求められる場面がありうる。

8-4 会期末の処理

会期末の本会議までに、委員会に付託されている事件のうち審査が終わらないものを洗い出す。閉会中の継続審査を要するものについては、委員長から議長に理由を付して申し出る手続を経て、議会の議決を得る。

継続審査の議決を得られない事件は、第119条により廃案となる。長提出議案であれば次の会期に再提出するかどうかを執行機関と調整し、請願・陳情であれば提出者に結果を伝える必要がある。

会期末に流会が生じると継続審査の議決自体ができない。会期末の議事日程は、継続審査の議決を他の事件より前に置くなど、流会のリスクを織り込んで組むのが安全である。

8-5 会議規則を改正するとき

会議規則の改正は議会の議決によるため、提案は議員または委員会が行う。改正案は議会運営委員会の所管事項(会議規則、委員会に関する条例等に関する事項。第109条第3項第2号)であるから、同委員会で協議し、同委員会提出の議案または議員提出の議案として本会議に提出する。

三議長会が標準会議規則の改正を示した場合は、自議会の規則との差異を洗い出し、改正を要する条項を特定する。欠席事由やオンライン化のように、規則の改正だけで完結せず運用の取扱いまで定める必要がある事項については、申合せや内規を併せて整備するかどうかを判断する。


9 昇任試験で問われる論点

第118条では、議決と選挙の違いを押さえることが出発点となる。可否同数のときに議決は議長が決し(第116条第1項)、選挙は得票同数のときにくじで決める(第118条第1項が準用する公職選挙法第95条第2項)という対比は、択一でも論文でも問われやすい。

準用される公職選挙法の条文を挙げさせる設問では、単記自書(第46条第1項)、無記名(同条第4項)、点字投票(第47条)、代理投票(第48条)、無効投票(第68条第1項)、法定得票数とくじ(第95条)の六つを列挙する。立候補の届出に関する規定が準用されていないこと、したがって議員全員が被選挙人となることまで書ければ厚みが出る。

指名推選では、議員中に異議がないことという要件(第2項)、議員全員の同意という要件(第3項)、二人以上を選ぶ場合に被指名人を区分できないこと(第4項)の三点を区別して説明する。指名推選を選挙管理委員の選任に用いることが適法とされた最判昭和35年2月9日まで挙げられれば差がつく。

第119条では、会期不継続の原則と一事不再議の原則を混同しないことが要点である。前者は会期をまたぐ継続を否定し地方自治法第119条に根拠を持つ。後者は同一会期中の再提出を否定し会議規則に根拠を持つ。例外である継続審査(第109条第8項)が議会の議決により付議された特定の事件に限られることも押さえる。国会法第68条が但書で閉会中審査した議案と懲罰事犯の件の継続を明記しているのに対し、地方自治法第119条には但書がないという条文構造の違いは、比較の素材になる。

第120条では、会議規則が議会の議決により制定される自主法規であって条例ではないこと、したがって長の提案権・公布権・再議権が及ばないこと、会議規則違反が懲罰(第134条第1項)と義務的再議(第176条第4項)の対象となることを整理する。傍聴規則が議長の定めるもの(第130条第3項)であって会議規則とは制定主体が異なる点も問われやすい。

論文では、議会の自律権を素材とする設問が考えられる。会議規則制定義務(第120条)、議会事務局職員の任免権(第138条第5項)、議会または議長の処分に係る訴訟における議長の代表(第105条の2)を並べ、執行機関からの独立を担保する仕組みとして構成する。そのうえで、最判平成30年4月26日と最大判令和2年11月25日を対置し、自律権が司法審査をどこまで遮断するのかを論じると説得力が増す。


10 国の制度との簡単な対比

議長の選挙について、国会法第6条は、各議院において召集の当日に議長もしくは副議長がないとき、または議長および副議長がともにないときは、その選挙を行わなければならないと定める。手続を定めるのは議院規則であり、国会法に公職選挙法を準用する規定はない。地方自治法第118条が公職選挙法の規定を準用して手続の骨格を法律で定めているのとは、立法の仕方が異なる。

会期不継続については、国会法第68条が「会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。但し、第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案及び懲罰事犯の件は、後会に継続する」と定める。原則と例外を一つの条文に収めた構成である。地方自治法第119条は原則だけを定め、例外は第109条第8項に置かれている。条文の読み方として、第119条だけを見て継続の余地がないと理解してしまう誤りを避ける必要がある。

会議規則については、憲法第58条第2項が両議院に規則制定権を与えている。憲法上の自律権として保障されている議院規則に対し、地方議会の会議規則は第120条という法律上の義務である。保障の形式は異なるが、議会の議決のみで制定・改廃でき、外部の関与を受けないという点は共通する。

地方公務員法との関係では、会議規則は議員を対象とする規範であって、議会事務局の職員を直接拘束するものではない。職員の服務は地方公務員法が定め、その任命権者が議長であること(第138条第5項、地方公務員法第6条第1項)との役割分担になる。会議規則が事務局長や書記に職務を命じる形で規定を置く場合も、その法的な根拠は第104条の事務統理権と第138条第7項にある。


11 参考資料


◆自治体研修850回超の行政書士が、係長・課長昇任試験の論文を1本から添削します。 https://compliance21.com/promotion-examination-lg/

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