本連載は、令和7年法律第62号による改正後の公益通報者保護法(令和8年12月1日施行)を、第1条から第24条まで順に読み解くものである。今回は第4章雑則の第18条を扱う。第15条から第16条までが個別の事業者に向けられた権限規定であるのに対し、第18条は不特定多数に向けられた情報活動の規定であり、制度全体の土台を支える位置にある。


1 条文原文

(内閣総理大臣による情報の収集、整理及び提供)

第十八条 内閣総理大臣は、公益通報及び公益通報者の状況に関する情報その他その普及が公益通報者の保護及び公益通報の内容の活用による国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守に資することとなる情報の収集、整理及び提供に努めなければならない。

一項のみで構成され、ただし書も号もない。条文としては1文であるが、修飾関係が入り組んでいるため、後述する構造分解を経ないと読み違えやすい。


2 条文の構造分解

新人担当者が最初につまずくのは「その普及が……資することとなる情報」という部分である。ここを分解すると次の四つの要素になる。

要素内容
主体内閣総理大臣(第19条により、政令で定めるものを除き消費者庁長官に委任される)
対象情報①公益通報及び公益通報者の状況に関する情報
対象情報②その他、その情報が普及することが「公益通報者の保護」及び「公益通報の内容の活用による法令遵守」に資することとなる情報
行為収集、整理及び提供
義務の水準努めなければならない(努力義務)

対象情報②の読み方が難所である。「その普及が」の「その」は情報を指し、「普及」が主語、「資することとなる」が述語となる。つまり、その情報が世の中に広まることによって、次の二つの結果に結びつく情報が対象となる。

第一に、公益通報者の保護に資すること。第二に、公益通報の内容の活用による、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守に資すること。この二つは第1条の目的規定に掲げられた二本柱をそのまま写したものであり、第18条が第1条の目的を情報面から実現する条文であることを示している。

対象情報①は例示ではなく、②に対する前置きである。①で通報の実態そのものを挙げ、②で制度の理解を助ける一般的知識まで射程を広げる構造になっている。したがって、通報件数や不利益取扱いの発生状況といった実態データだけでなく、法令の解釈指針、裁判例の分析、他社の取組事例、海外制度の情報なども②に含まれる。


3 令和7年改正における位置づけ(新旧対照)

改正案(令和8年12月1日施行)現行(令和7年改正前)
第十八条(内閣総理大臣による情報の収集、整理及び提供) 同左第十八条(内閣総理大臣による情報の収集、整理及び提供)

令和7年改正の新旧対照条文は、第16条の後に第20条(適用除外)が続く構成となっており、第17条から第19条までは対照表に掲載されていない。傍線部分が改正部分であるという凡例に照らせば、第18条は条数・見出し・本文のいずれについても令和7年改正の対象外である。

この点は、第15条・第16条が大幅に組み替えられ、第15条の2が新設されたこととの対比で理解する必要がある。令和7年改正は、行政の権限行使の側(助言・指導・勧告・命令・報告徴収・立入検査)を強化する一方、情報活動の側は既存の枠組みを維持した。強化された権限を適切に行使するための前提事実を、第18条の情報収集がなお支えるという構造である。

なお、第20条の適用除外は第15条から第16条までを対象としており、第17条と第18条には及ばない。したがって、国及び地方公共団体は、第15条の2の勧告・命令や第16条の立入検査の対象外である一方で、第18条にいう「公益通報及び公益通報者の状況に関する情報」の収集対象からは外れない。行政機関を対象とする施行状況調査が毎回実施されているのは、この条文構造による。地方公共団体のコンプライアンス担当者は、この非対称性を押さえておく必要がある。


4 立法沿革

4-1 平成16年制定時

平成16年法律第122号として制定された当初の公益通報者保護法は全11条であり、第18条に相当する規定は存在しなかった。制定当時、法及びガイドラインの周知・啓発は、旧内閣府国民生活局が広報資料の作成・配布や説明会を通じて事実上行っており、法律上の根拠規定を欠いたまま運用されていた。組織法上の任務の範囲内であれば非権力的な情報活動に個別の作用法上の根拠は要しないという行政法の一般理解に依拠していたことになる。

4-2 令和2年改正による新設

令和2年法律第51号による改正で、第4章雑則が拡充され、第18条が新設された。背景には、平成30年12月の消費者委員会公益通報者保護専門調査会報告書に至る一連の検討がある。制度発足から10年以上が経過してもなお、労働者の制度認知度が上がらず、事業者の体制整備も進まないという実態が、消費者庁の実態調査によって繰り返し確認されていた。

法律上の根拠規定を置く実益は二つある。第一に、情報活動が消費者庁の恒常的な所掌事務であることを法律で確認し、予算要求と人員配置の裏づけとする点である。第二に、政権交代や組織再編を経ても情報基盤の整備が継続されることを担保する点である。事実行為であるから根拠は不要という理屈は、行為の適法性の説明にはなっても、その継続性の保証にはならない。

4-3 令和7年改正での扱い

令和7年改正は第18条を触っていない。ただし、改正法附則第9条は、施行後3年を目途として施行の状況を勘案し、規定について検討を加えるものとしている。従前の5年後見直しが衆議院修正により3年後見直しに短縮された経緯があり、次期改正までの時間は短い。

さらに、令和7年6月2日の参議院消費者問題に関する特別委員会の附帯決議は、第六項において、濫用的通報が公益通報対応業務従事者等の負担となっていることに鑑み、消費者庁が濫用的通報の実態を調査し、その結果を踏まえて必要な措置を検討すべきものとしている。第九項では、附則第9条に基づく見直しに関し、通報妨害及び通報者探索に対する規制の在り方、保護される者の範囲の拡大、通報対象事実の範囲の見直し等について、速やかに随時立法事実の収集に努めるべきものとしている。

いずれも、第18条の情報収集機能を前提とした要請である。第18条は改正されなかったが、次期改正の内容を実質的に規定する立法事実は、この条文の運用から生み出される。


5 用語解説

努力義務

「努めなければならない」という文言で課される義務をいう。行為義務そのものは課されるが、結果の達成までは求められず、違反に対する制裁も予定されていない。第18条には罰則(第21条から第24条まで)の適用がなく、第15条の2の勧告・命令の対象にもならない。もっとも、法的意味が皆無というわけではない。国家賠償法第1条第1項の職務上の法的義務違反の有無を判断する際の考慮要素にはなり得る。

訓示規定

行政機関の内部的な行為規範を定め、違反しても行為の効力に影響しない規定をいう。第18条を純然たる訓示規定と解する余地はあるが、後述する規制権限不行使の判例法理を踏まえると、著しい懈怠まで免責されるわけではない。

非権力的行政作用

相手方の権利義務を一方的に変動させることなく行われる行政の活動をいう。情報提供、行政指導、給付、調査協力の依頼などが含まれる。第18条の情報活動はこれに当たり、第16条第1項の立入検査(間接強制を伴う権力的調査)とは性質を異にする。

作用法と組織法

作用法とは、行政が私人に対して権限を行使する根拠を定める法をいい、組織法とは、行政機関の設置と所掌事務の範囲を定める法をいう。消費者庁設置法は組織法である。非権力的作用については組織法上の根拠で足りるとされるが、第18条は作用法である公益通報者保護法の中に情報活動の根拠を明記した点に特徴がある。

規制権限の不行使

行政庁が法令上有する規制権限を行使しなかったことをいう。その不行使が許容される限度を著しく超えて著しく合理性を欠くと認められるときは、国家賠償法上違法となる。

技術的助言

地方自治法第245条の4第1項に基づき、各大臣が普通地方公共団体に対して行う助言又は勧告をいう。地方公共団体は第15条の2以下の行政措置の対象外であるため、消費者庁が地方公共団体の通報対応に関与する主たる法的手段はこの技術的助言となる。第18条の情報提供と重なり合う場面が多い。


6 要件と効果の逐語的検討

6-1 主体 ― 内閣総理大臣と消費者庁長官

条文上の主体は内閣総理大臣である。ただし第19条により、この法律による権限は政令で定めるものを除いて消費者庁長官に委任される。実務上、第18条の情報活動を担うのは消費者庁参事官(公益通報・協働担当)室である。

企業や自治体の担当者が接する各種の刊行物、ウェブサイト、相談窓口はすべてこの委任の下にある。公益通報者保護制度相談ダイヤル、公益通報の通報先・相談先の行政機関検索システム、公益通報ハンドブック、公益通報者保護制度Q&A、はじめての公益通報者保護法とその導入支援キットは、いずれも第18条の「提供」の具体的な現れである。

6-2 「収集」

情報を集める行為である。手段としては、事業者及び労働者に対するアンケート調査、行政機関に対する施行状況調査、裁判例の収集、海外制度の委託調査、関係行政機関に対する照会(第17条)、事業者からの報告徴収(第16条)などがある。

第16条の報告徴収は第11条の施行に必要な限度に限られ、目的外の一般統計収集には使えない。第18条の一般的な情報収集は任意の協力を前提とする調査によることになる。行政機関施行状況調査の有効回答率が95パーセントにとどまる(府省庁100パーセント、都道府県100パーセント、市区町村94.8パーセント。令和5年度調査)のは、この任意性の反映である。

6-3 「整理」

収集した生の情報を、利用可能な形に加工する行為である。単なる保管ではなく、分類、統計処理、論点の抽出、解釈の付与が含まれる。消費者庁が令和4年度に実施した裁判例収集事業では、平成18年4月から令和4年5月までの判決を対象として、裁判例一覧に加えて論点整理表が作成・公表された。判決文を並べるだけでなく論点別に整理した点に「整理」の実質がある。

6-4 「提供」

整理された情報を外部に届ける行為である。提供先は限定されておらず、事業者、労働者、地方公共団体、報道機関、研究者、一般国民のいずれもが名宛人となり得る。

提供の方法についても条文は沈黙している。裁量が広い分、後述するカイワレ大根事件判決が示すとおり、提供の内容と方法の適切さについては司法審査が及ぶ。「努力義務だから何をしてもよい」という帰結にはならない。

6-5 努力義務の法的意味

第18条の義務違反に対する直接の制裁はない。しかし、次の三つの局面で法的意味を持つ。

第一に、行政の作為義務の解釈である。他の法令上の権限行使が問題となる場面で、第18条が消費者庁に情報活動の責務を課していることは、当該行政庁が制度実態を把握していたか、把握すべきであったかを判断する際の前提となる。

第二に、国家賠償である。情報提供の懈怠が権限不行使の違法に当たるかは、規制権限不行使に関する判例法理に沿って判断される。努力義務であることは違法性を否定する決定的理由にはならない。

第三に、誤った情報提供の違法性である。積極的に情報を提供した以上、その内容と方法には正確性と相当性が求められる。この点は次章で扱う。


7 隣接条文との関係

7-1 第15条・第15条の2との関係

第15条は助言及び指導、第15条の2は勧告及び命令等を定める。いずれも特定の事業者に向けられた個別的作用である。これに対し第18条は一般的・不特定多数向けの情報活動である。両者は補完関係にある。実態調査で体制未整備の事業者類型が判明すれば、そこに助言・指導の資源を集中できる。逆に、助言・指導の現場で得た知見は、次の情報提供の素材となる。

7-2 第16条との関係

第16条第1項の立入検査は第11条第1項の施行に必要な限度に限られ、第4項は当該権限が犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定める。目的外利用の禁止という趣旨からすれば、立入検査で得た個別事業者の情報を、そのまま第18条の「提供」に用いることはできない。統計処理や匿名化を経て、個別性が失われた形でのみ利用可能となる。

7-3 第17条との関係

第17条は、この法律の規定に基づく事務に関し、関係行政機関に対して照会し、又は協力を求めることができる旨を定める。第18条の情報収集を実行する手段として機能する。行政機関施行状況調査が府省庁から回答を得られるのは、この照会・協力要請の枠組みによる。

7-4 第19条との関係

第19条により権限は消費者庁長官に委任される。第18条を読む際には、条文上の「内閣総理大臣」を実質的に「消費者庁」と読み替えて差し支えない。

7-5 第20条との関係

第20条は、第15条から第16条までの規定を国及び地方公共団体には適用しないとする。第17条と第18条は除外されていない。この結果、次の帰結が導かれる。

国及び地方公共団体は、勧告・命令・立入検査の対象とならない。しかし、その通報対応の実態は第18条にいう「公益通報及び公益通報者の状況に関する情報」として収集され、整理され、公表される。行政機関施行状況調査における自治体名を含む個別回答の公表は、この枠組みに立つ。制裁は及ばないが、実名を伴う実態の公表という形での規律は及ぶ。参議院附帯決議第五項が第20条の除外規定の在り方の検討を求めたのは、この規律手法の限界が意識されたためである。


8 判例・裁判例

8-1 行政の情報提供が違法とされた事例 ― カイワレ大根事件

東京高判平成15年5月21日判時1835号77頁は、平成8年の腸管出血性大腸菌O157集団食中毒に関する厚生大臣の中間報告の公表について、国家賠償法第1条第1項の違法を認め、生産者らの請求を一部認容した。

判旨は、中間報告の疫学的判断及び結論そのものに不合理な点は認められないとしつつ、記者会見における公表の方法を問題とした。所管行政庁として、何について注意を喚起し、どのような行動を期待するのかという判断と意見を明示しないまま、断定に至っていない曖昧な内容をそのまま公表した結果、当該食材が原因食材であると疑われているとの誤解を広く生じさせ、市場における評価の毀損を招いたと認定した。生産・販売事業が困難に陥ることは容易に予測できたとして、公表の違法性を肯定している。

第18条の運用にとって、この判決は次の示唆を与える。情報提供が努力義務にとどまるとしても、いったん提供する以上、その内容の確度、表現、公表の方法、想定される受け手の受け止めについては相当性が要求される。公益通報に関する統計や事案の概要を公表する際、通報を受けた段階の未確定情報を確定事実のように示せば、被通報者である事業者や職員の名誉・信用を毀損し、国家賠償責任を生じさせ得る。指針の解説が運用実績の開示について「適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において」という限定を置いているのと同じ発想である。

8-2 規制権限の不行使と情報提供の懈怠

最判平成16年4月27日民集58巻4号1032頁(筑豊じん肺事件)は、規制権限の不行使が、その許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは、その不行使により被害を受けた者との関係において国家賠償法第1条第1項の適用上違法となるとの枠組みを示した。同判決は、じん肺に関する医学的知見が確立した後も省令改正等の権限を行使しなかった点について、違法を認めている。

最判平成26年10月9日民集68巻8号799頁(泉南アスベスト事件)は、この枠組みを踏襲し、石綿の危険性に関する知見が集積した後に労働大臣が省令制定権限を行使せず、排気装置の設置義務付けや危険性の表示・掲示を定めなかったことを違法とした。危険情報の周知に関わる不作為が国家賠償を基礎づけた例として位置づけられる。

これらは第18条に直接適用される先例ではない。しかし、努力義務規定であっても、その趣旨に照らして行政が当然に把握・提供すべき情報を長期にわたって放置し、それによって具体的な被害が生じた場合には、違法評価の可能性が残ることを示す。第18条の義務水準を「努力義務だから何もしなくてよい」と読むのは、判例の到達点と整合しない。

8-3 収集対象としての公益通報関係裁判例

第18条の「収集」の対象そのものとして扱われる裁判例群がある。消費者庁の裁判例収集事業では、平成18年4月から令和4年5月までの公益通報者保護法に関する判決が対象とされた。この対象期間には、内部告発を理由とする配転・処遇差別が争われたトナミ運輸事件(富山地判平成17年2月23日労判891号12頁)や、社内通報後の配転の違法性が問題となったオリンパス事件(東京高判平成23年8月31日労判1035号42頁)といった、企業実務に大きな影響を与えた判決が含まれる。

これらの判決が個別紛争の解決を超えて制度設計の資料となったのは、行政が判決を収集し、論点別に整理し、公開したためである。第18条の「収集、整理及び提供」という三段構えの意味が、ここに端的に現れている。


9 消費者庁による第18条の実施状況

9-1 民間事業者に対する調査

令和5年度の民間事業者等における内部通報制度の実態調査(令和6年4月公表)では、内部通報制度を導入している事業者は71.9パーセント、導入していない事業者は28.1パーセントであった。上場している事業者では導入割合が99.1パーセントに達する一方、上場していない事業者では15.4パーセントにとどまる。

制度を導入している事業者における不正発見の端緒としては、窓口や管理職等への内部通報が76.8パーセントで最も多く、内部監査や上司による業務チェックを上回っている。平成28年度調査における同項目は58.8パーセントであり、内部通報が不正発見の主要経路として定着してきたことが読み取れる。

導入効果については、制度を導入している事業者の81パーセントが従業員のコンプライアンス意識の向上につながっていると回答し、73パーセントが違反行為を是正する機会の拡充につながっていると回答している。効果を感じていないとの回答は10パーセントであり、そのうち72パーセントは窓口の年間受付件数を0件と回答している。制度を作っただけで使われていない状態が、効果を実感できない主因であることを示すデータである。

9-2 行政機関に対する調査

令和5年度行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査(令和6年4月公表、その後複数回の修正あり)は、府省庁35機関、都道府県47機関、市区町村1,741機関を対象とし、全体で95パーセントの回答を得た。

内部通報窓口の設置率は、府省庁(外局を含まない24機関)及び都道府県が100パーセント、市区町村は70パーセント(1,214機関)である。市区町村のうち従業員数300人超の975機関に限れば89パーセント(869機関)となる。平成29年3月時点の市区町村全体の設置率54.8パーセントからは大幅な改善が見られる。

従事者の指定率は、府省庁100パーセント、都道府県96パーセント(45機関)、市区町村54パーセント(945機関)である。300人超の市区町村974機関でも73パーセント(710機関)にとどまる。内部規程の制定率は、府省庁100パーセント、都道府県98パーセント(46機関)、市区町村48パーセント(838機関)、300人超の市区町村で68パーセント(664機関)である。

窓口は作ったが従事者を指定していない、規程を定めていないという段階的な未整備が、市区町村において広く残存していることが数値から読み取れる。

周知の状況はさらに厳しい。従業員300人超の行政機関に勤める公務員のうち、勤め先の内部通報窓口の存在を認知している割合は44.6パーセントであり、設置されているか分からないと回答した者が44.4パーセントを占める。他方で、職員等に研修を実施している行政機関は7.1パーセントにすぎず、周知・研修等を実施していない行政機関が21.6パーセントに上る。窓口を知ったきっかけとしては社内研修・説明会が42.7パーセントで最多であり、研修の有無が認知度を左右する関係が示されている。

外部の労働者等からの通報の受理件数は、府省庁(外局を含まない)で平成29年度7,694件、平成30年度10,759件、令和3年度13,686件、令和4年度24,460件と推移し、是正措置を講じた件数も平成29年度4,862件から令和4年度12,833件へ増加している。都道府県では令和3年度337件から令和4年度451件、市区町村では令和3年度158件から令和4年度270件へと増加した。令和2年改正の施行日である令和4年6月1日を含む令和4年度に件数が最多となっている。

9-3 是正指導件数の公表

消費者庁は令和8年4月15日、公益通報者保護法第15条に基づく是正指導(助言、指導及び勧告)の件数を公表した。令和5年度24件、令和6年度6件、令和7年度17件である。年度による変動が大きく、件数の水準そのものよりも、公表という手法が定着したことに意義がある。令和8年12月1日の改正法施行後は、第15条の2の勧告・命令、第16条の報告徴収・立入検査の運用状況が同様に公表対象となることが見込まれる。

9-4 認証制度の廃止と情報政策の転換

内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)は、内部公益通報制度に対する労働者等の信頼性の向上と、体制整備に対する事業者のインセンティブ向上を図る目的で平成30年に創設され、指定登録機関において運営されてきたが、令和4年2月から休止していた。消費者庁は、令和2年改正による体制整備義務の法定化と令和7年改正による行政措置権限の強化を踏まえ、今後は一層の周知啓発と執行体制の強化により対応するとして、この認証制度を廃止する方針を示している。

事業者側から見れば、第三者による認証という外形的な信頼の担保手段が失われたことになる。制度の実効性を対外的に示す手段は、自らの運用実績の開示に移る。この点は次章で扱う。


10 企業実務への落とし込み

10-1 情報の受け手としての企業

第18条は事業者に義務を課す条文ではない。しかし、事業者の体制整備義務(第11条)の履行水準は、消費者庁が提供する情報をどれだけ取り込んでいるかによって左右される。指針及び指針の解説、公益通報ハンドブック、公益通報者保護制度Q&A、導入支援キット(規程例、通報受付票の例、従事者向け研修動画等)は、いずれも無償で公開されている。行政措置の場面で「知らなかった」という弁明が通りにくい環境が、第18条の運用によって形成されている。

体制整備の中核をなす内部規程について、独自に一から起案する必要はない。消費者庁が公表する規程例を出発点とし、自社の組織形態と事業リスクに合わせて調整する手順が、労力と品質の両面で合理的である。

10-2 情報の出し手としての企業

指針第4の3(2)ハは、内部公益通報受付窓口に寄せられた内部公益通報に関する運用実績の概要を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、労働者等、特定受託業務従事者及び役員に開示することを求める。

指針の解説は、運用実績の例として、過去一定期間における通報件数、是正の有無、対応の概要、内部公益通報を行いやすくするための活動状況を挙げる。開示の内容・方法を検討する際には、公益通報者を特定させる事態が生じないよう十分に留意する必要があるとし、公益通報とそれ以外の通報とを厳密に区別する必要はないとしている。

さらに指針の解説は、推奨事項として、運用実績の概要や体制の評価・点検の結果をCSR報告書やウェブサイト等を活用して開示し、実効性の高いガバナンス体制を構築していることを対外的に示すことが望ましいとする。認証制度が廃止された以上、この対外開示が、制度の実効性を市場に伝える主要な手段となる。

10-3 開示の設計にあたっての留意点

カイワレ大根事件判決の示唆を、社内開示・社外開示の双方に落とし込む必要がある。調査未了の段階の通報内容を、あたかも認定事実であるかのように記載すれば、被通報者の名誉毀損となる。逆に、件数のみを機械的に開示すれば、制度が機能しているかどうかの判断材料にはならない。

実務上は、次の粒度を目安とするとよい。年間の受付件数と、そのうち調査に着手した件数、是正措置に至った件数を数値で示す。事案の類型はハラスメント、会計不正、法令違反等の大分類にとどめる。個別事案の概要を記載する場合は、部署名、時期、当事者の属性を特定できない水準まで抽象化する。前年度との比較を付し、件数の増減について制度の周知度との関係で評価を加える。

10-4 実態調査データの社内活用

前掲の実態調査データは、経営層に対する説得材料として使える。不正発見の端緒として内部通報が76.8パーセントを占め、内部監査を上回るという数値は、内部通報制度が監査機能の補完ではなく主軸であることを示す。また、効果を感じていない事業者の72パーセントが受付件数0件であるという数値は、通報件数の少なさを「不正がない証拠」と解釈する誤りを正す材料となる。

窓口の年間受付件数が0件である状態は、健全性の証明ではなく、周知不足または信頼不足の徴表として扱うべきである。この認識を経営層と共有できるかどうかが、制度の実質化の分岐点となる。


11 地方公共団体における実務

11-1 ガイドラインが定める消費者庁の役割

公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン(内部の職員等からの通報)は、令和8年5月29日最終改正版の5(5)において、消費者庁の役割を三点にわたって定める。

第一に、地方公共団体における内部公益通報対応体制の適切な整備及び運用並びに個別の通報事案に対する適切な対応を確保するため、各地方公共団体に対して必要な助言、協力、情報の提供その他の援助を行うものとする。

第二に、法の施行状況を把握するため、各地方公共団体における内部公益通報受付窓口の設置及び運用状況、通報への対応状況、職員等への研修の実施状況等について調査を行い、その結果を公表する。

第三に、体制の適切な整備及び運用に関して、各地方公共団体の職員への周知、研修等を実施するとともに、各地方公共団体が職員等に対して同様の取組を行うに際して、資料の提供、説明その他必要な協力を行う。

これらは第18条の「収集、整理及び提供」を地方公共団体との関係で具体化したものである。外部の労働者等からの通報に関するガイドライン(同日最終改正)の6(6)にも、ほぼ同内容の規定が置かれ、事業者及び労働者等への広報、説明会等の実施が加えられている。

11-2 都道府県の役割

内部ガイドライン5(6)は、各都道府県が、区域内の市区町村における体制の適切な整備及び運用並びに個別の通報事案に対する適切な対応を確保するため、市区町村相互間の連絡調整及び市区町村に対する必要な助言、協力、情報の提供その他の援助を行うよう努めるものとする。外部ガイドライン6(7)にも同旨の定めがある。

第18条の主体は内閣総理大臣であるが、その実効性は都道府県による中間的な情報媒介に依存する。前章で見たとおり、市区町村の従事者指定率は54パーセント、内部規程制定率は48パーセントにとどまる。1,741の市区町村に消費者庁が直接接触することは現実的でなく、都道府県の市町村担当課が、県内市町村の担当者会議、研修、規程例の横展開を担う構造となる。

県のコンプライアンス担当者にとっては、自団体の体制整備に加え、区域内市町村への情報提供が努力義務として課されていることを認識しておく必要がある。

11-3 自団体における公表義務

内部ガイドライン5(4)①は、内部公益通報対応体制の運用状況についての透明性を高め、客観的な評価を可能とするため、各地方公共団体が、通報に関する秘密保持及び個人情報の保護並びに適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じない範囲において、体制の運用状況に関する情報を定期的に公表するものとする。

公表対象として例示されているのは、通報受付件数、通報事案の概要、通報事案の調査結果の概要、調査の結果とった措置、調査対応状況の概要、通報対応に要した期間である。民間事業者の場合、指針が求める運用実績の開示先は労働者等・特定受託業務従事者・役員に限られるのに対し、地方公共団体では対外的な「公表」が求められている点に差がある。住民に対する説明責任の帰結である。

同ガイドライン3(5)は、各地方公共団体が必要と認める事項を適宜公表するものとし、個別事案についても一定の公表が予定されている。何を公表し何を伏せるかの線引きは、カイワレ大根事件判決が示した相当性の枠組みと、情報公開条例の不開示情報の規律を併せて検討する必要がある。

11-4 調査から是正への連鎖 ― 窓口未設置団体への対応

令和5年度の施行状況調査では、常時使用する職員が301人以上であり体制整備義務を負うにもかかわらず内部通報窓口を設置していない市区町村の存在が明らかになった。その後、消費者庁が該当団体に個別に連絡を行い、令和7年改正の国会審議の過程では、義務を負う市区町村のすべてにおいて窓口が設置済みとなったことが示されている。

地方公共団体は第15条の2の勧告・命令の対象外であるから、この是正は権限行使によるものではない。調査による実態把握(第18条の収集)、結果の公表(同提供)、個別の連絡(地方自治法第245条の4第1項の技術的助言)という非権力的手段の組合せによって達成された。第18条の実務的な威力を示す事例である。

裏返せば、公表という手法が機能するのは、公表される側に説明責任の圧力が働く場合に限られる。窓口を設置したが従事者を指定していない、規程を制定していないという半端な状態が広く残っていることは、公表の圧力が形式的な指標にしか及んでいないことを示唆する。

11-5 兵庫県の事案と附帯決議

地方公共団体における公益通報制度の運用をめぐっては、兵庫県において、県職員が作成した文書に関する通報の取扱いが問題となった事案が社会的な関心を集め、第三者委員会による調査が行われた。同事案は、地方公共団体が第15条の2以下の行政措置の対象外であることの帰結を、現実の問題として可視化した。

参議院附帯決議第五項は、昨今の地方公共団体における公益通報制度に係る事案を念頭に、消費者庁が地方公共団体に対する地方自治法に基づく技術的助言を行うとともに、地方自治の本旨を踏まえ、法第20条にある国及び地方公共団体への除外規定の在り方について検討を行うべきものとしている。

現行制度の下では、消費者庁が地方公共団体に対して取り得る手段は、技術的助言と、第18条に基づく情報の収集・整理・提供に限られる。自治体側から見れば、外部から強制されない領域であるがゆえに、自らの体制の質を自ら証明する責任が重い。運用状況の定期的な公表は、その証明手段として位置づけられる。


12 指針及び指針の解説との接続

第18条は事業者に対する規範ではないため、指針(令和3年内閣府告示第118号、令和8年3月31日一部改正)に直接対応する項目はない。もっとも、事業者の側における情報の取扱いを定める指針第4の3(2)は、第18条と同じ発想に立つ。指針の解説(令和8年3月31日最終改正、令和8年12月1日施行)は四層構造を採るため、その構造に沿って整理する。

第一層 指針本文

内部公益通報への対応に関する記録を作成し、適切な期間保管すること。内部公益通報対応体制の定期的な評価・点検を実施し、必要に応じて改善を行うこと。内部公益通報受付窓口に寄せられた内部公益通報に関する運用実績の概要を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、労働者等、特定受託業務従事者及び役員に開示すること。

第二層 指針の趣旨

体制の在り方は、事業者の規模、組織形態、業態、法令違反行為が発生するリスクの程度、ステークホルダーの多寡、体制の活用状況、その時々における社会背景等によって異なり得るものであり、状況に応じて継続的に改善することが求められる。そのためには、記録を適切に作成・保管し、当該記録に基づき評価・点検を定期的に実施し、その結果を踏まえ、組織の長や幹部の責任の下で対応の在り方の適切さについて再検討する措置が必要となる。

また、内部公益通報が適切になされるためには、通報を行うことによって法令違反行為が是正されることに対する労働者等の期待感を高めることが必要であり、そのためには、個人情報の保護等に十分配慮しつつ、体制が適切に機能していることを示す実績を開示することが必要となる。

第三層 指針を遵守するための考え方や具体例

記録の保管期間については、評価点検や個別案件処理の必要性等を検討した上で適切な期間を定めることが求められる。記録には公益通報者を特定させる事項等の機微な情報が記載されていることを踏まえ、文書記録の閲覧やデータへのアクセスに制限を付す等、慎重に保管する必要がある。人事異動に伴う適時の権限解除も含まれる。

定期的な評価・点検の方法としては、労働者等に対する体制の周知度等についてのアンケート調査(匿名によるものも考えられる)、担当の従事者間における改善点についての意見交換、内部監査及び中立・公正な外部の専門家等による改善点等の確認が挙げられる。評価・点検の対象には外部窓口も含まれる。

運用実績としては、過去一定期間における通報件数、是正の有無、対応の概要、内部公益通報を行いやすくするための活動状況が挙げられる。開示の内容・方法を検討する際には、公益通報者を特定させる事態が生じないよう十分に留意する必要がある。運用実績の開示に当たっては、公益通報とそれ以外の通報とを厳密に区別する必要はない。

第四層 その他に推奨される考え方や具体例

各事業者における体制の実効性の程度は、自浄作用の発揮を通じた企業価値の維持・向上にも関わるものであり、消費者、取引先、労働者等・特定受託業務従事者・役員、株主・投資家、債権者、地域社会等のステークホルダーにとっても意義のある情報であるため、運用実績の概要や体制の評価・点検の結果を、CSR報告書やウェブサイト等を活用して開示する等、実効性の高いガバナンス体制を構築していることを積極的に対外的に示していくことが望ましい。

第18条との対応関係

行政の側で第18条が果たす機能と、事業者の側で指針第4の3(2)が果たす機能は、対称の関係にある。行政は制度全体の実態を集めて社会に返し、事業者は自組織の運用実績を構成員と社会に返す。この二重の情報還流によって、通報しても無駄だという認識を切り崩すことが、双方の規定の狙いである。

自治体においては、地方公共団体ガイドラインが定期的公表を求めることにより、この二つが接合される。自団体の公表内容が、消費者庁の施行状況調査を通じて全国データに組み込まれ、それがまた各団体に還元される構造となっている。


13 附則及び経過措置

令和7年改正法(令和7年6月11日法律第62号)附則第1条により、同法は公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとされ、令和7年政令第408号により令和8年12月1日からの施行が定められた。

附則第2条は経過措置の原則を定め、改正後の法の規定は、罰則を除き、附則に特別の定めがある場合を除いて、施行前にされた改正前の法第2条第1項に規定する公益通報にも適用されるものとする。第18条は令和7年改正の対象外であるため、附則第3条から第7条までの個別の経過措置とは無関係であり、施行日の前後を通じて同一の規範が妥当する。

附則第9条は、政府が、この法律の施行後3年を目途として、新法の施行の状況を勘案し、新法の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものと定める。原案では5年後見直しであったものが、衆議院における修正により3年に短縮された。令和8年12月1日施行を起点とすれば、令和11年12月頃が検討の目途となる。

この検討に用いられる施行状況の資料は、第18条に基づく情報収集の産物である。参議院附帯決議第六項が求める濫用的通報の実態調査、第九項が求める立法事実の随時収集も、第18条の枠内で実施されることになる。改正されなかった条文が、次の改正の内容を左右するという関係にある。


14 実務チェックリスト

14-1 民間事業者向け

  • 消費者庁が公表する指針、指針の解説、公益通報ハンドブック、公益通報者保護制度Q&Aの最新版を特定し、社内の参照文書として登録しているか。令和8年3月31日改正の指針及び指針の解説、令和8年6月30日付のハンドブックが現在の基準である。
  • 内部規程が、消費者庁の導入支援キットに含まれる規程例と照合され、令和7年改正に対応した内容に更新されているか。
  • 通報対応の記録を作成し、保管期間を規程上明記しているか。記録へのアクセス権限が限定され、人事異動時に権限解除される運用となっているか。
  • 体制の定期的な評価・点検を年次の業務計画に組み込んでいるか。評価・点検の対象に外部窓口を含めているか。
  • 運用実績の概要を、労働者等、特定受託業務従事者及び役員に対して開示しているか。開示の頻度、媒体、記載項目が規程又は運用要領に定められているか。
  • 開示内容が、通報者を特定させる事態を生じさせない水準まで抽象化されているか。調査未了の事項を確定事実として記載していないか。
  • 運用実績の概要を統合報告書、サステナビリティ報告書、ウェブサイト等で対外的に開示することを検討したか。認証制度の廃止により、自主的開示の意義が増している。
  • 受付件数が0件又は極端に少ない状態を、健全性の証明ではなく周知不足の徴表として評価しているか。周知度アンケートを実施しているか。
  • 実態調査の全国データと自社の数値を比較し、経営層への報告資料に組み込んでいるか。

14-2 地方公共団体向け

  • 内部公益通報受付窓口を設置し、従事者を書面により指定し、内部規程を制定しているか。窓口のみ設置し従事者指定・規程制定が未了という状態になっていないか。
  • 地方公共団体ガイドライン(内部の職員等からの通報/外部の労働者等からの通報)の令和8年5月29日最終改正版を参照し、庁内規程との対応表を作成しているか。
  • 体制の運用状況に関する情報を定期的に公表しているか。公表項目に、通報受付件数、事案の概要、調査結果の概要、とった措置、対応に要した期間が含まれているか。
  • 公表内容が、通報に関する秘密保持、個人情報の保護、利害関係人の秘密・信用・名誉・プライバシーの保護に支障を生じさせない範囲にとどめられているか。情報公開条例の不開示情報の規律と整合しているか。
  • 職員に対する定期的な研修を実施しているか。全国の行政機関で研修実施率が7.1パーセントにとどまる状況を踏まえ、自団体の実施状況を点検しているか。
  • 職員の窓口認知度を測定しているか。全国で認知率が44.6パーセントにとどまる状況に照らし、周知手段が事務連絡やイントラネット掲載のみになっていないか。
  • 消費者庁の施行状況調査に対する回答内容が、庁内の実態と一致しているか。回答の誤りが後日修正される事例が現に生じている。
  • 都道府県においては、区域内市区町村に対する連絡調整、助言、資料提供を実施しているか。市町村担当者会議の議題に体制整備の進捗を含めているか。
  • 市区町村においては、都道府県からの情報提供を受ける窓口部署を明確にしているか。
  • 自団体が第15条から第16条までの適用除外(第20条)を受けることを、体制整備義務そのものの免除と誤解していないか。第11条の義務は適用され、除外されるのは行政措置に関する規定のみである。

15 次回予告

次回は第19条(権限の委任)を扱う。内閣総理大臣の権限が消費者庁長官に委任される仕組み、政令で定める除外の範囲、消費者庁設置法との関係、そして委任を受けた消費者庁長官の権限行使に対する不服申立ての在り方を検討する。第15条の2による命令が新設されたことにより、委任構造の意味が改正前とは異なる比重を持つに至っている。


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