本稿は令和8年4月1日現在の地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「地公法」という。)に基づく。

条文原文

(罰則)

第六十条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

一 第十三条の規定に違反して差別をした者

二 第三十四条第一項又は第二項の規定(第九条の二第十二項において準用する場合を含む。)に違反して秘密を漏らした者

三 第五十条第三項の規定による人事委員会又は公平委員会の指示に故意に従わなかつた者

四 離職後二年を経過するまでの間に、離職前五年間に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等に属する役職員又はこれに類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、契約等事務であつて離職前五年間の職務に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者

五 地方自治法第百五十八条第一項に規定する普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の長又はこれに準ずる職であつて人事委員会規則で定めるものに離職した日の五年前の日より前に就いていた者であつて、離職後二年を経過するまでの間に、当該職に就いていた時に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等に属する役職員又はこれに類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、契約等事務であつて離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る。)に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者

六 在職していた地方公共団体の執行機関の組織等に属する役職員又はこれに類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、当該地方公共団体若しくは当該特定地方独立行政法人と営利企業等(再就職者が現にその地位に就いているものに限る。)若しくはその子法人との間の契約であつて当該地方公共団体若しくは当該特定地方独立行政法人においてその締結について自らが決定したもの又は当該地方公共団体若しくは当該特定地方独立行政法人による当該営利企業等若しくはその子法人に対する行政手続法第二条第二号に規定する処分であつて自らが決定したものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者

七 国家行政組織法第二十一条第一項に規定する部長又は課長の職に相当する職として人事委員会規則で定めるものに離職した日の五年前の日より前に就いていた者であつて、離職後二年を経過するまでの間に、当該職に就いていた時に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等に属する役職員又はこれに類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、契約等事務であつて離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る。)に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者(第三十八条の二第八項の規定に基づき条例を定めている地方公共団体の再就職者に限る。)

八 第四号から前号までに掲げる再就職者から要求又は依頼(地方独立行政法人法第五十条の二において準用する第四号から前号までに掲げる要求又は依頼を含む。)を受けた職員であつて、当該要求又は依頼を受けたことを理由として、職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかつた者

趣旨・立法背景

第五章「罰則」の入口に置かれた規定

地公法は第五章に罰則を置き、第60条から第65条までの6か条で構成する。第60条はその最初の条文であり、法定刑は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金である。地公法の義務規定の多くは違反しても懲戒処分(第29条)の対象となるにとどまるのに対し、第60条各号に掲げられた行為だけは刑事罰の対象となる。どの服務義務が刑罰で担保され、どれが担保されていないのかを把握することが、この条文を読む第一の意味である。

たとえば職務専念義務(第35条)、信用失墜行為の禁止(第33条)、政治的行為の制限(第36条)に違反しても、地公法上の刑罰はない。争議行為そのもの(第37条第1項前段)を行った職員も処罰されず、処罰されるのはその遂行を共謀し、そそのかし、あおり、企てた者に限られる(第61条第4号)。刑罰の対象が意識的に絞り込まれている点が、地公法の罰則の設計思想である。

沿革

昭和25年の制定当初、第60条に相当する規定は、差別、秘密漏示、人事委員会・公平委員会の指示への不服従という3類型を中心に構成されていた。現在の第4号から第8号までは、平成26年法律第34号(地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律)により第6節の2「退職管理」が新設されたことに伴って追加されたもので、平成28年4月1日から施行されている。この改正は、平成19年の国家公務員法改正で導入された再就職規制の枠組みを地方公共団体にも及ぼすものであった。

法定刑の表記は、令和4年法律第68号(刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律)により「懲役」から「拘禁刑」に改められ、令和7年6月1日から施行されている。令和8年4月1日現在の条文は、この整理後の形である。なお、罰金の上限は50万円であるが、市区町村のウェブサイトや古い解説書には引上げ前の額を記載したまま更新されていないものが残っているため、実務では現行条文に当たって確認する必要がある。

各号の保護法益

第60条は単一の法益を守る規定ではなく、性格の異なる犯罪類型を法定刑の同一性によって束ねた条文である。

  • 第1号は、憲法第14条に由来する平等取扱いの原則(第13条)の実効性を担保する。
  • 第2号は、公務の遂行過程で職員が知る情報の秘匿性と、それに対する住民の信頼を守る。
  • 第3号は、不利益処分審査請求における人事委員会・公平委員会の審査権限の実効性を確保する。
  • 第4号から第8号までは、離職者と現職職員との関係を通じて公務の公正性が歪められることを防ぐ。

用語解説

拘禁刑

令和7年6月1日に施行された改正刑法により、懲役と禁錮が一本化された自由刑をいう。作業の義務づけを刑の内容から切り離し、改善更生に必要な処遇を柔軟に行えるようにしたものである。地公法上の罰則も、この改正に合わせて表記が改められた。

第1号「第十三条の規定に違反して差別をした者」

第13条は、人種、信条、性別、社会的身分、門地、政治的意見、政治的所属関係による差別を禁止する。本号にいう「差別」とは、これらの事由を理由として、任用、給与、分限、懲戒その他の人事上の取扱いに不利益又は有利な区別を設ける行為をいう。処罰されるのは差別的取扱いを行った者であり、典型的には任命権者や人事担当の権限を有する職員が想定される。

第2号「秘密を漏らした者」

第34条第1項は職務上知り得た秘密を漏らすことを禁じ、退職後も義務が続くと定める。同条第2項は、法令による証人・鑑定人となって職務上の秘密を発表する場合に任命権者の許可を要すると定める。本号はいずれの違反も処罰対象とする。

括弧書きの「第九条の二第十二項において準用する場合を含む」とは、人事委員会・公平委員会の委員についても守秘義務が準用され、その違反が同じ法定刑で処罰されることを意味する。委員は一般職ではないが、審査手続で職員の個人情報に接するため、罰則付きの守秘義務が課されている。

「秘密」の意義については後述の判例が確立した基準を示している。

第3号「第五十条第三項の規定による指示」

第50条は不利益処分についての審査請求の審査手続を定める。同条第3項により、人事委員会又は公平委員会は、審査に必要な限度で、証人の喚問や書類の提出について関係者に指示を出すことができる。本号は、この指示に故意に従わなかった者を処罰する。「故意に」と明記されているため、正当な理由による不履行や過失による遅延は含まれない。

第4号から第7号まで「再就職者による働きかけ」

第38条の2が定める働きかけ規制のうち、不正な行為を求める悪質な類型を刑罰で担保する規定である。対応関係は次のとおりである。

  • 第4号は第38条の2第1項(離職前5年間の職務に関する規制。すべての再就職者が対象)
  • 第5号は同条第4項(長の直近下位の内部組織の長の職にあった者に対する上乗せ規制)
  • 第6号は同条第5項(自ら決定した契約・処分に関する規制。期間の制限がない)
  • 第7号は同条第8項(部長・課長相当職について条例で上乗せする場合の規制)

用語の意味は次のとおりである。

  • 「再就職者」とは、職員であった者で、離職後に営利企業等の地位に就いている者をいう(第38条の2第1項)。臨時的任用職員、条件付採用期間中の職員、短時間勤務の職を占める者以外の非常勤職員は、そもそも規制の対象から除かれる。
  • 「役職員」とは、地方公共団体の執行機関の組織、議会の事務局、特定地方独立行政法人の職員又は役員をいう。
  • 「契約等事務」とは、地方公共団体と営利企業等との間の売買、貸借、請負その他の契約に関する事務、及び行政手続法第2条第2号の処分に関する事務をいう。
  • 「人事委員会規則」は、人事委員会を置かない団体では地方公共団体の規則に読み替えられる。規制の細目が規則に委ねられているため、自団体の規則を確認しなければ規制範囲は確定しない。

第8号「働きかけに応じた職員」

第4号から第7号までの要求又は依頼を受けた現職職員が、それを理由として職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかった場合を処罰する。働きかけを受けただけでは処罰されず、実際に職務上の判断が歪んだことが要件となる。なお、働きかけを受けた職員には人事委員会又は公平委員会への届出義務があるが(第38条の2第7項)、届出を怠ったこと自体に対する罰則は置かれていない。

刑罰と過料の分かれ目

再就職者の働きかけには、第60条の刑罰と第64条の過料という2段階の制裁がある。分かれ目は、求めた内容が「職務上不正な行為」であったかどうかである。不正な行為を求めれば第60条により拘禁刑又は罰金、単に職務上の行為をするよう働きかけただけであれば第64条により10万円以下の過料となる。過料は行政上の秩序罰であり、前科にはならない。

罰則章の全体像

第60条の位置づけを理解するため、第五章の構成を整理する。

  • 第60条 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(差別、秘密漏示、指示不服従、再就職者の働きかけ、これに応じた職員)
  • 第61条 3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(人事委員会・公平委員会の証人喚問への不応答や虚偽陳述、第15条に違反する任用、受験の阻害、争議行為のあおり、勤務条件に関する措置要求の妨害)
  • 第62条 第60条第2号、第61条第1号から第3号まで及び第5号の行為を企て、命じ、故意に容認し、そそのかし、ほう助した者を各本条の刑に処する
  • 第63条 3年以下の拘禁刑(再就職のあっせんや求職と職務上不正な行為とを引き換えにする類型。刑法に正条があるときは刑法による)
  • 第64条 10万円以下の過料(不正な行為を伴わない働きかけ)
  • 第65条 第38条の6第2項の条例に10万円以下の過料の規定を設けることができる

昇任試験で問われやすいのは第62条の射程である。第62条が引く先は第60条第2号と第61条の一部にとどまり、第60条第1号(差別)、第3号(指示不服従)、第4号から第8号まで(退職管理)、第61条第4号(争議行為のあおり)は含まれない。秘密漏示だけが教唆・幇助類型として独立に処罰される構造になっている点を押さえておきたい。

また、第60条から第63条までの罪を犯して刑に処せられた者は、人事委員会・公平委員会の委員となることができず(第9条の2第3項)、委員の職にあってこれらの罪を犯し刑に処せられた者は欠格条項に該当する(第16条第3号)。

判例・裁判例

秘密の意義(最決昭和52年12月19日 徴税トラの巻事件)

国家公務員法第100条第1項の「秘密」について、最高裁は、行政機関が形式的に秘扱いの指定をしただけでは足りず、非公知の事項であって実質的にも秘密として保護するに値すると認められるものをいう、との解釈を示した。事案は税務署の所得標準率表を漏らしたもので、公表すれば申告納税制度の健全な発展を妨げ脱税を誘発するおそれがあることから、秘密該当性が肯定された。

この実質秘の考え方は地公法第34条第1項の解釈にもそのまま用いられている。実務上の含意は二方向にある。文書に「秘」の印が押してあれば当然に第60条第2号の対象になるわけではない一方、指定がされていない情報でも実質的な要保護性があれば処罰対象となりうる。情報公開請求で不開示となる情報の範囲と、刑罰の対象となる秘密の範囲は一致しない。

そそのかしの意義(最決昭和53年5月31日 外務省秘密漏えい事件)

国家公務員法第111条にいう「そそのかし」とは、秘密漏示行為を実行させる目的で、公務員に対しその決意を新たに生じさせるに足りる働きかけをすることをいうとされた。報道機関による取材であっても、それだけで違法性が推定されるわけではなく、真に報道目的であり手段・方法が社会観念上是認される限りは正当な業務行為となる。しかし本件では、取材対象者の人格を著しく踏みにじる手段が用いられたとして、正当な取材活動の範囲を逸脱すると判断された。

同条は地公法第62条に対応する。第62条は行為主体を職員に限定していないため、職員以外の者が秘密漏示をそそのかした場合も処罰対象となりうる。本決定は、この点を国家公務員法について具体化した先例として参照される。

捜査情報の漏えい(東京地判令和8年3月25日)

警視庁暴力団対策課の元警部補が、捜査対象であったスカウトグループの関係者に対し、捜査用カメラの撮影画像や設置場所の一覧を提供したとして地公法違反(守秘義務)の罪に問われた事案である。東京地裁は懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した。高度の秘密性を有する捜査情報を3回にわたり漏らした刑事責任は重いとしつつ、関係を断つと約束していることなどから執行猶予が付された。被告人は金品の授受を否定し、動機を職場での処遇への不満によるものと説明していた。

法定刑は1年以下であるにもかかわらず宣告刑が1年6月に及んでいる点は、実務上の理解を要する。複数回の漏えいは併合罪となり、刑法第47条により最も重い罪の長期に2分の1を加えた範囲まで処断できるためである。1回の漏えいなら上限1年でも、繰り返せば1年6月まで科されうる。

捜査資料の漏えい(鹿児島地判令和6年8月5日)

鹿児島県警の元巡査長が事件関係者の実名を含む捜査資料を外部に渡したとされる事案で、懲役1年、執行猶予3年が言い渡された。都道府県警察の警察官は一般職の地方公務員であり、地公法第34条・第60条第2号の適用対象となる。この2件が示すとおり、第60条第2号の適用事例は警察職員による捜査情報の漏えいが大きな比重を占めている。

特別職と守秘義務(兵庫県における秘密漏えい疑いの事案)

兵庫県は、告発文書を作成した元県民局長の公用パソコン内にあった私的情報が外部に流出したとされる問題について、弁護士による第三者調査委員会を設置し、令和7年5月13日と同月27日に調査報告書を公表した。報告書は、当該情報が県保有情報と同一であり、県職員から漏れた可能性が極めて高いと指摘した。県は容疑者不詳のまま地方公務員法違反(守秘義務)の疑いで告発状を提出し、兵庫県警は令和7年6月2日にこれを受理している。

この事案が浮き彫りにしたのは、地公法第34条が一般職の職員にのみ適用され(第4条)、知事などの特別職は同条の名宛人とならないという構造である。もっとも、第62条は「企て、命じ、故意にこれを容認し、そそのかし、又はそのほう助をした者」と定めるだけで主体を職員に限っていないため、職員に秘密を漏らさせた側の責任が問われる余地は条文上残されている。前記の外務省秘密漏えい事件は、まさに職員でない者が処罰された先例である。

適用例が見当たらない類型

第1号(差別)と第3号(人事委員会の指示への不服従)について、公表された有罪事例は見当たらない。差別的取扱いは行政訴訟や不利益処分審査請求で争われるのが通常であり、故意の立証を要する刑事事件として立件されることはほとんどない。第4号から第8号までの退職管理関係も、平成28年の施行以降、公表された適用例は確認できない。処罰規定の存在自体が抑止として機能している領域と、実際に発動される領域とを区別して理解しておく必要がある。

国家公務員法との比較

国家公務員法第109条は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を定め、法定刑は地公法第60条と一致する。同条第1号が第27条違反の差別を、第12号が第100条第1項違反の秘密漏示を掲げる構造も対応している。教唆・幇助類型を独立に処罰する国家公務員法第111条が地公法第62条に対応することは前述のとおりである。

再就職規制については、監視主体に違いがある。国では内閣府に置かれた再就職等監視委員会が承認や監視を担うのに対し、地方では人事委員会又は公平委員会と任命権者が役割を分担する。任命権者は規制違反の疑いを認めたときは委員会に報告し(第38条の3)、調査に着手するときは通知し、終了時に結果を報告する(第38条の4)。委員会は任命権者に調査を求めることができる(第38条の5)。規制の細目も、国では政令・内閣官房令によるのに対し、地方では人事委員会規則と条例による。地方の実務では、この規則と条例を読まなければ規制の輪郭が定まらない。

国家公務員倫理法との関係も確認しておきたい。同法は利害関係者との接触に関する行為規範と贈与の報告制度を中心とする法律であり、地公法第60条各号に対応する秘密漏示や差別の処罰規定は置かれていない。倫理法制と罰則規定は別系統の仕組みである。

実務上の留意点

故意犯であること

第60条各号はいずれも故意犯であり、過失による情報流出は処罰されない。USBメモリの紛失、宛先を誤ったメール送信、書類の置き忘れは、第60条第2号の構成要件を満たさない。ただし懲戒処分(第29条)の対象にはなり、住民に損害が生じれば国家賠償責任の問題も生じる。刑事責任がないことと、責任を問われないこととは別である。

未遂・両罰規定の不存在

未遂を処罰する規定はなく、法人を処罰する両罰規定も置かれていない。再就職者が所属する営利企業等が第60条により処罰されることはない。

公訴時効

法定刑の長期が5年未満の拘禁刑であるため、公訴時効は3年である(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。退職後に発覚する情報漏えいでは、時効の起算点である行為時からの経過が問題となりやすい。

有罪判決と失職

拘禁刑に処せられれば、執行猶予が付いていても第16条第1号の欠格条項に該当し、第28条第4項により当然失職する。辞令を要しない。他方、罰金刑にとどまれば欠格条項には当たらず、失職はしない。第60条が拘禁刑と罰金を選択刑としていることの実務的な意味はここにある。起訴された段階でも、第28条第2項第2号により休職とすることができる。

他法令の罰則との関係

住民基本台帳法や個人情報保護法にも、職員による情報の不正な提供や漏えいを処罰する規定が置かれており、地公法第60条第2号より重い法定刑が定められている場合がある。住民記録、税務、福祉の各分野で情報を扱う職員には、地公法だけを見ていては足りない。どの法令の罰則が適用されるかは、漏れた情報の性質と漏らし方によって変わる。

第34条第2項の許可を忘れない

訴訟や審査手続で証人・鑑定人となり、職務上の秘密を発表する場面では、任命権者の許可が必要である(第34条第2項)。許可を得ずに証言すれば第60条第2号に該当しうる。裁判所からの照会や弁護士会照会への回答も、内容によっては同様の検討を要する。庁内の決裁ルートをあらかじめ確認しておきたい。

退職管理の規則と条例を確認する

第4号から第7号までの適用範囲は、人事委員会規則で定める役職員の範囲、対象となる職、条例による上乗せの有無によって団体ごとに異なる。退職前の職員説明会では、自団体の退職管理条例と人事委員会規則を示しながら、働きかけの禁止期間と対象範囲を具体的に伝えることが求められる。また、第38条の2第6項各号の適用除外と、同項第6号の任命権者の承認手続を周知しておけば、再就職者と現職職員の双方が過剰に萎縮することを避けられる。

昇任試験での問われ方

係長・課長昇任試験では、第60条と第61条の法定刑の区別、第62条が及ぶ範囲、第60条第4号と第64条の過料との区別が問われやすい。論文では、守秘義務違反を懲戒処分の問題としてのみ論じるのではなく、刑事罰と失職まで射程が及ぶことに触れると、制度理解の深さを示すことができる。

参考資料

◆自治体研修850回超の行政書士が、係長・課長昇任試験の論文を1本から添削します。 https://compliance21.com/promotion-examination-lg/

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